15年分のデータを徹底調査してわかった、米国トップ大学の「課題図書」ランキング
米国の大学では、どんな本が課題に出されるのか──。コロンビア大学の教授らによる「オープン・シラバス・プロジェクト」が、過去15年分、100万件以上もの大学カリキュラムを調査し、ランキングを発表した。
その結果、文系よりも科学や工学といった理系の学生のほうが課題に出される本の量が少なく、西洋の法律書が多い傾向にあった。また、最も多かったフィクションの課題図書は、英国人小説家メアリー・シェリーによる『フランケンシュタイン』だった。
同サイトでは、全米のすべての大学とトップ大学10校(うち9校は、USニューズ&ワールド・レポートの2015年ランキングでトップ10入り)を比較。
全体のランキングでは、英文の指南書『英語文章ルールブック』が1位となった。これは1918年初版のもので、3000以上の授業で課題に出されていた。
一方、トップ校の1位はプラトンの『国家』で、全体でも2位だった。同様にトマス・ホッブズの『リヴァイアサン』や、ニッコロ・マキアヴェリの『君主論』も両方で上位10入りしている。
トップ校の多くは、4年間で1000万円を超える高い授業料が必要なことで有名だ。費用の捻出は難しいが、このランキングの本を読めば、彼らに近い教養を身に付けられるかもしれない。
米国トップ大学10校の課題図書ランキング
1位『国家』プラトン著
2位『文明の衝突』サミュエル・P・ハンチントン著
3位『英語文章ルールブック』ウィリアム・ストランク・Jr.ほか著
4位『リヴァイアサン』トマス・ホッブズ著
5位『君主論』ニッコロ・マキアヴェリ著
6位『アメリカの民主政治』DE・アレクシス・トクヴィル著
7位『正義論』ジョン・ロールズ著
8位『バーミンガム刑務所からの手紙』マーティン・ルーサー・キング・Jr.著(未邦訳)
9位『自由論』ジョン・スチュアート・ミル著
10位『つきあい方の科学』ロバート・アクセルロッド著
ワシントン・ポスト(USA)ほか
Source: Open Syllabus Explorer