日産自動車の西川広人社長は2日、無資格検査問題で記者会見し、リコール届出予定は約121万台に上ると発表した。未登録車の点検実施は対象約3万4000台でリコール費用は約250億円と見積もっている。
対象は2014年10月から17年9月に製造され、国内で販売された1回目の車検を迎えていない車種。全国の日産販売会社のサービス工場で車検相当の点検を行う。新車登録前で、顧客に引き渡される前の未登録車については、販売会社で再点検を実施する。
西川氏は会見で、信頼回復のため早急に動かなくてはいけないと強調。「非常に深刻な問題」であり、自身が納得できる形まで調べた上で、どういう責任をとるか考えたいと語った。無資格検査が行われていた背景として「実質的な作業の質が確保されていれば、検査員として登録する前に実際に検査員と同じことをしても大丈夫だという認識」があった可能性もあると話した。原因の検証には1ヵ月程度かかるという。
同社は9月29日、国内工場での完成検査工程で、規定によって認定された検査員が一部項目の検査を実施していなかったことが国交省の指摘で判明したと発表。販売会社の在庫車の登録手続きを一時停止した。西川社長は9月18日に国交省の抜き打ち検査を受けるまで、問題を「全く認識していなかった」とし、「あるところでは常態化していたところがある」と話した。
同社の株価は2日、一時前週末比5.4%安と大幅に4日続落。2016年11月9日以来の下落率となった。