バタフライナイフは動きが激しく、消耗も激しい。
一番傷むのがここだ。
オープンのたびにハンドルのA点がブレードピンBに激しく衝突し、
ハンドルとブレードピンのどちらか軟らかいほうが、硬さが同じなら両方が、どんどん潰れていく。
ブレードピンとハンドルは「点」でぶつかるので衝撃が一極集中してしまう。
ハンドルのほうが軟らかい例。ブレードピンは無事で、ハンドルの凹みがひどい。
ハンドルとブレードピンの硬さが同じ例。両方が同じくらい潰れている。
新品と使い込んだものはこれほど違う。ここまでくるとガタが発生する。バタフライの宿命だろう。
ベンチメイドではブレードピンの交換サービスもしてくれるらしいが、ちょっと待てよ、
ブレードピンのほうが軟らかいのか?ハンドルのほうは全然潰れないのか?
バタフライナイフはそんな感じなので、3万円もするバリソンを買う気にはなれない。
俺はセトカトラリー製が結構気に入っている。一部を除いて刃付けもいいし、値段も安い。
さて、ブレードピンとハンドルが衝突して潰れてしまう、このバタフライナイフ特有の欠点を
見事に解決したバタフライナイフがある。
ベンチメイド製造、ブラッドリーカトラリー発売、メイヘムだ。
大きさ比較のために、セトカトラリー製5インチ、4インチバタフライも並べてみた。
メイヘムにはブレードピンが存在しない。
ハンドル内部のストッパーCがブレードのDの部分に「面」でぶつかる。
「点」ではなく「面」でぶつかるため、衝撃がうまく分散する。
クローズの際は、ストッパーCがブレードのEの部分に「面」でぶつかる。
実に良くできたバタフライナイフだ。
ハンドルが湾曲しているため、曲芸には使えないが、グリップが非常に良く、
出来のいい折り畳みナイフと同じような感覚で使える。
ブレードはS30V。初期刃付け抜群。精度抜群。チタンハンドル。スプリングラッチ。
ブルー・アノダイズド・アルミ・バレル・スペーサー。
そして上記の通り、消耗が少ない。
このスペックなら二万円超も高くない。
バタフライを実用にしたい人に特にお勧めする。
ttp://www.sheffield.rgr.jp/misc01/index.html#BRADLEY
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コメント(32)
MECさんは僕よりマイクロにお詳しいですね。
まいくろおたと名乗りつつ基本色んなナイフを広く浅くの知識の僕なんで、
なんか不思議な感じはしますなあ。
今後出てくるナイフでフルメタルなのは、タキオン2くらいでしょうかね。
カタログ見る限りヴェクターやケストレルも再販されそうなんですが、
フルメタルで通常のトルクスネジがいいですね。
2012/10/17(水) 午後 8:32 [ まいくろおた ] 返信する
元はこのBlogでマイクロ話に盛り上がっていたSilver氏とまいくろおた氏がきっかけで触ったので感謝の念に耐えません。
まだまだ先人には遠く及ばないので精進あるのみです。
Vector/Kestrelは同一製品のバリエーションとして統一されてオートは2011年に再販されましたがマニュアルは置いてけぼりのようで残念です。仕様は残念な事にTri-wing採用、更に4インチに変更されてクリップも後方になっているので旧型とは別物かと。
ただハンドル素材はElite系列のアルミ+滑り止め採用のようで、マイクロならではの触感が堪能できそうです。発売するなら一本欲しいですね。
Microtechは案外フルメタル路線が続くかもと私は思います。
元々オートナイフ主体のメーカーですし、スプリングのキック力に耐えるのを考えるとやはり金属フレームの強度が必要です。剛性を保ちつつ可能な限り軽くするとやはりフル鍛造アルミかフルチタンが軽量化の限界でしょう。
「オートベースじゃないとわりと微妙なメーカー?」は禁句。
2012/10/17(水) 午後 11:48 [ MEC ] 返信する
どうも、MECさん、
>2012年モデルで全て隙間のある一般的な設計に変更
これは全く知りませんでした!
