40歳キャリア独身女性が陥った終身保険の罠

「年利回り1.75%」の甘い言葉には裏があった

「銀行預金よりは…」と貯金のつもりで保険に入ったのは間違いだった。時間のない「キャリア女子」ほど間違ってしまう(写真:cba/PIXTA)

「少しずつでも貯めて、老後のおカネを作りたい。でも、預貯金はほとんど利息ゼロ。どうすればいいのか」と悩む人は少なくありません。しかし、ここで「老後の資金は保険で」と保険を選択すると、ほとんどの場合は失敗します。先日の記事「『貯蓄型保険』には入らないほうが良い理由」でも触れたように、「貯蓄」と「保険」は、なかなか「両立」できないからです。

にもかかわらず、保険会社から「銀行に貯金するよりもオトクですよ」と言われ、大失敗して相談に来るケースが目立ちます。今回も「なぜ間違った貯蓄性保険に入ってしまったのか。対処する方法はあるのか」を探っていきます。例によって、ケーススタディの年齢や金額が読者の皆さんのゾーンと一致していなくても大丈夫ですので、早速見ていきましょう(文中敬称略)。

「バリキャリ」の独身女性が陥った「貯蓄性保険のワナ」

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相談に来たのは、新海京子さん(40歳、仮名)です。外資系企業を退職、現在は転職、独立して映画関係のプロデューサーとして活躍中の「バリキャリ」独身女性です。当時は外資系に在籍していたこともあり、2012年2月に「いま人気ですよ」と言われ、終身保険に加入しました。なんと保険金額4800万円(!)の終身保険に加入したというのです。

「いざとなったら4800万円もらえる」という、その保険金額にまず驚きますが、案の定、毎月の支払い保険料は約10万円と、大きな負担でした。相談に来た時には保険料があまりに高いので、すでに毎月の支払いをやめ「払い済み」にした後でした。のちほど詳しく見ていきますが、新海さんは保険金額を大きく減らしたうえで、それに必要な保険金をあらかじめ払い込んだというわけです。

新海さんによると「もし途中で保険料を支払うのが大変になったら、解約すればいい」と、勧誘時に言われていたそうです。保険セールスのノルマが大変なのは聞いていますが「解約ありきで、とりあえず勧誘」という保険会社の姿勢はいかがなものでしょうか。実際、新海さんが勧められるままに「払い済み」にしたあとも、問題は残ったままでした。どんな問題が残ったのでしょうか。

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  • まつもと33a0ca674246
    この低金利時代に貯蓄型保険に加入するというのが根本的な間違い。

    複雑な保険商品であればあるほど利回りより組成コストが高くなるのは当然です。
    up13
    down5
    2017/10/1 09:02
  • NO NAME4fbde0c5a89d
    キャリアが倒産した時の事を考えれば、貯蓄型は「絶対だめ」でしょう。

    一応、契約者を保護するしくみはあるけれど、銀行とくらべると貧弱すぎて話にならない。
    up13
    down6
    2017/10/1 09:15
  • NO NAME003d684150f0
    保険は保険の良さがあるし、投信は投信の良さがある。
    著者もプロなら単視眼的な決め付けのものでなく、もっと広い見地での考えを伝えた方が良い。
    結局は、自分の著者を売らんがな、マインドを強く感じてしまいます。
    up17
    down12
    2017/10/1 08:52
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