どうも。なんちゃって営業のozです。
今回のテーマは、お客さんとモメた時の話です。

伏線

かれこれ5年くらい前のことでしょうか。当時、私はあるエンジニアをそのお客さんの案件に投入していました。
確か証券会社か何かのシステムの追加開発で、Javaができることを求められ、入ってみたらひたすらPL/SQLでゴリゴリ(ゴリゴリについてはこちらを参照)やると言う案件だったと記憶しています。
3ヶ月更新の契約で、その2ヶ月目の中頃、急遽「今月末で契約を終了にして欲しい」と言う依頼がはいりました。
どうやら、お客さん自身がユーザーからの受注に手こずっているようです。でも、そのエンジニアが優秀であったため、充分次の案件にアサインできると考え、契約終了を受け入れました。

営業

すぐに次案件の参画に向け、営業を開始しました。なるべくそのエンジニアにあった案件に携わってもらうため、特に重要な顧客から慎重に話を進めていきます。すると、当社の最重要顧客から「そのエンジニアに会ってみたい」と言う話が入りました。よっしゃ来た。ですが、経歴書を更新したり、提案したり、エンジニアに客先の状況を説明したり…などいろいろやっていたため、そのころはもう月は後半に入っていました。

キレた

さっそく提案先の会社につれていくために、1時間ほど早退させてくれるように当時参画中のお客さんに連絡をいれました。連絡をいれたのは購買担当を兼任するシステム部長さん。すでに現場を離れ、事務所で仕事をしている人物です。
そういう場合、だいたいは部長さんに連絡をいれ、部長さんが現場の状況を聞いて調整するものです。また、今回はお客さんの都合によって急遽月末終了が決まったので、大抵、よほど都合が悪くない限りこちらの要望をきいてくれます。

ところが、この時は違いました。
現場に確認することもなく、即答でNo。連れていくなら定時後か定時前にするように…とのこと。
エンジニアに確認したところ特別忙しいわけではないにもかかわらずです。

提案先の要望は18時まで。とても間に合いません。
その日を逃すと再調整でまた数日遅れてしまいます。
エンジニアと相談して、早退分は休み時間でも残業でもして埋めるので、なんとかお願いします!と食い下がるも、やはり現場に聞くこともなく即答でNo。

納得がいかないので、すぐ直接現場に行きました。
現場でリーダーさんを呼び出し、確認しました。すると、こちらは即答でOK。ほらみろや!
そりゃそうだろうと思った。

怒られた

でも、速攻で部長さんから電話がかかってきて、もの凄く怒られました。

SESと言うビジネスの都合上、二次請けが元請けに直接乗り込むなどと言う事はあってはなりません。私は禁を犯しました。
ですが、一次請けが二次請けに正確な情報を与えないとか、不当な扱いをすることもあってはなりません。

前日のブログ『システム開発における契約形態別の責任範囲』でも、SES契約における支払い拒否について触れましたが、こうした下請けに対する扱いが、下請け企業の経営を圧迫し、最終的にはそのツケをエンジニアが支払うことにもなりかねません。

自らの立場や利益を守るために、下請け企業を不当に扱うことは、別に理解できないものではありません。
ですが、それがエンジニアを不当に扱うことに繋がり、エンジニアの業界離れを加速させます。最近は、以前と比べ、かなり少なくなりましたが、それでもまだ下請けの泣き寝入りは存在しているのです。

SESと言うビジネスの性質上、下請けになったり、下請けを使ったりする事が頻繁におこります。
まずはできるだけ商流の深くない仕事をすることが肝要です。
そして、何か問題が起きた時に、それがエンジニアにとって不当な扱いにならないかどうか、その視点は常に持っていないといけないと思います。

でも結局ひとつお客さん失った。
得るものも失うものもあった出来事でした。