ちなみにぼくが持ってるセレクトファイアと新型ソーコムは全て2011年製です。
なんだか、マイクロテックがマイクロテックじゃなくなっていってるような気がしますが。
2012/10/18(木) 午後 5:41 [ Silverblade ] 返信する
>Microtech設計の集大成という意味で最近Select Fireに心惹かれております
あれはいいです!タク系にしてはちょっとハンドルが細いかなという感はありますが、
不満とか使い心地悪いとかいうものではありません。
傷むのが嫌なのでジェントルマンフォルダ的にしか使ってませんが使い心地はいいです。
注意点を申し上げるとすれば、リーフロック全解除のとき、ブレードは左右にガタつきます。
しかしこれはアルファドラドやフォールディングアルファハンターも同様で、
強力なリーフロックあるいはライナーロックでがっちり押さえ込んでいるため、
使用時にはガタつきは全くありません。
さらに、セレクトファイアはオープン時、サムスタッドがハンドルにぴったりくっつくことによっても
左右のガタつきを防いでいます。(ソーコムエリート、CRKT M16,M21、Gerber EVO等と同様)
見た目が好きであれば、買って後悔はしないと思います。
2012/10/18(木) 午後 5:42 [ Silverblade ] 返信する
SocomEliteの記事で私が「新型は改悪が目立つ」とコメントした最たる理由がそれだったわけです。
フレームと密着するサムスタッド、ブレードと密着したピボット部とライナーロック型にしては非常に横からのテンションに強い設計で、かつ高品質でメンテナンスが楽という厳しい条件を満たす逸品だったのですが…
新型でハンドルは更に良くなり、ベアリング構造のピボットによりスムーズさも上がりましたが、代償として頑丈さとメンテナンス性が犠牲になってただの高品質なナイフになってしまい無念の極み。
ちなみに特殊レンチがあっても評価は変わりません。内部パーツが増えて繊細な組みを要求されるため気楽に開けられない点は変わらないので。
2011Elite、内部パーツは軸受け一個だけ(モデルによりウェーブワッシャー一個も)なので、なんとDelicaと同程度にメンテナンスが楽という驚異的な代物です。しかも超テキトーに組んでもきっちり元通り。全ネジが100%締めで最適になるように作られているので、ブレードが快適に動くスイートスポットを探す作業も要りません。
2012/10/18(木) 午後 10:12 [ MEC ] 返信する
>全ネジが100%締めで最適になるように作られている
ああ!そう言われてみればそうですね!
うーん、これはヘタすると信者が減るかもしれませんねえ。
2012/10/18(木) 午後 10:37 [ Silverblade ] 返信する
最近のマイクロテックは賛否両論が激しいですねえ。
以前からマイクロテックのファンにも派閥があり、
ある派閥は90年代信者、ある派閥は2005年以前のものを信仰していますが、
今回ほど賛否両論は激しくなかったと思います。
今後Tri-wing移行前の派閥と以降後の派閥とかも出来そうな気がします。
新規ファンはデルタやホエールシャークからマイクロテックを知ることになるでしょうから。
特殊ネジやG10ハンドル、リーフロックの変更等、見た目的にはより近代的に仕上がり、
特殊性も上がったので、旧式よりこちらの方がいいとおっしゃる方もいるかもしれません。
2012/10/19(金) 午前 8:25 [ まいくろおた ] 返信する
どうも、まいくろおたさん、
>旧式よりこちらの方がいいとおっしゃる方もいるかもしれません
人の好みは十人十色なので、それはありうると思います。
あと、例の特殊ネジですが、ぼくは結構面白がって見ているほうです。
傷むのが嫌なのでジェントルマンフォルダ的にしか使わない、従って
バラしてメンテナンスしなければならないような状況にはなりそうもないということもあります。(笑)
2012/10/19(金) 午後 11:52 [ Silverblade ] 返信する
昔、コールドスチールのトリプルアクションを好んで使っていたんですが、ハンドルがアルミの為か摩耗してガタが発生したり白く染まってしまったりしました。華麗なアクション、金属質でクセのないハンドルが好みだったのでかなりショックでした。
