私が小学校を卒業して、
中学に上がったばかりの頃の話ですが・・・・
新入生だけの学年集会が体育館で行われました。
校長先生の長い長い長い話が終わり・・・・・
体育館から出ようとすると・・
なぜか・・・生徒の列が前に進みません。
誰も体育館の外に出ようとしないのです。
(・・・・・なんで・・・?)
列の隙間から前を覗くと・・・・
理由がわかりました。
怖い不良の先輩が体育館の入り口を塞ぐように、
横になって寝ているのです。
みんな怖くて外に出れません。
これは・・・・恐らくこの不良の先輩が、
新入生に自分の権力を誇示しようとしたのでしょう。
新一年生の我々はどうすれば良いかわかりません。
先輩をまたいで通るワケにも行かず・・・・・
ざわざわ・・・・・・
そして数分後・・・・・・
異変に気付いた先生が飛んでやってきました。
「何してんだ!みんなが出れないだろ!」
ああっ良かった!これでもう安心!
と・・・・そう思ったのですが・・・・
「うるせえ!」という怒号と共に、
先生は不良にアッサリ蹴り飛ばされてしまったのです・・・
不良にドスドスと踏みつけられる先生・・・・
どこの学校でも見られるような話ですが・・・・
この時の私にとっては、
まるで世界観が一変するような出来事でした。
この頃の私はまだ・・・
先生や親は『絶対的な存在』だと思っていたのです。
親や先生に暴力を振るう人間が学校にいるなんて・・・・
思いもしませんでした。
そんな騒動が終わり・・・・クラスに戻ると、
今度は1年生クラスの前の廊下を、
別の不良の先輩が自転車で走っていました。
まさに無法地帯・・・・・
「まちなさぁ~い!」
と大声をだしながら・・・・
走る自転車の後ろを初老の先生が追いかけています。
しかし・・・その様子が変なのです。
懸命に追いかける先生は・・・
なぜか・・・自転車に全く追いつかないのです。
自転車はゆっくりゆっくり廊下を進んでいます・・・
走れば十分追いつくスピードです。
廊下の端まで走ると・・・
不良の先輩は立ち止まり、
ゆっくりゆっくりターンを始めました。
往復して廊下を走るつもりなのでしょう・・・・
その時・・・・
さすがの先生も自転車に追いついて、
自転車を止めようと荷台に手を伸ばしました。
しかし・・なぜか荷台を掴めず・・
空振り・・・・
(えっ!?)
自転車は殆ど止まっている状態なのに?
そうなのです・・・・先生は・・・
はじめから不良の先輩を捕まえる気が無いのです。
全部・・・ただの『演技』
不良を追いかける演技、止める演技。
この騒動を遠目で見ていた、
新一年生達はこの学校を理解しました。
先生は不良達を怖がっている、
そして何もする事が出来ないと・・・・・
結局・・・・学校は荒れる一方でした・・・・
同級生たちの一部も次第に不良化します。
先生や生徒達は殴られたり蹴られたり・・・・・
放火やレイプで逮捕者が何人も出る程・・・
ヒドイ学校でした・・・・
最悪の中学校時代・・・・
しかし高校に上がっても・・・・
一部の不良達とお別れは出来ませんでした。
いや・・・・なにせ私が入れる高校は、
「ハイ!」と返事が出来れば、
入れるようなレベルの高校だったからです。
だから・・・やはり高校は・・・
・・・新入生は・・・チンピラまみれでした。
入学式が終わり・・授業が始まる頃には・・・・
速攻で『不良グループ』が出来上がっていました。
そう・・・中学時代と同じように・・・・・
不良達は授業中に騒ぎ、暴れだします。
そして気の弱そうな生徒をイジメだしました。
(ああ・・なんだ・・またここも同じなのか・・?)
心の底から本当にガッカリしました。
そして・・・怒りました。
先生は当てにならない!!!
もう私が自分で解決するしかない!
そう思った私は衝動的に立ち上がり、
何も言わず不良達の元へ近づき、
唐突に暴力を振るってしまったのです。
ペチン!
つづく