日産自動車が,新車に行う完成検査で不正を行っていた問題が明らかになりました.
現在わかっている段階での,問題の内容と,今後の株価への影響,300株のホルダーとしての投資方針について考えてみたいと思います.
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完成検査問題
完成検査とは?
自動車が工場で生産され,各販売店に出荷される前に,完成検査とよばれる各種検査が行われています.
検査内容を確認してみると,通常行われている,いわゆる車検に少し毛が生えたようなもです.
車体番号など車検証との同一性の確認,エンジンルーム内,外観,車室内,下回りなどの各種検査の他,ブレーキ・テスタやスピードメーター・テスタ,ヘッドライト・テスタ,CO,HCテスタなどの検査機器による検査項目があります.
製造業者が出荷前に行っている品質検査の自動車版で,特別な何かが行われているような感じは受けませんでした.
「完成検査実施規定」は下記のリンクから確認できます.
http://amsdl.ams.or.jp/shinnkoukai/paperbank/18.pdf#search=%27完成検査+内容+自動車%27
完成検査問題とは?
日産自動車で何が問題になっているのでしょうか?
完成検査を行っていなかった?
完成検査で異常があるにもかかわらず,放置した?
データを改ざんした?
現在発表されているのは,
「社内規定」に基づき認定された者以外が,完成検査を行っていた
ということです.
上でリンクを示した完成検査実施規定の第1条に,
完成検査実施者は,事業者が選任した自動車検査員とする
と書かれています.
国家資格が必要だとか,国が定める基準を満たす者であるとか,そういった条件はなさそうです.
今回の問題に関して,国交省から平成29年9月29日付けで,報道発表資料が公開されていています.
報道発表資料:日産自動車(株)の型式指定自動車の完成検査に係る不適切な取扱いについて - 国土交通省
完成検査を行っていなかったのではなく,
異常を放置していたわけでもなく,
データを改ざんしていたのでもありません.
一部では,「弁護士資格がないものが弁護を行った・・・」などのたとえ話も出てきていますが,これは明らかにミスリードであると思います.
完成検査を行う者は,社内規定で認定された者が行う必要があるのであって,決して国家資格を持つ必要はありません.
実際にどのような者が完成検査を行っていたのかは不明です.
しかし,普通の企業が出荷前の品質検査に相当神経をとがらせている事を考えれば,それなりの経験と知識を持つ者が検査を行っていたであろうということは想像できます.
つかえない者に「やっつけ仕事」としてやらせていたのではない
ということは断言できます
不正には違いなく,全くもって擁護できるものではありませんが,それほど大騒ぎするほどの問題ではないと思います(2017年9月30日の時点でわかっている範囲では,と注釈をつけさせていただきます).
株価への影響
週末に報道されたこともあり,株主としては週明け月曜日以降の株価への影響も気になるところです.
個人的には,今回の不正が大きな問題になるとは思っていませんが,
- 社内資格を持たない者が完成検査を行ったことで発生した事故の有無
- 内部調査によって他の問題が明らかになる可能性
- リコールを行うのか,費用は?
- マスコミのネガティブ・キャンペーンがどこまで醜いことになるか
- マイナスイメージがつくことでの,新車販売数への悪影響
など,この問題が収束するのか,さらに大問題へと発展していくのか不透明です.
日産の配当権利落ちが9月末日であったこともあり,株価下落の圧力は強いと予想されます.
ストップ安
希望的観測も含めて,可能性はあると思っています.
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投資方針
ちょうどジュニアNISAの取引可能枠を埋めるのに,日産の株価が適しています.
4.5%以上の配当利率,実は成長しているEPS,電気自動車でリードしているなど,永久に投資するとは宣言できませんが,今後数年間にわたる投資妙味はあると思っています.
円高局面となり株価が下落するのを待っている状態でしたが,もしストップ安を含めて大きく下落するようであれば,300株ほど追加購入する予定です.