ドリーム。
実話の映画化。マーゴット・リー・シェリー著による「Hidden Figures」の映画化です。
1961年のハイウェイで白人警官にパトカーで先導される黒人女性3人。まー素敵な映像なのですよ。60年代チックな音楽もファッションも色彩も好きです。
ファレル・ウィリアムス
3人の職場はNASA。
東西冷戦下、アメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げている1961年。ヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所では、優秀な頭脳を持つ黒人女性たちが“西計算グループ”に集い、計算手として働いていた。リーダー格のドロシー(オクタヴィア・スペンサー)は管理職への昇進を希望しているが、上司ミッチェル(キルスティン・ダンスト)に「黒人グループには管理職を置かない」とすげなく却下されてしまう。技術部への転属が決まったメアリー(ジャネール・モネイ)はエンジニアを志しているが、黒人である自分には叶わぬ夢だと半ば諦めている。幼い頃から数学の天才少女と見なされてきたキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)は、黒人女性として初めてハリソン(ケビン・コスナー)率いる宇宙特別研究本部に配属されるが、オール白人男性である職場の雰囲気はとげとげしく、そのビルには有色人種用のトイレすらない。それでも、それぞれ家庭を持つ3人は公私共に毎日をひたむきに生き、国家の威信をかけたNASAのマーキュリー計画に貢献しようと奮闘していた。
天才少女と言われたキャサリンは、ドロシーとメアリーと励まし合いながらNASAで働きます。コンピュータもなく手で計算をしていた時代。計算力を認められて黒人としても女性としても初めて宇宙特別本部で働くことになります。
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1960年代。
1960年代って今の50歳代の人が産まれた頃でしょ?
日本も高度経済成長期のころでしょ?
その時代にまだこれだけ黒人差別があったとは。
バージニア州か。
主人公の3人の女性に
- 黒人である。
- 女性である。
という2つの変えられない事実が
大きなハンディキャップとなって立ちはだかります。
先進であろうはずのNASAでも、
「差別と意識されていない」差別がまかり通ります。
白人が黒人を差別。
男性が女性を差別。
恐らく差別をしている側は、
差別ではなく区別だと思っていて、
「わたしは個人的には理解がある人だ」
くらいに思いながら差別を続けています。
NASAの研究所があり、
主人公の住んでいる地域はバージニア州。
1958年 バージニア州は州の資金を受ける地方学校の人種統合を禁止した。
人種統合を「禁止」です。
つまり黒人を区別するのは合法だったのです。
それでも確たる目的を持っているNASAの中には、
黒人であろうが女性であろうが
前例がなかろうが
やるべきことができるなら働いて貰おう
という人もちらほらいて。
やっぱりそういう人が圧倒的にかっこいい。
自分もそういうかっこいい人でありたいと思うのです。
壁がある。
ガッツのある女性たちはそれを乗り越える。
乗り越えて成功しそうになると、
また新たな壁ができる。
前例はない。
だから前例を作るの。
自分の手で。
彼女たちはひるまない。
おどおどしない。
自分の力を信じて進んで
新しくできた壁があれば
新しい武器を手に入れて打ち破るのみ。
そんな映画なんですよ。
※実際には黒人差別の表現は史実と違うところがいくつかあります。
上映時間は127分。
見るまでは「長い映画だ」と思いましたが、むしろ短い。
だって3人の女性のそれぞれのストーリーが描かれているのですから。もっと見たかった。もっと長くてもいい(笑)海外ドラマにして延々とやって欲しいw
メインの主人公のキャサリンは海外ドラマでもお馴染みの
タラジ・P・ヘンソン
パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニットのカーター役はよかったなー。Empire 成功の代償のクッキーは派手派手オシャレ爆発で、そっちもいいけれど。ベストキッドのお母さん役も好き。
エンジニアを目指すメアリーは
ジャネール・モネイ。
彼女もムーンライトに出ていましたね。
黒人女性チームを率いるドロシーは
オクタヴィア・スペンサー。
あちこちで見かけていました。
素敵でした。
これが代表作になるといいな。
ドロシーはいち早くコンピューターの時代が来ることに気がつきます。そしてNASAの人たちが使えないコンピューターの使い方を独学で学びます。IBM!!!!映画の中でも何度もIBM!IBM!って出てきてクスッとします。ドロシーたちが使ったコンピューターは、IBMの当時のメインフレーム IBM 7090 Data Processing System。
このあたりも興味深いですね。
キャサリンとお付き合いをするのが「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。
キャサリンの上司はケビンコスナー。
いいなぁ。
キャサリンの同僚にビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則のジム・パーソンズ。
ドロシーの上司のヴィヴィアン・ミッチェルにキルスティン・ダンスト。キルスティン・ダンストはわたしはあまり好きではないのですが、この役はよかったですね。意地悪をあからさまにしない、嫌らしい意地悪さがよく表現されていました。上から目線。そりゃそうです。白人ですから。仕方ないのよ。あなたたちは黒人だから、的な感じのいやらしさ。こういう役をやるとぴったりくるなぁ。(←ひどいw)
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これは女性が見たらスカッとする映画ですし、音楽とファッションも楽しめる映画ですが、
差別の歴史。差別についても今一度考えるきっかけになればよいと思います。男性の不用意なひとことと、それに毅然と立ち向かう女性の強さもね。
今日はここまで。
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