文部科学省はことし6月の政府の閣議決定をうけて29日、大学設置に関する告示を改正し、来年度から東京23区の中では私立大学と短期大学について定員の増加を認めないことを決めました。
東京23区内には現在114の私立大学と短期大学がありますが、この定員の抑制は新たな校舎の建設を進めている大学などを除いて適用されます。
文部科学省がこの新たな方針について1か月間、意見を公募した結果、「地方の活性化につながる」と評価する意見があった一方、「大学の自主性を脅かす」とか、「東京で定員抑制しても地方大学に学生が集まるわけではない」などと反対する意見も寄せられたということです。
文部科学省によりますと、東京23区の大学に通う学生は46万人を超えていて、この10年で6万9000人以上増加しているということです。
大学問題に詳しい東京大学の小林雅之教授は「東京に学生が一極集中しているのは事実で、定員抑制によって少しは緩和されるだろうが、地方との格差を是正するには地方の雇用環境を整えるなど総合的な政策が必要だ。東京の定員抑制だけで効果が出るのかは疑問だ」と指摘しています。
私大・短大の定員増 東京23区内では認めず 文科省
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地方の学生が東京の大学に一極集中することを抑制するため文部科学省は29日、東京23区の中では私立の大学と短期大学の定員の増加を認めないことを決めました。専門家は「大学の定員抑制で一極集中が少しは緩和されるだろうが、東京と地方の格差是正は地方の雇用環境を整えるなど総合的な政策が必要だ」と話しています。
文部科学省はことし6月の政府の閣議決定をうけて29日、大学設置に関する告示を改正し、来年度から東京23区の中では私立大学と短期大学について定員の増加を認めないことを決めました。
東京23区内には現在114の私立大学と短期大学がありますが、この定員の抑制は新たな校舎の建設を進めている大学などを除いて適用されます。
文部科学省がこの新たな方針について1か月間、意見を公募した結果、「地方の活性化につながる」と評価する意見があった一方、「大学の自主性を脅かす」とか、「東京で定員抑制しても地方大学に学生が集まるわけではない」などと反対する意見も寄せられたということです。
文部科学省によりますと、東京23区の大学に通う学生は46万人を超えていて、この10年で6万9000人以上増加しているということです。
大学問題に詳しい東京大学の小林雅之教授は「東京に学生が一極集中しているのは事実で、定員抑制によって少しは緩和されるだろうが、地方との格差を是正するには地方の雇用環境を整えるなど総合的な政策が必要だ。東京の定員抑制だけで効果が出るのかは疑問だ」と指摘しています。
東京23区内には現在114の私立大学と短期大学がありますが、この定員の抑制は新たな校舎の建設を進めている大学などを除いて適用されます。
文部科学省がこの新たな方針について1か月間、意見を公募した結果、「地方の活性化につながる」と評価する意見があった一方、「大学の自主性を脅かす」とか、「東京で定員抑制しても地方大学に学生が集まるわけではない」などと反対する意見も寄せられたということです。
文部科学省によりますと、東京23区の大学に通う学生は46万人を超えていて、この10年で6万9000人以上増加しているということです。
大学問題に詳しい東京大学の小林雅之教授は「東京に学生が一極集中しているのは事実で、定員抑制によって少しは緩和されるだろうが、地方との格差を是正するには地方の雇用環境を整えるなど総合的な政策が必要だ。東京の定員抑制だけで効果が出るのかは疑問だ」と指摘しています。
文部科学省はことし6月の政府の閣議決定をうけて29日、大学設置に関する告示を改正し、来年度から東京23区の中では私立大学と短期大学について定員の増加を認めないことを決めました。
東京23区内には現在114の私立大学と短期大学がありますが、この定員の抑制は新たな校舎の建設を進めている大学などを除いて適用されます。
文部科学省がこの新たな方針について1か月間、意見を公募した結果、「地方の活性化につながる」と評価する意見があった一方、「大学の自主性を脅かす」とか、「東京で定員抑制しても地方大学に学生が集まるわけではない」などと反対する意見も寄せられたということです。
