緊急地震速報 発表開始10年 警報188回 引き続き精度改善へ
この緊急地震速報の発表が始まってから1日で10年になりますが、気象庁によりますと、震度5弱以上の揺れが予測され警報が発表されたケースは、30日までに合わせて188回に達しました。
このうち、およそ7割にあたる134回は、予測と同じ震度5弱以上か、予測に近い震度4の揺れが実際に観測されましたが、3割近くにあたる54回は、実際の震度が3以下の「空振り」でした。
一方、この10年で実際に震度5弱以上の揺れを観測した地震は、30日までに合わせて176回起きていますが、このうちおよそ4割にあたる76回については、緊急地震速報の警報が発表されない「見逃し」でした。
これについて気象庁は、地震発生直後のわずかな時間で推定するため、予測の精度には限界があり、「空振り」や「見逃し」は一定程度あるほか、震源が近い場合には間に合わないこともあると説明しています。気象庁は引き続き精度の改善を進めるとともに、「緊急地震速報の特性や限界を理解し日頃から地震の備えを心がけてほしい」と呼びかけています。
熊本地震では半数が行動せず
災害時の情報伝達に詳しい日本大学の中森広道教授は、一連の熊本地震のうち、去年4月14日に起きたマグニチュード6.5の地震で、緊急地震速報が出た際にどんな行動をとったか熊本県や大分県、それに福岡県の150人にアンケートを行いました。
その結果、「様子を見ていた」や「何もしなかった」と答え、速報に気付いても実際に身を守る行動につなげていなかった人が42%と半分近くに上りました。
一方、速報を受けて行動した人の中では、「家族や一緒にいた人に呼びかけた」と答えた人が26%、「倒れてくるおそれのあるものから離れた」が19%、「家族や一緒にいた人の安全を守ろうとした」が16%、「机にもぐるなど落下物から身を守ろうとした」が13%などでした。
中森教授は「緊急地震速報を知っている人は増えてきたが、情報を受け取った際の行動についてはまだ理解が不十分で、実行できていない。速報によって身の安全をどう守るのかをそれぞれが考え実行できるかがこれからの課題だ」と話しています。
緊急地震速報 発表後に取るべき行動は
国崎さんは、緊急地震速報が発表されてから強い揺れが来るまでの猶予時間を「5秒」とした場合、その間にできる防災行動の例として、家の中では、テーブルの下など安全な場所へ逃げ込む、家族に地震が来ることを知らせる、台所のコンロの火を止める、玄関のドアを開けておくなどをあげていて、このうち少なくとも1つの行動を取るよう薦めています。
また、外出している際には、倒れやすいブロック塀や割れた窓ガラスが落ちてくるおそれのある危険な場所から離れることや、近くに逃げる場所のないところでは、かばんなどで頭を守ることなどができるとしています。
国崎さんは、あらかじめ、状況ごとに行動の優先順位を決めておくと、緊急地震速報が出たときにとっさに動きやすいとしたうえで、はじめの数秒で強い揺れが来なかった場合は、2つめの行動をしてほしいとしています。
また、子どもがいるときには、「地震が来る」と状況を知らせるだけでなく、「自分の近くに来て」とか、「テーブルの下に隠れて」など、子どもの行動につながるよう具体的な呼びかけをすることが大事だということです。
国崎さんは「緊急地震速報が出たときにどう行動するか習慣づけておくと、いざというときに身を守ることにつながる。自分や家族の命を守るための大事な情報なので、事前にどう行動するか決めておき有効に生かしてほしい」と話しています。
緊急地震速報 発表開始10年 警報188回 引き続き精度改善へ
気象庁の緊急地震速報の発表が始まってから1日で10年になります。震度5弱以上の揺れを予測し警報として発表したケースは190回近くに達していますが、警報を発表できなかった「見逃し」なども一定程度あり、気象庁は、引き続き精度の改善を進めることにしています。
緊急地震速報は、全国各地に設置された高性能の地震計が地震発生直後の「P波」と呼ばれる小さな揺れを捉え、あとから伝わる「S波」と呼ばれる揺れの大きさを予測する気象庁のシステムで、震度5弱以上の揺れが予測された場合に警報として発表します。
この緊急地震速報の発表が始まってから1日で10年になりますが、気象庁によりますと、震度5弱以上の揺れが予測され警報が発表されたケースは、30日までに合わせて188回に達しました。
このうち、およそ7割にあたる134回は、予測と同じ震度5弱以上か、予測に近い震度4の揺れが実際に観測されましたが、3割近くにあたる54回は、実際の震度が3以下の「空振り」でした。
一方、この10年で実際に震度5弱以上の揺れを観測した地震は、30日までに合わせて176回起きていますが、このうちおよそ4割にあたる76回については、緊急地震速報の警報が発表されない「見逃し」でした。
これについて気象庁は、地震発生直後のわずかな時間で推定するため、予測の精度には限界があり、「空振り」や「見逃し」は一定程度あるほか、震源が近い場合には間に合わないこともあると説明しています。気象庁は引き続き精度の改善を進めるとともに、「緊急地震速報の特性や限界を理解し日頃から地震の備えを心がけてほしい」と呼びかけています。
熊本地震では半数が行動せず
災害時の情報伝達に詳しい日本大学の中森広道教授は、一連の熊本地震のうち、去年4月14日に起きたマグニチュード6.5の地震で、緊急地震速報が出た際にどんな行動をとったか熊本県や大分県、それに福岡県の150人にアンケートを行いました。
その結果、「様子を見ていた」や「何もしなかった」と答え、速報に気付いても実際に身を守る行動につなげていなかった人が42%と半分近くに上りました。
一方、速報を受けて行動した人の中では、「家族や一緒にいた人に呼びかけた」と答えた人が26%、「倒れてくるおそれのあるものから離れた」が19%、「家族や一緒にいた人の安全を守ろうとした」が16%、「机にもぐるなど落下物から身を守ろうとした」が13%などでした。
中森教授は「緊急地震速報を知っている人は増えてきたが、情報を受け取った際の行動についてはまだ理解が不十分で、実行できていない。速報によって身の安全をどう守るのかをそれぞれが考え実行できるかがこれからの課題だ」と話しています。
緊急地震速報 発表後に取るべき行動は
国崎さんは、緊急地震速報が発表されてから強い揺れが来るまでの猶予時間を「5秒」とした場合、その間にできる防災行動の例として、家の中では、テーブルの下など安全な場所へ逃げ込む、家族に地震が来ることを知らせる、台所のコンロの火を止める、玄関のドアを開けておくなどをあげていて、このうち少なくとも1つの行動を取るよう薦めています。
また、外出している際には、倒れやすいブロック塀や割れた窓ガラスが落ちてくるおそれのある危険な場所から離れることや、近くに逃げる場所のないところでは、かばんなどで頭を守ることなどができるとしています。
国崎さんは、あらかじめ、状況ごとに行動の優先順位を決めておくと、緊急地震速報が出たときにとっさに動きやすいとしたうえで、はじめの数秒で強い揺れが来なかった場合は、2つめの行動をしてほしいとしています。
また、子どもがいるときには、「地震が来る」と状況を知らせるだけでなく、「自分の近くに来て」とか、「テーブルの下に隠れて」など、子どもの行動につながるよう具体的な呼びかけをすることが大事だということです。
国崎さんは「緊急地震速報が出たときにどう行動するか習慣づけておくと、いざというときに身を守ることにつながる。自分や家族の命を守るための大事な情報なので、事前にどう行動するか決めておき有効に生かしてほしい」と話しています。