そう考えると、アクションの質は違えど摩耗の少ないメイヘムは自分の理想にかなり近いナイフかもしれません。ただ、値段が高くて中々手が出ませんが……
2013/4/18(木) 午前 11:21 [ 旅烏 ] 返信する
どうも、旅烏さん、まいどです。
トリプルアクションいいですねえ。
ぼくも持ってますが、傷むのが嫌でほとんど実用にはしてません。
たまに振り回してアクション楽しむ程度ですね。
それでも極僅かずつ磨耗しますので、予備1本持ってます。
同じナイフを2本は持たないという主義の人がおり、
どちらが正しいとか間違ってるとかは無いと思いますが、
ぼくは惚れ込んだら原則的に複数本持ちます。
やはり無傷のやつが1本は欲しいです。
メイヘムはとてもいいナイフですが、
やはり「この値段でよろしければ」ということになるでしょうね。
さすがのぼくも、メイヘム、セベンツァ、アリアスに至っては
同一モデル2本は買ってないです。
2013/4/18(木) 午後 0:47 [ Silverblade ] 返信する
メイヘム、購入しました!高い買い物になりましたが本当に良いナイフです。というかこの構造でガタ一つないって本当に凄いことだと思います。
しかし、お金に余裕が出来たのでしんかいで買ったZT0560……自分、初めて粗悪品掴まされたかもしれません。
ZTで聞いたことのないあからさまなセンターズレ、やたらとキツいフレームロックはまだ良いとして、フレームロックとブレードの接地面が斜めであるためか、少しの負荷でフレームロックが左にズレます。
ブレードの背を押したり、軽く叩いたりしてブレードがガタガタとズレるのは勿論のこと、酷い時は振っただけでガタッという音が出ます。
購入したのは昨日なのですが、売却するしかないのかなあ……
2013/5/18(土) 午前 11:56 [ 旅烏 ] 返信する
どうも、旅烏さん、まいどです。
メイヘムは2本も3本も買う気はありませんが、本当に買って良かったと思います。
バタフライナイフの醍醐味は曲芸だと思ってはいますが、
実用ナイフとして見た場合、メイヘムが最高で、
少なくとも現時点ではこれを超えるものは無いでしょう。
>ZT0560
ぼくも関市にある、実店舗と通販と両方やってるところで
ベンチメイドの 426 Snody Tactical を通販で買ったところが、
酷いセンターズレのものが来ました。もうそこには行ってません。
安価なものならまだしも、1万円超えの美術品目的のものでこれは許せません。
旅烏さんのZT0560にしろ、ぼくの426にしろ、実店舗でそれだと間違い無く売れ残るでしょう。
だから通販に回したんじゃないかと思います。
2013/5/19(日) 午前 2:23 [ Silverblade ] 返信する
こういうケースでは、ぼくはその店とは相性が悪いと考え、二度と行きません。
売却するかどうかは自分で決めるしかありませんが、ぼくの場合はこんな感じでした。
1.上記の426
センターズレ以外に不具合は無いので、実用にする。
2.全く刃付けされていないベンチメイド・ニトラスストライカー
直前に購入していたスパイダルコ・トライアングル・シャープメーカー・ダイヤモンドの実験台に。
左15度、右15度のエッジつけてジェントルマンフォルダとして使用。いい感じです。
3.はっきり言ってクソナイフと言って間違い無いガーバーのスワッガー大とコントラスト。
あまりに酷いのと、なんとかならないかとあれこれ手を加えた後だったので廃棄。
以降、ガーバーは買わないことに。
4.ハンドル軽過ぎのスパイダルコ・ミリタリーG10とロック解除困難な Tri-Ad Lock もの。
速攻で売却。以降、全ての軽量ハンドルと全てのコールドスチールを買わないことに。
2013/5/19(日) 午前 2:24 [ Silverblade ] 返信する
コールドスチールについては、新型リーコンと新型AK-47でかなりの損害をこうむりましたので、
以降、フォールディングのみならず、フィクストブレードも含めて一切の購入を停止しました。
2013/5/19(日) 午前 2:26 [ Silverblade ] 返信する
返信ありがとうございます。実用に回すにしてもブレードがガタガタいうので折を見て売却したいと思います。もう未使用品って書かれた物はどんなに安くても買わねー!
