特選記事+関連ページ
ゲーム有害論史: ゲーム有害言説史 旧2002-2009
森昭雄の講演: 森昭雄世日クラブ講演
ゲーム有害論言及記事: 毎日新聞 子どもとゲーム NPO法人 子どもとメディアの「活動」実績
ゲーム有害論関連イベント予定表
2月20日15時~ コンテンツ文化研究会 2011年2月定例会
場所:東京都 新宿区柏木地域センター 第二会議室
東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト
2009/11/28(Sat) できたよ
■[ゲーム問題]44 教育(略)の恐怖! 講演レポート
11月22日に行われた「教育を考える彩の国県民フォーラム 『今、子供のたちの脳が危ない、ゲーム脳の恐怖!』」の講演レポートです(メモをもとに書いてるので聞きそびれた部分もあります)。
講演前
会場には10分前に到着。時間までに集まったのは100~120人ほど。来場者は家族連れや老人集団(やや多め)に(たぶん議員であろう)スーツの人も。講演者の乗っていた電車が遅れたため5分遅れの14時05分に開演。
まず、フォーラム代表のあいさつから。教育を考える彩の国県民フォーラムは超党派の議員や小中学校教師・父兄らと結成したらしい。超党派の割には会場のホールの題字の下に国旗とか主張内容が「伝統や文化を大切にする」とかどう見ても右派の思想が強い気がするんですが……祝電に宮代町教育委員会や埼玉県県議などの名前が挙がる。
講演
14時15分に高橋史朗の講演が開始。以下、主な話の内容。
- (昨日までに)知事(上田清司)や義家弘介とともにフォーラムを行った。
- 『子どもの脳が危ない』(福島章)『脳内汚染』(岡田尊司)を紹介する。
- 各国の大使館の日本人に「今も昔もいじめはあったのになぜ未だにいじめ問題をやっているんだ」と聞かれているが、今と昔のいじめは違う。全体の8割が加害者・被害者になり、全体の1/4は遊びでしていたりいじめに加わらないといじめられると答えている。
- ネットいじめの例として地元(埼玉)の事件を出す。
- いじめの相談の39%は親にも教師にも相談しない。親の知らないところで事件が起きている。
- 森昭雄と有田秀穂を呼んで講演した。東本郷小で親から同意を得た子供の脳を調べた*1(『ITに殺される子どもたち』に載っていた脳の血流の写真を見せる。)。
- いじめの原因は自尊感情・共感・自制心の欠如。
- 「興味を持ったら森先生の研究室に行ってもらいたい。」
- 有田は白鳥幼稚園で尿によるセロトニン量測定、森は白百合幼稚園で茶道のときの脳を測定した。
- 発達障害は早期発見・治療で対処。
- イデオロギーでなく科学的知見で考えるべき。日本小児科学会・日本小児科医会の提言*2を紹介。
- 授乳中ケータイをする母親が急増。サイレントベイビー。
- ゲームの調査の結果を出す。「ゲームで良い・悪い影響を受けた*3」は良い・悪いが13・22%、家庭のゲームのルールがあるが3割、男子の3人に1人が格ゲーで遊んでいる等。
- HQを育てるのが重要。ゲームは対人関係・言語の育ちが遅くなる。
- 家庭教育が大切。佐世保の子も親が相手せずゲームばかりしていた*4。
- 「2つ叱りて3つ褒め5つ教えよ」
- 暴力的なゲームは攻撃性を増す。
- 「この会場にはゲーム脳の反対派も来ているだろう*5」
- マザーテレサ「物に飢えている子供よりも愛に飢えている子供のほうがかわいそうだ」
- 江戸時代世界一礼儀の良い国民が150年で世界一悪くなった。親が親でなくなってきている。
- 親学について国会議員の勉強会に出ている。
だいたいこんな感じ。ここまで聞いてわかると思うけど、この講演はゲーム脳がメインでも何でもない。高橋の教育理念や脳科学の成果について語った講演会だった。なんでこんな釣りタイトルの講演会なのか疑問が晴れないまま質疑応答の時間に。
質疑応答
1つ目は僕が聞いた質問です。2つ目以降は回答が長いためにメモを読み返したら「だからどうしろと」という回答になってしまいました。
Q.森昭雄への批判について本人は誹謗中傷ばかりで何も科学的な説明をしていない。例としてかつて世田谷区で講演した際、公演を見に来ていた作家が「今よりも森先生の時代のほうが殺人事件が多かった」という質問に対して「日本の子供がどうなってもいいのか。日本人として恥ずかしい」と発言している。そのような行動についてどう思うか。
A.森の研究所に行って聞いてみるといい。私は森を誠実な人だと思っている。
Q.5・1歳の子どもを持つ会社経営者の父だが、ゆとり世代が社会に出てきてどのような状況になるのか。
A.学力低下とセットで扱われているゆとり教育。「ゆとり教育で学力が低下した」など言うが、本当に問題なのは人間力の低下だ。
Q.講演中「母は黙って父は構って」という言葉が出たが、母である私は子供に怒鳴ってばかり。少しは黙ったほうがいいのか。
A.子どもがキレるのは人格を否定されたから。叱るのは深い愛情に基づくもの。母親がするのは人格否定。
終了
15時55分終了。閉会のあいさつで事務局長の岡重夫が登場。ここで「テーマを何にするかで『子どもがゲーム脳に冒されている』ことをしみじみ考えた」結果上のような釣りタイトルの講演会が開催されることに。
その上、「アメリカで学校襲撃事件の犯人は戦争のゲームをしていた*6」「ハーバード大の医者が書いた本*7に書いてあった」「フィルタリングを簡単に外せない条例を通す予定*8」など発言。いろいろ問題のある発言連発。
- 8 http://b.hatena.ne.jp/ublftbo/
- 7 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/tabiture/20091128/1259414242
- 6 http://b.hatena.ne.jp/parallel-world/favorite
- 4 http://b.hatena.ne.jp/A-WING/
- 4 http://b.hatena.ne.jp/t/ニセ科学?sort=eid
- 3 http://d.hatena.ne.jp/keyword/高橋史朗
- 3 https://www.google.co.jp/
- 2 http://b.hatena.ne.jp/A-WING/ゲーム脳/
- 2 http://b.hatena.ne.jp/A-WING/add.confirm?url=http://d.hatena.ne.jp/tabiture/20091128/1259414242
- 2 http://b.hatena.ne.jp/achakeym/favorite