銃42丁と爆発物押収 周到に計画か
死者59人に
【ラスベガス(米ネバダ州)長野宏美、ワシントン高本耕太】米西部ネバダ州ラスベガスのコンサート会場で現地時間1日夜起きた銃乱射事件で、地元の捜査当局は2日、死者59人、負傷者は527人に上ったと発表した。捜査当局が、自殺したスティーブン・パドック容疑者(64)の宿泊先ホテルの部屋や自宅を捜索した結果、銃や爆発物を含む大量の武器を発見。周到に犯行の準備をしていた可能性が高まった。
当局は2日未明、ラスベガスから北東約100キロ離れたネバダ州メスキートにあるパドック容疑者の自宅を捜索。銃19丁と爆発物などを発見、押収した。ホテルの部屋でも銃23丁が見つかっており、合わせて42丁となった。また、容疑者の車から硝酸アンモニウムが見つかったことも明らかにした。硝酸アンモニウムは火薬や爆薬の原料となる危険物で、オクラホマシティーの連邦政府ビル爆破事件(1995年)の爆弾にも使用された。
これまでの調べによると、パドック容疑者は1日午後10時すぎ、2万人以上が集まっていたカントリー音楽のコンサート会場に向け、近くのホテルの32階の部屋から銃を乱射したとみられている。警察の特殊部隊が部屋に突入した際には既に自殺していた。
事件を受け、トランプ大統領は2日、ホワイトハウス南庭でメラニア夫人、ペンス副大統領夫妻らと共に犠牲者に黙とうをささげた。連邦政府機関や在外公館などで今月6日の日没まで半旗を掲げるよう指示するとともに、4日には現地入りする意向を表明し、犠牲者とその家族、けがをした被害者らに寄り添う姿勢を示した。
一方、トランプ氏は声明を読み上げ、容疑者を「ガンマン(銃を持った人間)」と呼んだ。ただ、それ以外は、銃使用に関する言及はなかった。サンダース大統領報道官は2日の記者会見で銃規制への立場を繰り返しただされ、「今日は被害者を慰め、犠牲者を悼む日だ。政治や政策を議論する時ではない」と述べ明言を避ける一方、自衛のための武器保有の権利を定めた合衆国憲法修正第2条について「強く支持してきた大統領の立場は変わらない」と述べた。