けものフレンズ たつき監督降板に関わる幾つかの仮説と解釈
9/25にけものフレンズのアニメ監督である「たつき監督」が降板するという発表をしました。
それに伴う一連の騒動ついて、自分の中で仮説がまとまったので記事にする事にしました。
本論に入る前に前提条件をいくつか。
まず、私はけものフレンズプロジェクトに関わっている人間ではありません。
そのため、内部しか知らない情報はなく、視聴者の立場でしか知り得ない情報のみで考えを組み立てています。
また、何故わざわざ自分のブログで記事を書く気になったのかというと、
私が辿り着いた仮説と同じ考えを持つ人を全く見かけないという事、
そして自分の仮説に沿って考えれば今の炎上状態は
けものフレンズプロジェクトにとって完全に良くない方向に作用するのではないかという危惧によるものです。
この話の主旨は「少なくとも本件においてはKADOKAWA敵視は誤解と冤罪に基づくものなのではないか」という話で、
その考えに至った理由について順に説明していきます。
解任の経緯について:
まず、なぜ今回KADOKAWAが諸悪の根源のように言われたかというと、
上述の通りたつき監督がKADOKAWAからのお達しであると言った事、
そして過去に他案件においてKADOKAWAがコンテンツ横取りや内部抗争に用いたという「前科」から、
けものフレンズでも同様に人気コンテンツを横取りしようとした
勢力がいたのではないかという疑念が強まった結果かと思います。
しかしけものフレンズプロジェクトの中でKADOKAWAの出資率は低く(ツイート元は関連会社のドワンゴの役員)、
そのような環境においてKADOKAWAが独断でアニメ監督を解任するような
決定が可能であったかという疑問が残されています。
それよりも、何かしらたつき監督の属する制作会社(ヤオヨロズ)と製作委員会で対立があり、
製作委員会の中で現体制解体の気運が高まった結果、とみた方が現実的であるように思います。
それでは何か対立する要素があったかというと……
けものフレンズプロジェクト|公式サイト
> しかし、アニメーション制作を担当していただきましたヤオヨロズ株式会社には、関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用がありました。映像化プロジェクトとしては次回の制作を引き続きお願いしたかったため、情報は事前に共有してほしい旨の正常化を図る申し入れをさせていただきましたが、ヤオヨロズ株式会社からは、その条件は受け入れられないので辞退したい、とのお返事でございました。
9/26深夜の公式サイトのリリースでは、情報共有がされずに作品利用されている事が問題であるとの説明がありました。
これは制作会社であるヤオヨロズに責任押し付けるための
でっち上げであるとの見方が主流でしたが、では本当にそうなのでしょうか?
このように「情報共有がされないまま作品利用される」と疑われた作品は次の4つです。
12.1話「ばすてき」
すぺしゃる動画「けいばじょう」
けものフレンズ×アニサマ2017 「あにさま」
日清のどん兵衛 × けものフレンズ 「ふっくら」
このうち、「ばすてき」は事前告知なしで「たつき監督」名義で公開されましたが今に至るまで削除されておらず、
残り4つはコラボ先とプロジェクトが話を取り決めた上で制作に当たっており、
「情報共有」に問題があった節は見られません。
ここで一つの仮説なのですが……
ヤオヨロズは、TVシリーズのアニメ2期において12.1話「ばすてき」のように
予告なしの映像公開を計画に組み込んでいたのではないでしょうか。
そもそも、「その条件は認められない」というのは
今後の構想に影響が出るためで、発表済みの作品を指しているとは限りません。
実際、12.1話の「ばすてき」についても、内部で問題視されたという話は出ており、
自分の知る限り過去「フレンズの会」1回目においてテレ東細谷Pから
製作委員会内部で騒ぎになったという証言が出ています。
これは「自由に作っていいとは言ったが、尺が短いだけで
本編と遜色ないクオリティの動画がアップされるとは思わなかった」という主旨で、
製作委員会としては製品であるアニメと同等のクオリティのものを
無条件でアップされるのには難色を示す姿勢であったと伺えます。
そのため、今後の2期制作にあたってヤオヨロズに12.1話と同じ手口を使いたいという考えがあったのであれば
