いつまでも君と……

愛犬のために わたしたちができること

うちに来て幸せ? 犬を飼う者なら誰もが思う事 ~わたしの中の葛藤は、いつか笑顔に溶けて行った~

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撮影&文:奥村 來未

わたしは個人的にブログをやっています。
始めたのは2010年2月。今から7年半前のことでした。

きっかけは愛犬のMackです。小学生の頃から一緒に過ごしていたMackと、家庭の事情で一時、離れ離れに暮らしていたことが、わたしの中で大きな後悔となっていました。

だから余計にMackとの日々を綴りたいと思ったのかもしれません。

 

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Mackがハイシニア期に入ってからは、ほぼ毎日ブログ更新をしています。共感するブログは読者登録をし、更新されるたびに読ませていただいてます。ある日、わたしが読者になったブログの中に、とても考えさせられる言葉がありました。

「この子は私と一緒に暮らしていて、幸せだったのだろうか?」
「もしかしたら、もっと幸せになれる家庭があったのではないか?」

おそらくそれは、全ての愛犬家に共通した心の言葉。
愛犬のことを深く愛しているからこそ、考えてしまうことだと思います。さらに言えば、家族として、我が子と変わらないくらい愛し、尽くしているからこその、自分に対する問いかけだと思うのです。

なぜそう思うのかというと――
つい最近まで、わたし自身がそれを、自分に問いかけていたからです。

冒頭に書いた通り、わたしとMackは、ある時期離れてくらしていました。両親の離婚により、家族がバラバラになってしまったからです。それはMackが、8歳~10歳の間のことです。

Mackはわたしが欲しいと言って、家に迎えた子なのに――
たとえ事情があったとしても、離れて暮らしてしまったことは、わたしの心の中に大きな後悔として残ってしまっていたのです。

 

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Mackと離れて暮らしている間に、わたしは主人と知り合い、結婚し、それから福島県に移り住んでいました。そして妊娠し、里帰り出産のために東京の母の元に帰省していた時に、父に引き取られたMackに会いに行きました。

再会を楽しみにしていましたが、私のその期待は、裏切られてしまいました。久々に会ったMackは、わたしの知っているMackとは全然違っていたのです。

まるで飼育放棄のネグレクトのような状態。

こんなところには置いておけない。
そう思ったわたしは、不在だった父には何も言わずに連れ帰りました。

 

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それからMackは、今までと違う環境の中で、いろんなことを経験することになります。

母の元で娘を出産し、お宮参りを済ませた後、娘とMackを連れて福島へ帰りました。
それから約1年後、転勤で福島県から宮城県へ引っ越しました。その僅か4ヶ月後に東日本大震災を経験しました。(この時のことは別の記事で書こうと思います)

宮城県に引っ越してから、Mackは何度か病気になりました。加齢が原因ということもあったと思いますが、シニアになってからの大きな環境の変化がMackに悪い影響を与えてしまったのではないか…とずっと自分を責めていました。

Mackが病気になるたび、いつも「私が連れて来なければ、病気になんかなっていないかもしれない」と思っていたのです。

 

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そんなわたしの気持ちが変わったのは、Mackが17歳の時、急性膵炎になり獣医さんから、もうお別れになるかもしれないといわれた時でした。毎日のように入院しているMackに会いに行き、一緒に帰ろうと声をかけ続けていました。

Mackのいない生活なんてわたしには考えられない。大切な家族であり、弟のような存在のMackをこのまま失いたくない――

約2週間の入院の末、とても危ない状況になりながらも、Mackが無事にこちらの世界に帰ってきてくれた時、わたしはやっと自分を許せたように思いました。

“わたしの元にもう一度戻りたかったから、Mackは精一杯頑張ってくれたんだ!”
“この子を世界で一番理解して、一番尽くしてあげられるのは、わたししかいない”
“だからMackは私といて幸せなんだ”
”きっと私とMackは、出会うべくして出会ったんだ”

この時やっと、そう思うことができたのです。

もし、わたしと同じように、愛犬に対して後悔していることがある方や、自分が許せないと思うようなことがある方がいらっしゃったら、わたしはこうお伝えしたいと思います。きっとその子は、「幸せだよ〜、ものすごく!」って、言っているんじゃないのかな?

どうしてかって?
子供が皆、母親が大好きなように、きっと犬も飼い主のことが大好きだと思うから。

だってほら――、わたしのMackは、わたしを見て笑う。
あなたのうちの子も、あなたを見て笑う――

 

文:奥村 來未

 

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