ちなみにZT0560はメイヘムに比べれば重心が前寄りなので、メイヘム程の実用的な使い心地の良さはないですね。
要らないナイフを売却して金に余裕が出来たら、今度はCRKTのイレイザーか、BUCKの最近S30Vになったアルファハンターでも狙おうと思います。
2013/5/19(日) 午前 7:31 [ 旅烏 ] 返信する
どうも、 旅烏さん、
>ZT0560はメイヘムに比べれば重心が前寄りなので
え!そうなんですか!
実は、ZT0560は「買おうかなー、どうしようかなー、ZT0303買い増しのほうがいいかなー」
という感じで、購入対象でもなければ、完全除外でもない位置だったんですが、
その一言で完全除外決定です。
あれが Cryo みたいなフルメタルだったら即買いだったんですが、
重心前寄りならもう未練はありません。貴重な情報ありがとうございます。
>CRKTのイレイザーか、S30Vアルファハンター
どちらか1本だけ取れと言われたら難しいですねえ。(笑)
ここでは、どちらを取るかは置いといて、ぼくの好きな点を挙げていきます。
2013/5/20(月) 午後 6:53 [ Silverblade ] 返信する
CRKTのイレイザー
ハンドルのグリップ感触はこっちの勝ち。また、滑らかなフィンガーフリップも魅力。
エッジ長がアルファハンターの1.5倍あります。
また、ウエイトバランスがアルファハンターより前寄りで、人差し指と中指の間に来ます。
ですので、枯れ枝を払う、藪払いするならこっちの勝ち。
アルファハンター
ぼくのは 154CM ですが、まあ、似たようなものでしょう。
重心はちょうど中指に来ます。
比べてみると「えー!?」と思うくらい、中指の真ん中と人差し指と中指の中間では
手に受ける感覚は大きく違います。ぼくは重心が後に寄るほど好きなので、
った瞬間思わずニヘラッと笑ってしまうのはこっちのほう。
細かい取り回しがしやすく、骨付き肉を調理するなら断然こっちの勝ち。
イレイザーは調理に使いたくなる類のものではありません。
また、ぼくはハンティングはやりませんが、獲物の皮剥ぎとか解体なら当然こっちの勝ち。
また、工作に使うとしてもこっちの勝ちです。
2013/5/20(月) 午後 6:53 [ Silverblade ] 返信する
どちらも一長一短ですが、それゆえ、魅力倍増ですね。
短所の全く無い万能ナイフなんて、もしあったらそれはきっと世界一つまらないナイフでしょう。
2013/5/20(月) 午後 6:56 [ Silverblade ] 返信する
返信ありがとうございます。メイヘムが完全に手の平に重心が収まる感じだとするならば、ZT0560はクリップなしだと重心が人差し指の上か外側、クリップを下側に付けると人差し指の上か内側に重心が乗っかるという感覚でした。
ところで、イレイザー等も欲しいのですか、また買いたいナイフが増えてしまいました。HOGUEというメーカーのEX-1というナイフなんですが、ボタンロックとアルミハンドル(G-10モデルもありますが)という組み合わせがどことなくTR4と似てるんですよね。
2013/5/20(月) 午後 8:02 [ 旅烏 ] 返信する
改めて、ZT0560はパスします。ありがとうございました。
高い金出してそのウエイトバランスなら要らないです。
EX-01シリーズ、ぼくも1本持ってますよ。まだ、記事にしてませんが。
アルミハンドル、大サイズ、ドロップポイント、黒、です。
かなりいいですよ。買って後悔しないと思います。
ぼくの場合、もったいなくて美術品扱いです。
値段が値段なので一気には買えませんが、
最終的にアルミハンドルで黒のもの、一通り買うつもりです。
ただ、TR4、直刃2本とセレ付き1本持ってるから買い方向であって、
TR4かEX-01か、どちらか一方となればTR4です。
2013/5/20(月) 午後 10:29 [ Silverblade ] 返信する