原油価格が「1バレル60ドル台」まで戻る理由

「いつのまにか」底打ち、ジリジリと上昇中

米国では秋になっても原油価格が下がらない。いずれ日本でもガソリン価格は上がり始めるのだろうか(写真:YNS/PIXTA)

ドライブシーズンが終わっても、NYの先物価格は上昇

原油価格が徐々に下値を固める動きにある。日本で最もよく取り上げられるWTI原油先物価格(ニューヨークのマーカンタイル取引所〈NYMEX〉で扱われる)は、1バレル=50ドルを超え、堅調に推移している。

「米国ではすでにドライブシーズンのピークを過ぎた。ガソリン需要が減少に転じるため、原油価格は秋口に入ると下落する」との見通しが多かった。しかし、実際にはむしろ堅調に推移している。

確かに、ガソリン需要は8月27日までの週の日量985万バレルでピークアウトしている。しかし、ガソリン在庫が直近で2億1618万バレルまで減少している。実はこれは2015年11月以来の低水準である。

では、なぜ在庫は減少しているのか。その背景には、ハリケーン「ハービー」「イルマ」の影響による、製油所の稼働停止がある。米国内の製油所稼働率は9月10日時点では77.7%にまで落ち込んだが、9月中旬時点では83.2%にまで回復している。今後は徐々に稼働率が上昇するだろうが、時間を要するだろう。

一方、近年のガソリン在庫は11月に最も少なくなる傾向があるため、製油所稼働率の回復度合い次第では、ガソリン在庫はさらに減少する可能性があるのだ。懸念されるのは、ヒーティングオイルを含むディスティレート(留出油)在庫の減少である。在庫水準は2015年11月の水準を下回っており、きわめて懸念される状況にある。冬場を前に在庫の積み増しが遅れるとの観測で、NYMEXのヒーティングオイル先物価格は上昇基調が鮮明である。このような動きが、WTI原油の下支えになり、引いては一段高につながる可能性は十分にあるだろう。

さて、前出のように、日本の市場関係者が一般的に原油相場と呼んでいるのはWTI原油だが、実は、世界の標準的な原油価格の指標はWTI原油ではない。

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  • NO NAME2641f22101c9
    高くなればシェールオイル業界が息を吹き返すだろうから、どこかの大統領は願ったり叶ったりでしょうね。
    up2
    down0
    2017/9/30 23:56
  • NO NAMEe3602c573c3b
    奴らは不当に原油価格を釣り上げている。
    対抗措置が必要だ。

    と、どこかの大統領が言い出すからそんなに上がる事はない。
    up4
    down2
    2017/9/30 17:40
  • NO NAME5ddbcc0a2de0
    シェールオイルの登場やEV用バッテリー工場の建設ラッシュが続くおかげで、年々原油価格が上がらづらくってるのは消費者にとっては喜ばしい事です
    精製した石油製品の中で最も消費量の多いガソリンが高騰すれば安価になったHV/PHV車が世界中で百万台単位で売れてしまい、需要減少に拍車をかけてしまうジレンマがあるので産油国も10年前のように踏ん反り返っては居られないでしょう
    シェールオイルの圧力に今後も期待しています
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    down0
    2017/10/1 03:37
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