昨日ラスベガスで銃乱射事件がありました。
死者は59名になるとか。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
アメリカでは1日に36人の人が銃で殺されていて、年間では1万3000人くらいの人が銃で殺されているとか。
さらに銃で自殺する人も2万人くらい、居るそうです。
アメリカの人口は約3億2千万人くらいいますから、自殺者も含めると毎年1万人に一人が銃で亡くなっていることになります。
恐ろしいですね。
さらに銃乱射事件で2015年に亡くなった人は500人近くになるとか。
怖くて外に出られませんね。
アメリカは銃で滅亡する。
早く銃を規制しないと大変なことになる。
今回の事件でそんな声が色々なところから上がるかもしれません。
そんな事件が大々的に流れている昨日も、今日も、そして明日も、毎日のように日本では100人近くの人が自殺で亡くなっています。
ラスベガスの銃乱射事件が毎日2件、年中無休で起こり続けているくらいの数です。日本の人口はアメリカの半分以下ですから、人口比率から考えると、日本の自殺者数は毎日5件くらいの銃乱射事件が起き続けているレベルの破壊力と言うことになります。
しかも日本の自殺者のカウントは変死者を含めないとか。
通常変死者の半分は自殺者にカウントするのがWHOのルールだとか。
日本で変死者の半数を自殺者にカウントすると、11万人になるそうです。
(2016年の自殺者は大幅に減少したようですが)
一日300人です。
人口比比率も加味すると、銃乱射事件が毎日14件、雨の日も風の日も起き続けているくらいのインパクトになります。
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目立つことなら対策をしてくれるのか?
銃を規制すれば銃乱射事件は大幅に減ります。
でも銃で自殺する人は他の方法で自殺をするでしょうし、銃で人殺しをする人は違う方法で人を殺すでしょう。
結局、銃で亡くなっていた人がゼロになるわけではありません。
一方自殺の方が、まだ対策の方法がたくさんあります。
自殺の原因は、貧困、仕事、孤独、介護、病気、いじめなど様々です。
しかし、共通するのは「未来に希望が無いこと」です。
日本は「助けを求められない国」「一度失敗したら立ち直れない社会」と言われます。
少なくとも貧困や仕事の問題は社会全体で何とかする方法があるはずです。
大きな事件があって、マスコミが騒ぐと法律や規制が改正されることがよくあります。
例えば焼肉チェーンで起きたユッケ食中毒事件では、食品衛生法の規格基準が速やかに改正されました。
小金井市でストーカーに刺されたアイドルの事件をきっかけに、ストーカー規制法も改正されたと言います。
しかし、年間3万人(11万人)の自殺対策に対して、大きな法律改正があったということはほぼ聞きません。
もちろん間接的にはあります。
たとえば近年ではブラック企業を取り締まる「職業安定法改正」、「子供の貧困対策の推進に関する法律」などがあります。
しかし、悪名高い労働基準法36条では、労使の合意があれば、未だに無制限に残業時間を増やすことが可能です。
最近になってようやく見直す方向で検討が始まったらしいですが。
それに子供の貧困対策の推進に関する法律?
日本語を間違えたのかと思うような法律ですね。
どうして「子供の貧困対策法」ではないのでしょう。
まるで、「対策なんてできないけど、対策をしたいという気持ちだけはある」とでも言いたげな名前に見えます。
もちろんどちらも、やらないよりはやる方がはるかにマシですし、自殺者を間接的に減らす役には立つかもしれません。
しかし、他の大きく騒がれた事件に比べると、自殺者数の圧倒的すぎる数に対して、対策がぬるすぎるようにしか見えません。
自殺なんて結局自分の問題だし、目立つ話でもないから。
根底にはその考えがあるのだと思います。
本当に自分の問題だけですか?
そう言っているあなたは本当に自分の身に自殺したくなるような不幸が降りかからないと言えますか?
そして国は目立てば対策してくれるのでしょうか?
毎日マスコミで騒げば良いのでしょうか?
自殺者のみなさんには、できるだけ世間に迷惑をかけて、目立つような死に方をしろとでも言うのでしょうか?
そうでもしなければ、自殺対策に本腰を入れてくれないのでしょうか?
効果はあまり大きくなくても、簡単に対策できることはやる。しかし、どんなに大きな話でも、対策が難しくてお手上げなことは見向きもしない。
会社の仕事でもよく見受けられることですが、それで良いものかどうか、悩んでしまいますね。