「強み」を活かす。そんな言葉が話題になって久しい。
僕も「強み」を活かすことには大賛成だし、ツールとしてのストレングスファインダーにも可能性を感じている。(関連記事)
一方、「強み」に向き合うとき、避けて通れないのが「弱さ」との付き合い方。
組織で働く人の「弱さ」に、(個人レベルではなく)組織レベルでどう取り組むとよいのか。そんなテーマが語られているのがこちらの本だ。
『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』
「自分の弱さを隠す」のが仕事!?
序章冒頭の言葉には、ドキッとさせられた。
実は、組織に属しているほとんどの人が、本来の仕事とは別の「もう一つの仕事」に精を出している。(略)大企業でも中小企業でも、役所でも学校でも病院でも、営利企業でも非営利団体でも、そして世界中のどの国でも、大半の人が「自分の弱さを隠す」ことに時間とエネルギーを費やしている。
誰から見ても意味がない「もう一つの仕事」、けれど確かにあるよなぁとも思える。
「もう一つの仕事」を誰もしていない組織を観察していくことで、著者キーガン氏とレイヒー氏はある共通点を見つけたそうだ。
- みんなが自分の弱さをさらけ出せる
- 安全であると同時に要求の厳しい組織文化
このような組織を、発達指向型組織(DDO)と呼び、本書ではその実例とともに秘密に迫っていく。
発達指向型組織(DDO)
「もう一つの仕事」など誰もしていない組織を丹念に観察してはじめて、ありふれたことが実は「普通」ではないのだとわかる。(略)そうした環境は、みんなが自分の弱さをさらけ出せる、安全であると同時に要求の厳しい組織文化によって生み出される。本書では、このような組織を「発達指向型組織(DDO=Deliberately Development Organization)」と呼ぶこととにしたい。
発達指向型組織(DDO)には、「ホーム」「エッジ」「グルーヴ」の3つの軸がある。
- ホーム…発達を後押しするコミュニティ
- エッジ…発達への強い希求
- グルーヴ…発達を実現するための慣行
このなかの「ホーム」(発達を後押しするコミュニティ)が、個人的にとても気になっており、ここを突き詰めて考えるために、読書会でとりあげて読みこむことにした。
CMC読書会19、10月から開始!
2ヶ月に1回 開催している CMC読書会で、本書『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』を2017年10月の課題図書に設定した。
課題図書:
『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか
すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる』
(著者 ロバート・キーガン氏、リサ・ラスコウ・レイヒー氏)
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2220
期間:2017年10月1日〜10月31日
形態:facebookグループ【CMC読書会】上でのオンラインディスカッション
骨太の本なので、章を分けながらじっくり読みこんでみたい*1。
本書&本読書会に興味をもった方は、以下URLからお申込みを!
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参考情報
本書 監訳者の中土井僚さんと、サイボウズ 青野慶久さんとの対談記事。
DDOの概略をつかむのによさそう。
cybozushiki.cybozu.co.jp