第26週
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福田家の養女
福田 茜 - 上杉美風
奥茨城の小さな農家に生まれ育った。おっとり、のんびりした性格で、奥茨城の暮らしが大好き。高校卒業後は祖父や母を手伝って畑仕事をするつもりだったが、東京に出稼ぎに行った父が行方不明になったことで、急きょ集団就職をすることに。幼なじみの時子と共に、東京・向島にあるトランジスタラジオ工場で働く。しかし、仕事にようやく慣れたころ、会社が倒産。かつて父が訪ねたことのある赤坂の洋食屋で働くことに。人情深い町の人たちに育まれながら、見知らぬ町だった東京にしっかりと根を張っていく。
赤坂にある洋食屋「すずふり亭」の店主。
赤坂生まれ、赤坂育ち。父が開いた洋食屋を、夫、息子とともに切り盛りしていたが、空襲で夫と店を失う。戦後、必死に働いて店を再建。「本格的な洋食を気軽に食べられる」と町の人から愛される繁盛店になった。東京に出稼ぎで来ていたみね子の父・実(みのる)が来店したことがきっかけで、谷田部家との交流が始まる。みね子が上京してからも何かと世話を焼き、みね子の大きな支えとなっていく。
「すずふり亭」の料理長で、鈴子の息子。
父亡きあと、母・鈴子と二人三脚で店を切り盛りし、その味を守ってきた。ドビソース(デミグラスソース)には、とくにこだわりがある。仕事には厳しいが心根は優しく、東京で父を探すみね子をそっと見守る。妻とは死別しており、はねっかえりの一人娘は突然結婚して家を出ていってしまった。まだ若い省吾には再婚してほしいと、鈴子は思っているのだが…。
「すずふり亭」のコック。
店の二番手だが、サボり癖があり、料理人としての腕を磨こうという気概も感じられない。後輩の秀俊にはやたら厳しく、仕込みなど面倒なことをすぐに押しつけようとする。一方で、感動屋さんで涙もろく、その単純さが憎めない男である。
「すずふり亭」のホール係。
仕事は出来るのだが愛想のいい方ではなく、とくに開店直後はなかなかスイッチが入らない。若い女性を勝手にライバル視する癖があり、「いい女」には厳しいらしい。みね子は優しくされて、うれしいがちょっと複雑。
すずふり亭へ来た奥茨城の太郎に一目ぼれされる。太郎からの“りんごアプローチ”にウットリして、プロポーズを受けた。
「すずふり亭」の見習いコック。
仕込みから閉店後の後片づけまで、1日の大半を調理場で過ごす。夢は、いつか自分の店を持つこと。省吾から料理の技と心得を学ぼうと、日々、修業に精を出している。みね子が店で働くようになってからは、下積みの仲間として、時にぶつかり、時に助け合う。
みね子たちが働いていた向島電機「乙女寮」の元舎監。おっちょこちょいで抜けていることも多いが、ここぞという時には頼りになる愛すべき女性。恋人を戦争で亡くしている。
会社の倒産後は弟家族の家にいたが、東京に戻ってきた。すずふり亭料理長の省吾に一目ぼれし、店の近くにある会社に再就職。あかね荘にも引っ越してきた。
すずふり亭の裏手にあるアパート「あかね荘」の大家。明治生まれで、昔は赤坂きっての売れっ子芸者だった。鈴子とは大昔からのつきあい。おいしいものに目がなく、各地の名物にも精通している。住人たちの親とよく電話をしていて、本人も話していない個人情報をたくさん持っている。
佐賀県で大会社を経営する一家の御曹司だが、お金持ちの友人たちと付き合うのは好きではない。部屋にいるときはいつも勉強している。炊事場でほかの住人たちと過ごす時間を気に入っているが、早苗とはソリが合わない。
みね子と恋人になったが、実家の経営難から父が縁談話を持ってきたのがきっかけで別れ、佐賀に戻った。
1階に住むオフィスレディー。私生活は謎に包まれている“永遠の25歳”。常に何かにいらだっている雰囲気をまとっている。ズバズバとものを言うので、見合いを40回は断られ続けているらしい。一方で、不器用なみね子を放っておけずこっそり助けてしまう優しさも。意地の悪い言い方をするのはてれ隠しだと、島谷には見抜かれている。
みね子の隣の部屋に住む漫画家志望の青年。同郷の「藤子不二雄」に憧れ、富山県から啓輔と一緒に上京して5年がたつが、まったく芽が出ていない。年末に里帰りしてから2か月以上帰ってこず、「自分を見捨てたんじゃないか」と啓輔を心配させる。自分たちの漫画を読んだみね子の愛想笑いを「ウケた!」と勘違いして、「みね子様」とあがめるようになる。
漫画家志望の青年。富山県出身。藤子先生をまねて、相棒の祐二と同じ部屋に住んでいる。いつもおなかをすかせていて、食べ物の気配がすると炊事場に顔を出すので、早苗に「貧乏神」と嫌みを言われる。漫画以外のことには無頓着で、髪はボサボサ、部屋はいつも散らかっているが、志だけは高い。
