- はじめに -
本日9/30を持ってSansan株式会社を退職しました。
来週月曜日から別の会社で働くことになりました。
疾風怒濤の結婚エントリからの転職エントリです。
- Sansanの思い出 -
今まで転職エントリを見てよく「転職するのに昔話する必要ないやろ先を見ろや」と思っていましたが、書きたくなる不思議な気持ちに今包まれています。
端的に書きますが、Sansanでは新卒エンジニアとしてR&Dをやっていました。
専門である機械学習関係のプロジェクトに色々足を突っ込んでいました。
Python、Rだけでなく、C#やC++、Go、GAS辺りがチョットデキルようになり、AWSの各サービスがある程度触れるようになりました。
加えて学会や勉強会への登壇、インターンの受け入れなども経験しました。
これとか
vaaaaaanquish.hatenablog.com
SansanのR&Dには、データサイエンスのコンペ「Kaggle」のGrand Masterが2人在籍、Masterが1人在籍。
また、アドバイザーとしてGrand Masterが1人、Masterが1人、勉強会やSlack等ですぐ話せる状態にありました。
日本人のGrand Masterは4人しかいないらしいので、そのうち3人がSansanの関係者という状態でした。
他にも、boostingパッケージ作者やOpenCVのC#wrapper製作者、画像処理専門家、学生時代から自然言語処理ライブラリを作っていた人、経済学、社会行動学出身者などを様々なバックグラウンドを持った研究者を含む20名弱が在籍し、まさに少数精鋭チームという感じでした。
レベルの高い人たちと働けるのはとても幸せな事だと今でも思います。
真のデータサイエンティストは表参道に居たのでした。
個人的にも機械学習エンジニアとしてとても幸福で、良いインフラ基盤や基礎技術、仕事環境、大量のデータ、学習データ作成の補助をしてくれるアノテータの存在、R&D内での勉強会、論文読み会、Kaggle部など、技術的な向上に欠けたものはほぼない状態でした。
また、本の購入やガジェット、ソフトウェア、勉強会への補助もかなり使えました。
私は「変化できる会社」がこれから強いと思っています。
プロダクトのフェーズや社会の変化に合わせて、技術や社内の制度、環境を適宜変えられる会社です。
Sansanはそこがすごく強い会社で、私は入社当初にTwitterでよく悪態をついて居ましたが、それらを社内で提案し議論することで勢いよく改善されていくのを見て、これは素直にすごいなと思いました。色々発言してみる大切さも知れました。
社会全体の仕組みやプロダクトについてあんまり関心がないので分からず、客観的に見れてない部分も多々ありますが、色んな波を経験できて本当に良かったです。
可愛い同期とも出会えて、結婚できたし最高でした。
- 転職のきっかけ -
転職の理由は、素直に「金が必要になったから」です。
以下結婚エントリでも書きましたが、妻は身体の調子が良い方ではなく、仕事を辞め専業主婦をやっています。
もともとダブルインカムで生計を立てる想定で将来設計を進めていたこともありますし、妻の体調を考えると、人生のフェーズとしてベンチャー企業のような荒波で働いてる場合じゃねえなとなって転職先を探し始めました。
もちろん、技術的に「もっと上に行ける」という気持ちも少なからずあり、課題に感じてる部分もあったのですが、結婚と妻の体調がトリガーになった形です。
「新卒」というのは難しいもので、結局「新卒テーブル」の上で評価され続けます。
これはSansanに限った話ではなく、どこの会社でもそうだと思います。
近年のエンジニアは特にだと思いますが、既に学生時代から研究開発の力を蓄え、企業バイトやインターンで大中小規模の中長期開発を経験していたり、学会やハッカソン、イベントで成果を発表している場合が多々あります。
対して「新卒テーブル」というのは、入社時のスタートが同じである場合が多く、中途採用エンジニア等の評価点で代表的な「過去の経験」が給与に反映されにくい状態になっている場合が多いかと思います。
中途採用のオッサンより綺麗で安定稼働するコードが書けてプロジェクト管理力があっても給与が追い付く事は一生無い、みたいな状態は話を聞く限り日本中で起こっていそうです。
(私がそうだと言っている訳ではありません)
私一人の生活であれば、Sansanの新卒テーブルに不満はなく、マシンを買ったりAWSを自由に使ったりTwitterでオフ会やったりと楽しく生活出来たと思いますが、結婚でそうも言ってられなくなったというのが転職のきっかけです。
自分の技術力を上げ、市場価値を上げるには転職という方法しか現代には用意されていませんでした。
- 転職のやりかた -
普通にいくつかの会社を受けました。
エンジニアの転職と言えば転職ドラフト辺りが話題になりがちですが、普通に腹立ったので使いませんでした。
indeed等リクルートサイトも結構見ましたが、結局見てるだけなんて誰でもできる訳で、あんま参考にならねえなと思い、普通にいくつかの企業ページに行ってメールを直接出したり、フォロワーで以前より話を頂いていた方に返信し転職活動を進めました。
いくつか内定を貰って、妻と相談しつつ、結局最後はフォロワーのプロから誘われた話をきっかけに転職する形になりました。
決め手は金銭面も大きいですが、技術とデータが溜まっていて企業として余裕のあるところを選びました。
加えて誘ってくれたエンジニアが、尊敬できる人だったというのも大きかったと思います。