新しいことを始めるとき、ワクワクしますよね。
新しい学校、新しい職場、新しい洋服、新しい先生、新しい友達、新発売のお菓子、新発売のゲーム、新しいスマホ、新しいパソコン。
どれか一つくらいワクワクしませんか? わたしは全部します。新しい現場もワクワクするし、新しい友達ができるのもワクワクする。初めて食べるお菓子もごはんも異国の食べ物も、何もかもワクワクするんです。
……そんなわたしですが、すぐに「人生がつまらない……」と泣き崩れてしまいます。どんなに充実している毎日を過ごしていても、満たされないのです。
周りからは「今やれることを精一杯やれ」とか「今目の前にいる人を楽しませるようにがんばれ」と言われます。これには100%同意だし、仕事をしている以上絶対にそうあるべきだと思います。
でも、魂が枯渇するんです。
わたしの理性でも性格でもなく、根幹のなにかが枯渇します。
おそらくそれは「好奇心」であると思います。
わたしは自分の力で道を切り拓くことが好きです。疲れやすいくせに、しんどい仕事をやり遂げるのが好きです。加えて今は、誰かと新しいことをすることで見える新しい世界が見たくてたまりません。自分自身の成長だけでなく、誰かと一緒に成長していけたら……めちゃくちゃ楽しくないですか?
もしも今、念願の大学に通っているのに、念願の会社に入ったのに、ずっと好きだった人と結婚したのに、理想の生活なのに何か「つまらない」と感じている人がいたら、それはただ単純に「新しいことが好き」という変えることのできない宿命を背負っているだけなのだと思います。
たぶんですが、この宿命は変えることができないです。無理に押さえつければ爆発するし、取り扱いの難しい激しい感情です。もしかしたら怒りや悲しみよりも大きいかもしれない。だって代替がきかないのだから。
怒りはいずれおさまります。薬で抑えることもできます。悲しみは乗り越えることができます。でも「新しいことがしたくてたまらない……」という感情は、ある一定以上強い人にとってはとても抑えるのが難しい感情です。
わたしは「新しいことをしていないと死ぬ病」にかかっていると自分で思っています。常に新しい物語を考えたり、仕事も新しいことをしていないと落ち着かない。落ち着いている時間が大好きなくせに、いつものメンバーで仕事をすると楽しくて仕方がないくせに、新しいこともしたいのです。まったくどうしようもないやつですね。
幸いわたしは、常に新しいことに取り組ませてもらっています。そのたびに周囲に迷惑をかけることもあったけれど、なんとかやってきました。
わたしが生きていくことは、常に誰かに迷惑をかけることだと思っています。だから、それを補って余りあるだけの仕事を残したいと思います。
誰かの人生がちょっと楽しくなるような販売を心がけたり、誰かの生活がちょっと楽になるような提案をしたり、誰かの仕事が楽しくなるような工夫をしたり、そして疲れている誰かが元気になるような食べ物をつくりたいです。
今日もがんばります。
人生一度きりなので、自分に嘘をつかずにやっていきたいと思います。