和菓子屋「柏木堂」の店主。鼻歌を歌ったりおもしろくないジョークを言ったりと、おしゃべりで陽気な性格。鈴子たちが休憩時間や仕事帰りに店に来るたび、会話に加わろうとするが、いつも追い返されてしまう。鈴子とは昔なじみで、鈴子が気を落としたときはそっと話を聞いてあげる心優しい人物。
すずふり亭のすぐ隣にある、中華料理屋「福翠楼(ふくすいろう)」の店主。店は妻の安江と2人で切り盛りしている。仕事はそんなに好きではないようで、よく裏の広場にサボりに来るが、いつも安江に連れ戻されてしまう。すずふり亭やあかね荘の仲間たちの前では、安江の文句を口にするが、口げんかではまったく安江に勝てない。
夫婦二人三脚で商売をしているが、毎日のようにけんかしている。気が強いので、五郎に文句を言われても、いつも言い負かす。今ではキビキビと働いているが、店での仕事初日に転んでお客さんの頭の上からラーメンをかけてしまったこともあるらしい。鈴子や高子と仲が良く、よく一緒に銭湯や柏木堂に出かける。
バー「月時計」の店主。家業であった時計屋を改装してバーを始めた。省吾とは子どものころからの付き合いで、妹のような存在。夫は貨物船の乗組員で世界中を航海しているが、離れてはいても心は通じ合っている。地方から出てきたお客さんが、お国ことばを聞いてほっとできるようにと、各地のことばを勉強している。
「柏木堂」の一人息子だが、甘い物が大嫌いで、服についたあんこのにおいも嫌がるほど。仕事にやる気がないのもあってか、少し面倒そうにボソボソとしゃべりがち。注文を取るときも覇気がないので鈴子に注意されてしまう。父・一郎には、いつも反抗的な態度をとってしまうが、それには深い理由が…。
みね子の幼なじみで同級生。時子に片思いをしている。みね子と同様、奥茨城が大好きなのだが、農家の三男坊なので継ぐことができず、集団就職で日本橋の米屋に就職。店では、なにかと善三とさおりの板挟みになり、苦労している。上京後も奥茨城の3人の友情は続き、励まし合いながらそれぞれの道を歩んでいく。
三男が就職した日本橋の小さな米屋「安部米店」の店主。妻はすでに他界していて娘のさおりと2人暮らし。しかしさおりとは仲が悪く、ほとんど口をきかない。三男はいつも2人の会話の仲介をさせられるが、そもそも善三が三男を雇ったのも、さおりと2人になるのが嫌だという理由からだった。将来は三男を婿養子に出来ないかとひそかにたくらんでいる。
父と仲が悪く、いつかこの店をパン屋にしたいと考えている。三男にも朝食にパンを勧めるが、ごはんを勧める善三とけんかになり、結局三男はパンとみそ汁というおかしな組み合わせを食べるはめに。三男が幼なじみと遊びに行くのがおもしろくなくて、みね子たちに嫉妬心をいだくかわいらしい一面も。
子役時代から活躍し、つねに第一線を走ってきた人気女優。客として「すずふり亭」を訪ね、みね子と出会う。のちに、ある場所でみね子を助けたことから、2人は不思議な縁で結ばれる。
みね子の幼なじみで同級生。自他ともに認める村一番の美少女で、気も強い。みね子とは対照的な性格だが、お互いに欠かせない親友同士。いつかは女優になるという夢を持っていて、劇団でけいこ中。集団就職したトランジスタラジオ工場が倒産したあとは、銀座の大きな喫茶店での住み込みの仕事に転職。そこで働きながら、演技を勉強する学校に通っている。
小さいころはかわいらしい女の子だったが、母親が亡くなったことがきっかけで、わがまま放題な“跳ねっ返り娘”になった。祖母・鈴子と父・省吾に何かと反抗し、突然、画家の青年と結婚すると言って家を出て行ってしまった。今もときどき連絡してきては、お金の無心をしているようだが…。
山形県出身。向島電機では、「乙女寮」の寮長を務めていた。会社の倒産後は、婚約していた雄大と同じ工場に転職。婚姻届を出したいまは、抽せんを当てて団地に住むことを目標にしている。
秋田県出身。可憐(かれん)でかわいらしい雰囲気はみね子の憧れ。会社倒産後は秋田に戻り、水産物の加工場で働いている。初恋の相手でもある、加工場の社長の息子と結婚した。
福島県出身。いつもマイペースだが、食べることは大好きでおかわりするのは人一倍速い。会社倒産後は、東京・両国にある石けん工場に転職。社長夫婦から娘のようにかわいがられている。
青森県出身。会社倒産後は、食品会社の事務職に転職。勉強に励む努力家で、定時制の高校に通っている。簿記、そろばん、速記の資格を取り、税理士、通訳の資格取得も目指している。将来の夢は女性だけの会社を経営すること。
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