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おとてく

作曲家/レコーディングエンジニア。フリーランスでギリギリ生きていけてる33歳が書くメディア。

コードが分かると作曲が出来る!「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう!」編 その1〜モーダルインターチェンジ〜

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「コードが分かると作曲が出来る!」シリーズの4回目。

今回は「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう!」です。

 

ダイアトニック以外のコードを使う場合はパターンがいくつかあるので、ややこしくならないように細分化させてもらいました。

 

なので今回は④-1として、モーダルインターチェンジというものを紹介します!

 

事前の知識として、同主調の概念を知っておいてほしいので、ご存知でない方は

平行調と同主調、そしてマイナーキーのダイアトニックコードをお読みください。

 

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モーダルインターチェンジ

モーダルインターチェンジとは、同主調から一時的にコードを借りてくることをいいます。

同主調は「Cメジャーキー⇔Cマイナーキー」の関係性ですね。

 

♯Ⅴ→♯Ⅵパターン

Cメジャーキーのコード進行の中で、同主調(Cマイナーキー)のダイアトニックの中からA♭B♭を借りてくる手法です。 

この2つのコードは、Cメジャーキーのダイアトニックコードでいえば、半音上になるので、

便宜上、「♯Ⅴ♯Ⅵパターン」と名付けておきます。

 

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Cメジャーキーのダイアトニックコード

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Cマイナーキーのダイアトニックコード

 

このパターンの例を挙げてみましょう。

 【参考楽曲】Mr.Children『Everything(It's you)』

Bメロに注目。

1:25あたりから聴いてみてください。

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図の赤文字で書いたところが、同主調から借りてきたコードです。

♯Ⅴ→♯Ⅵパターンになっています。

 

原曲のキーはGメジャーキーなので、分かりやすくCメジャーキーに置き換えてみましょう。

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こうなります。

 

同じパターンが用いられている曲

・Mr.Children『終わりなき旅』

ミスチルはモーダルインターチェンジ多いイメージです。

サビの、

「終わりなき旅」の部分が、♯Ⅴ→♯Ⅵパターンです。

 

 

・斉藤和義『歌うたいのバラッド』

サビ終わり、

「愛してる」の後、次の間奏に向かうまでの間のコード♯Ⅴ→♯Ⅵパターンになっています。

 

 

・THE YELLOW MONKEY『BRILLIANT WORLD』

サビ終わりの、

「君と I WILL GO, BRILLIANTWORLD」の部分が♯Ⅴ→♯Ⅵパターンです。

 

 

サブドミナントマイナー

Cメジャーキーの同主調(Cマイナーキー)のダイアトニックの中から、Fmを借りてきます。

 

これは、モーダルインターチェンジの中でもサブドミナントマイナーと呼んで区別することが多いです。

 

Ⅳのコードをマイナーにしたものを使うと考えた方が分かりやすいかもしれません。

 

サブドミナントマイナーも例を挙げます。

 【参考楽曲】ウルフルズ『それが答えだ!』

サビに注目。

0:09あたりから聴いてみましょう。

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赤文字で書いたところが、サブドミナントマイナーです。

 

原曲のキーはBメジャーキーなので、こちらも分かりやすくCメジャーキーに置き換えてみましょう。

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こうなります。

 

同じパターンが用いられている曲

・Mr.Children『終わりなき旅』

♯Ⅴ→♯Ⅵパターンにも挙っていたこの曲にはサブドミナントマイナーも使われていました。

Bメロの、

「大きな声で 声をからして」の部分です。

 

 

・Marvine Gaye『What's Going On』

間奏の頭のコード、というか、間奏はしばらくサブドミナントマイナー一発です。 

 

 

・ゆず『夏色』

サビ終わり、

「ゆっくりゆっくりくだってく」の部分がサブドミナントマイナーです。

 

その他のモーダルインターチェンジ 

他のパターンとしては、♯Ⅴ♯Ⅵのどちらかだけを一時的に借りてくるというのもよく見られます。

 

たとえば、 

・SIAM SHADE『Dreams』

Aメロの、

「語り尽くしたDreams」と「今は二人」の間のコードが♯Ⅴです。

 

 

・Superfly『愛をこめて花束を』

Aメロの、

「懐かしいこの景色と」の部分が♯Ⅵです。

 

 

 

今回はここまで!

次回も「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう!」編の続きをお送りします。

 

 

 

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