まろかれ

いやあ、久し振りに「インドの仏教は〈戦後生まれ〉ですから」と申し上げて、目を白黒される出来事を経験した。合掌。

先程あるお坊さんから「インドの仏教は今どうなんですか？」と訊かれ、質問の意図が読めなかったのでその点の明確化を求めたら、なんと、13世紀初頭に滅亡して後およそ700年間インドに仏教が「無かった」こと自体を御存知なくて、ドン引きした。

禅宗にも聖胎長養といって悟りを開いた後のリハビリ期間があるように、強烈な宗教体験によって逸脱した自我を俗世に戻す必要がある。これを修験道では上求菩提下化衆生と言う。

誇大妄想と言うか、自覚的に自我肥大（エゴ・インフレーション）の状態にするのが一側面ではないだろうか。伝法灌頂に際に鏡に映った自分があるものに見えるか問われるのはその確認の意味でもあると思っている。

まぁ、真言密教の悟りは「俺は仏だ」という誇大妄想を見ることなので、こういう感じである手前が真言密教の悟りに至るということはありえないんだけど。

神社に行くだけで開運して金持ちになってモテモテならば、神主みんな…ですわな…

泉は溢れて、川となり、川は大地を流れ始め、龍神は生まれる。龍神の大願、龍の道。世界は金色の光の海へと向かう。

「剣」とは。揺るがぬ不動の心。剣は人を傷つけ、命を奪うために、手中に在るのではなく、人の愚かさ怒り貪りの心を、断ち切り、神なる御魂である命の「玉」を守り抜くために在る。

一つ、剣で断ち切り、磨かれる玉あり。即ち、己れの神なる御魂なり。二つ、磨かれた玉を水と解き、泉を開く。即ち、神泉。全ての命の源なり。

神様は、やられても、決してやり返すなと云う。それは、繰り返し酷いことをする人の愚かさと怒りに呑み込まれず、自らの心の清浄と神聖さを守れるのか？己れの神なる玉を穢さぬ誓いを守り抜けるのか、という「剣の行」が一つ。

山に、磨かれていく尊き神様との修行あれば、里に、学ぶことの出来ない欲界の有り様を見届ける人の修行あり。