(CNN) 米フロリダ州ウェストパームビーチ郊外の自宅で1990年、息子やその友人と食事をしていた女性がピエロの格好の人物に殺害された事件で、同州パームビーチ郡の保安官事務所は30日までに、殺害現場から約1300キロ離れたバージニア州アビンドンで容疑者の女を逮捕したと明らかにした。

シーラ・キーン容疑者(54)は殺害された女性の夫と事件の12年後に結婚していた。26日に逮捕され、殺人罪で訴追された。パームビーチ郡の検察当局によれば、検察は容疑者がフロリダ州に戻り次第、死刑を求刑するか明らかにするという。

事件では90年5月26日、女性の自宅敷地内の道路に白い車が進入。当局によれば、ピエロの格好をして風船2つと花を持つ人物が車から現れた。女性が玄関で応対したところ、ピエロは贈り物を手渡したという。ピエロはこの後、銃を取り出して女性の顔面に発砲し、車に戻って静かに去って行った。女性は2日後に病院で死亡した。

捜査当局は当時、容疑者を特定したものの、有罪に持ち込むのに十分な証拠がないとしていた。

長年にわたり事件の突破口を開けない状況が続いていたが、同保安官事務所の未解決事件担当班は2014年に捜査を再開。目撃者に改めて事情聴取を行ったほか、1990年当時は利用できなかったDNA技術を使って証拠を調べたという。

また、容疑者が殺害された女性の夫と2002年に結婚していたことも発覚。バージニア州ワシントン郡の保安官によれば、容疑者が逮捕された際、2人は一緒に車に乗っていた。フロリダ捜査当局は、夫は訴追されていないものの引き続き調べを進める方針だとしている。

最初の捜査時にも2人は男女関係にあるとのうわさがあったが、当時2人は否定していた。

捜査員らは今回の逮捕に当たり、事件当日に容疑者の自宅近くの小売店で風船や花が購入されたことを突き止めていると言及。ただ捜査が進行中のため、DNA鑑定で補強された証拠を含め詳細を明らかにしていない。