くらしの現場レポート
2017.10.03 | 生活スタイル
位置情報ゲームアプリ『ポケモン GO』(以下、ポケモン GO)は、街のあちこちに現れるポケモンを見つけ、捕獲・進化・バトルなどをさせて遊ぶ、キャラクターと現実の街が一体となったゲームです。日本では2016年7月に配信がスタートし、若者から高齢者までもプレイを楽しんでいます。これまでゲームには縁遠いと思われていた層も含めて、多くのプレイヤーが「ポケモン GOを始めて生活が変わった!」と感じていました。
なかでも目をひいたのは、40~50代女性でした。この年代は更年期にさしかかって体に変化が起きることに加え、家事や仕事、親の介護、子どもの自立など、さまざまな変化とストレスが重なりがちです。そのため心と体がゆらぎやすくなります(くらしの現場レポート:変化が重なりゆらぐアラフィフ女性 自分なりの解消法で、心と体を整えるより)。
彼女たちは、友達から趣味やスポーツなどの気分転換に誘われても、時間を合わせて行動するのがなかなか難しいこともあり、アイドルのDVDを見たり、家でのんびりしたりすることで「心」と「体」のバランスをとるなど、家にこもりがちな人も少なくありません。そんななか、ポケモン GOは、「楽しさ」で彼女たちを外へといざない、キャラクターの「かわいさ」で癒し、ポケモンを見つける「ワクワク・ドキドキ」や、人気のポケモンをゲットするときの「ちょっとしたご褒美感やほめられ感」などを与えてくれる大切な存在になっていました。その嬉しさがまた外出のきっかけになり、あらためて外に出ること、歩くことの楽しさにも気付くという好循環が生まれていました。
仕事でクタクタなのに、帰宅してからもう一度プレイしにでかけたりする。それは疲れない。すごく気分転換になってるんだと思う。(45歳・女性/パート)
レアポケモンを見つけたとき感動する。捕まえると「やったー!」って、日常でありながら感動がある。(45歳・女性/パート)
父母の介護施設に行ったとき、トンガリ帽子のピカチュウが出た。疲れ果てていた私に「よくやったね」ってほめてくれているかのようで。(52歳・女性/専業主婦)
ポケモン GOにより「ワクワク・ドキドキ」したり「楽しい」と感じることが、人を動かす原動力になり、体にも心にも、とても大事なことだとあらためて気付かされました。ポケモンをゲットしたとき「『やったー!』と出るとなんだか嬉しい」という声もあるように、何気ない日常のアクセントになる「小さな楽しみ」が、「外に出る」「歩く」などの生活行動の習慣化には必要なのかもしれません。
調査概要
「ふだんのくらしと健康意識に関するアンケート」
◎2017年2~5月/家庭訪問調査/首都圏在住ポケモン GOを継続している20~60代男女/15人
※ポケモンGOを始めて歩く時間や機会が増えた人
◎2017年7月/インターネット調査/全国20~60代男女(学生除く)/20,095人