酒蔵の余韻を持ったまま白鶴酒造資料館を出て、東へ少し歩くだけで菊正宗が近くに見えてきます。
10分足らずで菊正宗酒造記念館です。瓦葺きの屋根に、焼杉板張りの外壁が酒蔵らしさを感じさせます。記念館前の道路の右方向すぐに、住吉川に架かる橋があるので、周りの静かな佇まいとは対照的に車の通行量が多い所です。
菊正宗酒造記念館|菊正宗~生酛(生もと)で辛口はうまくなる。~
酒蔵の長屋門には、定番の菰樽(こもだる)と杉玉が配置されていて、如何にもという決まり方を楽しめます。
外国人観光客の方が、楽しそうに杉玉とツーショットの記念写真を撮っておられましたが、神社の鈴緒とは違うから杉玉の紐を引っ張ったらアカンよ。
門を 入ってすぐ左側に「はねつるべ」があります。蔵と塀とのセッティングには思わず「おぉ!」と、立ち止まってしまいます。
記念館のエントラスホールには一枚板の大きな看板が置かれていて、ここでも白鶴酒造資料館と同様に、古い木造建築独特の香りがしてきます。
酒造り展示室は、昔ながらの酒造りの行程が順番に展示されています。
造り方は白鶴酒造と変わりませんが、今一度眺めて通るだけでも、何となくお酒造りの行程が理解出来たようで、ちょっといい気分になります。
白鶴酒造資料館では見なかった「会所場」という、杜氏が食事や寝泊まりしていた部屋が、一番最初に展示されています。
囲炉裏にかけられている鍋の説明には「牛鍋」と書かれています。
配偶者は思わず「エエなぁ」と呟きます。小腹が空いているのでしょうか。
お米を洗う「洗場」です。壁の写真には足で洗っている様子が写されています。
寒い時期に大変な作業やなぁ。
「釜場」でお米を蒸します。
昔あったへっついさん(竃のことです)の釜しか知らない私には、大釜の口の広さ(白鶴酒造資料館で展示)と高さは恐ろしい気がします。
「麹室」ですが、壁や天井に藁束を断熱に使っていた事が分かります。六甲おろしの冷たい風も酒造りに利用するので、酒蔵全体が冷たくなっていますから断熱・保温にも工夫が必要だったのでしょう。
「もと場」で、麹とお米を混ぜる酛仕込み(もとしこみ)作業を行います。二人一組で作業する時は歌いながら息を合わせています。展示のBGMとして流れています。
根気がいる仕事やなぁ。イラチの私ではアカンかも知れん。
左にある縦の「男柱」を支点に、横に伸びている「はね棒」で、下にある「酒槽(さかふね)」の酒袋を押し絞ぼり、酒と粕に分ける「槽場」です。
柱に「昭和15年9月新調」とあります。戦後しばらくは使っていたのでしょうか。
ここでも道具などに動物の名前がついています。
「猿」です。猿の顔に見えるから?
「馬」
「猫」は前回記事にも出ていますが、やはり猫好きとしては今回も猫さんに登場して貰います。
これで1階の展示は見ましたので、次は2階へ行きます。
ここでは、菊正宗が昔ながらの酒造りである「生酛づくり」を現在でも行っている様子が映像で紹介されます。
10人分位の椅子が用意されており、皆さん熱心に映像を見ておられるので、邪魔になってはいけないと思い、写真は撮りません。
生酛造りとは|酒の原点 生酛(生もと)Web|菊正宗~生酛(生もと)で辛口はうまくなる。~
より引用
菊正宗の淡麗辛口の酒質を醸し出すのが、本流「生酛造り」。アルコールを造る酵母を育てる「酛」(酒母)を、水と米と米麹から、昔ながらの手作業で4週間かけて造り上げる、酒造りの原点と言える製法です。
しかしながら生酛造りは通常の倍以上の時間と手間がかかり、安定的に行うことも極めて難しいため、全国千数百蔵の中でこれを伝承するのは、菊正宗を含めてわずか数蔵。ほとんどの酒蔵が市販の乳酸と培養酵母を加え、2週間あまりでできる速醸酛に頼る中、手から手へと受け継がれてきた生酛造りの技が今、見直されています。
映像を見終わって1階の売店に向かう頃には、頭の中は「生酛造り」一色になっています。
売店の入口で、「季節限定の生酛大吟醸ひやおろし」が紹介されているので、何の迷いも無くお土産に買います。「酒粕」や「どて焼き」も一緒にお土産にします。
菊正宗から近くにある櫻正宗記念館の「櫻宴」にも行ってみたいのですが、今日は白鶴と菊正宗で十分堪能出来ましたので、歩いて20分程の阪神御影駅前で買物をして帰ります。櫻正宗は次の楽しみにとっておきます。
酒蔵のゆったりした時間と、香りを身に付けているかのようなのんびりとした気分で、国道43号線を「酒蔵とんねる」で潜り、阪神電車の方へ向かいます。
阪神御影駅前にある阪神百貨店、阪急オアシスで揃えた材料を使った晩ご飯です。
招き猫の右に粕汁、ナスビのピリ辛煮。二列目左から鳥むね肉の唐揚げ、ハマチの刺身、おはぎといなり寿司です。
「今日23日は、おはぎ。」と「prime__number」さんの9月20日の記事を拝見して配偶者が言ってますので頂きます。
9月23日は「秋分の日」食事を楽しんで金運アップ☆ - そんな私が開運生活をした結果、
粕汁の具は、ハマチとうす揚げの二種類のみです。また汁は、酒粕を思い切り味わえる様にポタージュスープ風に濃いめに仕上げて貰いました。菊正宗の「季節限定の生酛大吟醸ひやおろし」と一緒に頂きます。
櫻正宗へ行くのが楽しみになって来ました。