それはヤオヨロズと製作委員会(KADOKAWAに限らず名を連ねる会社全般)
の対立を深める要因に十分なりえたかと思います。
そうであると考えると、この公式リリースが一概に罪を押し付けるための嘘だとは断言できないのではないでしょうか。
現在の制作体制について:
上記の公式サイトのリリースにおいて、現在の制作体制はこのように説明されています。
> 「けものフレンズ」に関しまして、すでに新規映像化プロジェクトの制作を発表させていただいておりますが、発表当初より同体制での継続か、新体制での新たな表現かも合わせて検討中で、現時点においてもまだ何も決定していない状況です。
> そのような中、今年1月~3月に放送されたTVアニメーションと同様の体制を優先として、視聴者のご期待に沿えるべく調整をしておりましたが、アニメーション制作会社であるヤオヨロズ株式会社より8月に入った段階で辞退したい旨の話を受け、制作体制を一から模索することになっているのが現状です。
ここについては、私は公式リリースが半分嘘をついていると思っています。(これはほぼ確信を抱いています)
正確には「8月に辞退の話を受けたが(実際にはそうするよう仕向けた可能性もなきにしもあらずですが)、
対応を一時保留し、その後9月になって辞退を受理した」という所ではないかと思っています。
というのも、現体制継続の可能性が残っているならば
たつき監督がアニメ制作から離れるとTwitterで報告するはずがないためです。
それならば「9月に辞退受理したがたつき監督のツイートにより騒動が起こり、受理したという話をなかった事にして
一つ手前の『8月に辞退の話を受けた』という状態に巻き戻した」がリリース文の真相ではないでしょうか。
ここで嘘をついた事によりリリース文が不自然な事になり、
8月に辞退の話が決まっているのに9月まで何食わぬ顔で仕事をしていたかのようになりましたが、
実際は9月まで保留されていたと解釈すれば不自然さは減ります。
ここでわざわざ不自然な構成にしてまで嘘をついた理由については想像がつくため最後に説明します。
「カドカワさん方面よりのお達し」について:
たつき監督のツイート中に「カドカワさん方面よりのお達し」という一節があるため、
KADOKAWAがたつき監督降板を画策した主犯であるかのように思われていますが、
上述の通り製作委員会と対立する要因が存在し得た事、そして辞退申し入れから受理まで時間差があった事を考えると
KADOKAWAが単独でそのような工作活動を行う事の方が困難であるように思います。
これについてはかなりの憶測が入るのですが……
「KADOKAWAが新しい制作会社についてアタリをつけて、それにより辞退受理ができる状態になったためそう通達した」
という話が略されて「カドカワさん方面より」と表現されたというのであれば……
かろうじて意味が通るかなと(ここばかりはたつき監督本人の言なので自信がないです)
「体制は未定」という嘘:
一つ前の話に戻り、たつき監督降板を内々に決定したのに「今後の体制は未定」と一つ手前の状態で説明した事について。
当たり前ですが嘘をつく事は歪みや不信を生んだりとリスクが大きいです。
実際、それによりリリース文に綻びが生まれる事になっています。
ではここで嘘をついた理由について考えると、答えは一つしか有り得ないんです。
「たつき監督を降板させた」という事を事実にしたくなかった、撤回したかった、と。
もし本当にたつき監督を降板させる工作を行う勢力が製作委員会を牛耳っているなら
「辞退を受理し、降板します」と言えばいいし、それならたつき監督の話と食い違わないんです。
実際のところである「たつき監督に内々に降板を通達した」とリリースを出せばそれが事実になり、
撤回が非常に困難であるので、1ヶ月前の「辞退の話は受けているがどうするか決めていない」
という所に戻して今後の対応を柔軟にできるようにしたのでしょう。
それはつまり「一度辞退の話は受けたが協議の結果やはり続けてもらう事にした」
というシナリオに持ち込みやすくしたという意味でもあります。
だから、そんな嘘をついた製作委員会に対してある程度の疑念は抱きつつ私は思うのです。
製作委員会はたつき監督を戻す方法を模索しているのではないか、と。
そして同じ「解釈」に辿り着いた人をついぞ見かけなかったため、記事にまとめる事にしたのです。
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