阪急阪神ホールディングスは大阪・梅田に新しいホテルを開業する方向で最終調整に入った。家電量販店大手のヨドバシホールディングスが建設中の大型ビルに入る。客室数は約1千室と大阪市内で最大。大阪市ではホテル建設が相次いでいる。梅田への強い集客力を持つ阪急阪神の巨大施設の開業によって、訪日外国人や出張客をめぐる競争が激しさを増す。
ヨドバシがJR大阪駅北側に建設中の35階建て複合ビル「ヨドバシ梅田タワー(仮称)」に入居する交渉を進めている。他のホテルチェーンも名乗りをあげていた。
同タワーは家電店が入る「ヨドバシ梅田ビル」に隣接して、地下1階から地上8階が商業施設で9階以上がホテルとなる。宿泊料金は1泊1万円台が中心になるもようで、主に出張客や観光客の利用を見込む。開業は2019年冬の見通しだ。
阪急阪神のホテル子会社、阪急阪神ホテルズ(大阪市)は全国で48施設を展開し、大阪・梅田ではホテル阪急インターナショナルなど5ホテルがある。ヨドバシ梅田ビルの東側にある大阪新阪急ホテルは客室数が961室ある主力施設だが、開業から50年以上がたち老朽化が進んでいる。
阪急阪神は25年までの長期ビジョンで大阪・梅田の活性化を掲げる。梅田駅の近くでは22年に阪神百貨店梅田本店とオフィスビル「新阪急ビル」の建て替え工事が完成する。大阪駅北側では再開発計画「うめきた2期地区」への参加や、31年春開業予定の新線「なにわ筋線」への乗り入れを目指している。
大阪・梅田の繁華街はこれまでより北側に広がる。難波を中心とするミナミとの間でも旅行客の争奪戦になりそうだ。
大阪市内では訪日外国人の急増を背景に、高級ホテルからビジネスホテルまで宿泊施設の新設が続いている。6月には中之島にコンラッド大阪が開業。JR西日本は18年6月に大阪駅北側、19年夏に心斎橋で宿泊中心のホテルを開く。東京の高級ホテルのパレスホテル(東京・千代田)も大阪進出を検討している。大阪市内の主要13ホテルでは6~7月の平均客室稼働率が9割を超え好調が続いている。