おはようございます。
前回の記事では、節約だけでなく節税も同時に意識する必要性について述べました。
そして、サラリーマンの方でも手軽に実践可能な節約・節税方法として、ふるさと納税とiDeCo(個人型確定拠出年金)を挙げました。
(ふるさと納税に関しては、各自治体には納税をしていますので、実質的には返礼品をいただくことによる節約効果と考えるべきかもしれませんが)
そこで本日からふるさと納税とiDeCoを使い倒すにはどうすべきか考えていきたいと思います。
ゼロから始める資産形成の攻略法 その10
高額所得者ほどiDeCoを徹底的に使い倒そう
医師のような高額所得者の方で、医局の命令でいろいろな勤務先を転々とするためにまとまった額の退職金をもらえる見込みがない方は、iDeCoをやらない理由がありません。
むしろ、我々医者のために国が作ってくれた制度と言い換えてもいいくらいです。
あとは退職所得控除を使うことがない自営業者も絶対に加入すべきです。
それは、iDeCoが税制上非常に優遇されているからですね。
iDeCoの税制優遇とは?
iDeCoには次に挙げる3つの税制優遇措置があります。
1) 掛け金が全額所得控除の対象になる
これがNISAにはないiDeCoの最大のメリットと言えます。
課税所得金額900万円を超えると所得税+住民税で43%とられますが、iDeCoの掛け金は所得控除になりますので、「掛け金 x 0.43」の分節税ができます。
iDeCoの節税効果によって、労働時間を増やさなくても手元に残るお金を増やすことができますので、絶対に活用すべきですね。
2) 運用益(利息や配当)が非課税になる
通常ならば、投資の運用益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoではこの税金がかかりません。
これはNISAにも共通した制度ですね。
ただし、NISAは掛け金が所得控除の対象にはなりませんので、iDeCoの方が税制上は有利と言えます。
3) 受け取り時の税制優遇
iDeCoは、60歳以降に「年金形式での受け取り」と「一時金としての受け取り」を選ぶことが可能です。
年金形式で受け取る時には、公的年金等控除が適応され、他の年金と合算されます。
64歳までは70万円、65歳以上は120万円まで税金がかかりません。
一時金として受け取る場合には、退職所得控除が適応されます。
・加入期間が20年以下→「加入期間 x 40万円」
・加入期間が20年超→「800万円 + 70万円 x (加入期間 - 20年)」
まで税金がかかりません。
この金額を超えたとしても、超えた分の1/2にしか税金がかからない仕組みになっています。
退職所得控除を使うことがない自営業者にとっては最大のメリットと言えます。
iDeCoのデメリットは?
掛け金が原則60歳まで引き出せない
iDeCoはあくまで老後に備える年金の一種ですので、掛け金は原則60歳まで引き出せません。
投資資金は長期に拘束されますので、余剰資金で行うようにしましょう。
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毎年の口座管理手数料がかかる(年間2004円)
また、口座管理手数料がかかるのもデメリットですね。
運用金融機関の手数料はネット証券大手3社は全て無料になっていますので、国民年金基金連合と事務委託先金融機関に対する手数料が年間2004円がかかります。
運用商品によっては元本保証でない
最後に、運用商品によっては元本保証でない点です。
定期預金の商品を選べば元本保証で節税のメリットだけを享受することが可能ですが、運用益に対する非課税というもう一つのメリットを享受できなくなります。
60歳まで掛け金の引き出しが不可能で、必然的に長期運用になるという点を考えると、元本保証ではありませんが株式クラスのインデックスファンドを選ぶべきだと思います。
証券会社はネット証券大手3社のどれかを選べば間違い無し
iDeCoはふるさと納税と異なり、iDeCoの口座開設をしなければ始められません。
口座開設には意外と時間がかかります(SBI証券は確か2ヶ月くらい?)ので、一日も早く口座開設の手続きだけはしておきましょう。
どの証券会社に口座開設をするかですが、ネット証券大手3社から選べば間違いありません。
ネット証券大手3社とは、
・SBI証券
・楽天証券
・マネックス証券
の3社ですね。
この3社は互いに競合して顧客を取り合っていますので、どの会社を選んでも優れた商品ラインナップになっており、間違いはありません。
購入すべき商品は、ノーロードのインデックスファンドで決定
さて、購入すべき商品ですが、上記の第2のメリット「運用益が非課税になる」という点を最大限に享受するためには、やはり株式中心での運用を考えたい所です。
そして、次に意識すべきはできるだけ手数料の安い商品を購入することです。
i-DeCoでは手数料の安いETFの取り扱いがありませんので、選ぶべきは販売手数料が無料(ノーロード)の投資信託です。
アクティブファンドは対象外としてよいでしょう。
ここから先はあくまで私個人の意見になりますが、どの証券会社を選ぶにせよ、ポートフォリオの主力は「先進国株式市場」に連動するインデックスファンドを選ぶべきです。
後は、個人の好みの範囲内で「新興国株式」、「日本国内株式」、「国内外のREIT」、「国内外の債券」に投資するインデックスファンドを付け加えてもよいでしょう。
ちなみに、私は先進国株式クラスに大半の資金を投入し、一部で新興国株式と海外REITを購入しています。
SBI証券の場合(以下カッコ内の数字は信託報酬です)
主力は「DCニッセイ外国株式インデックス(0.2268%)」一択です。
迷う必要はありません。
好みで、
・新興国株式:
三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド(0.5940%)かEXE-i 新興国株式(0.3904%)
・REIT:三井住友・DC外国リートインデックスファンド(0.3024%)
・日本株式:三井住友・DC日本株式インデックスファンドS(0.2052%)
などを購入するのもありでしょう。
楽天証券の場合
主力は「たわらノーロード先進国株式(0.2430%)」一択です。
好みで、
・新興国株式:インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 (0.5940%)
・REIT:三井住友・DC外国リートインデックスファンド(0.3024%)
・日本株式:三井住友・DC日本株式インデックスファンドS(0.2052%)
などもありでしょう。
マネックス証券の場合
主力は「eMAXIS Slim先進国株式インデックス(0.2160%)」一択です。
好みで、
・新興国株式:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス(0.3672%)
・REIT:三井住友・DC外国リートインデックスファンド(0.3024%)
・日本株式:DIAM DC国内株式インデックスファンド(0.1674%)
もありでしょう。
eMAXIS Slimシリーズは、他社の同じクラスの投資信託が信託報酬を値下げした場合に、それに追随して業界最安値を保証すると宣言していますので、eMAXIS Slimシリーズが先進国株式クラスに含まれているのはマネックス証券の強みかもしれません。
まぁマネックス証券への愛は私がこれ以上つべこべ語るよりも、はちどうさんの記事を読んでいただいた方が早いでしょう。
文面からマネックス愛が溢れ出ていますね(笑)
実際、マネックスのiDeCoの商品ラインナップは想像以上で、自信をもっておすすめすることができます。
まとめ
上記のようにまとめてみますと、今のところ手数料で最も有利なのはマネックス証券のようです(マネックスが最も後発というのもあります)。
しかし、今後も手数料の値下げ競争は続くでしょうから、実質的には3社どこで口座開設をしても大差なしと言ってよいでしょう。
こんな記事も書いています。
過去にiDeCoのメリットについて考察した記事です。これからiDeCo加入を考えている方は、こちらも参考にしていただけましたら幸いです。
当ブログでは、投資経験ゼロの人はまずiDeCoから始めることを推奨しています。