文部科学省によりますと、東京23区の大学に通う学生は46万人を超えていて、この10年で6万9000人以上増加しているということです。
大学問題に詳しい東京大学の小林雅之教授は「東京に学生が一極集中しているのは事実で、定員抑制によって少しは緩和されるだろうが、地方との格差を是正するには地方の雇用環境を整えるなど総合的な政策が必要だ。東京の定員抑制だけで効果が出るのかは疑問だ」と指摘しています。
東京23区内には現在114の私立大学と短期大学がありますが、この定員の抑制は新たな校舎の建設を進めている大学などを除いて適用されます。
文部科学省がこの新たな方針について1か月間、意見を公募した結果、「地方の活性化につながる」と評価する意見があった一方、「大学の自主性を脅かす」とか、「東京で定員抑制しても地方大学に学生が集まるわけではない」などと反対する意見も寄せられたということです。
文部科学省によりますと、東京23区の大学に通う学生は46万人を超えていて、この10年で6万9000人以上増加しているということです。
大学問題に詳しい東京大学の小林雅之教授は「東京に学生が一極集中しているのは事実で、定員抑制によって少しは緩和されるだろうが、地方との格差を是正するには地方の雇用環境を整えるなど総合的な政策が必要だ。東京の定員抑制だけで効果が出るのかは疑問だ」と指摘しています。
大学定員の抑制と現状
大学の学生定員が、法律などで規制されるのは今回が初めてではありません。
首都圏と近畿圏では、高度経済成長期から人口の過度な集中を避けるため、大学の新設や拡大が法律で制限されてきましたが、平成14年に規制が撤廃されました。これにより、郊外にあった大学が都心に回帰する傾向が続いています。
文部科学省によりますと、全国の大学に通う学生数は、この10年間で24万人以上減った一方、23区にある大学に通う学生は6万9000人以上増加しているということです。
首都圏と近畿圏では、高度経済成長期から人口の過度な集中を避けるため、大学の新設や拡大が法律で制限されてきましたが、平成14年に規制が撤廃されました。これにより、郊外にあった大学が都心に回帰する傾向が続いています。
文部科学省によりますと、全国の大学に通う学生数は、この10年間で24万人以上減った一方、23区にある大学に通う学生は6万9000人以上増加しているということです。
23区内に移転予定の大学は
今回の決定について23区内に学部の移転や定員の拡大を計画している大学からは、懸念の声が上がっています。
東京・八王子市にある中央大学です。かつては23区内に拠点となるキャンパスがありましたが、国が大都市圏での大学の増設を制限するなどしたため、昭和53年に今の多摩キャンパスに移転しました。
しかし、18歳人口の減少などに備えて、5年後を目標に看板学部の法学部を文京区に移転させる計画をたてていたため、今回の定員抑制が計画に影響しないか、懸念しているといいます。
中央大学の酒井正三郎学長は「少子化などで大学間の競争が増すなか、法曹業界を目指す学生を確実に取り込んでいくためには都心に移転するほうが大学として十分な教育を提供できると考えた。地方創生の重要性はわかるが、大学の将来構想に非常に大きな影響がある」と話しています。
東京・八王子市にある中央大学です。かつては23区内に拠点となるキャンパスがありましたが、国が大都市圏での大学の増設を制限するなどしたため、昭和53年に今の多摩キャンパスに移転しました。
しかし、18歳人口の減少などに備えて、5年後を目標に看板学部の法学部を文京区に移転させる計画をたてていたため、今回の定員抑制が計画に影響しないか、懸念しているといいます。
中央大学の酒井正三郎学長は「少子化などで大学間の競争が増すなか、法曹業界を目指す学生を確実に取り込んでいくためには都心に移転するほうが大学として十分な教育を提供できると考えた。地方創生の重要性はわかるが、大学の将来構想に非常に大きな影響がある」と話しています。
文科相「例外の在り方も検討する」
林文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「地方創生の観点からは都市部の大学の定員抑制のみならず、地方大学の活性化が極めて重要だと考えており、しっかりと取り組んでいく」と述べました。
また、再来年度・2019年度以降の対応については、「東京23区では大学の定員増は認めないことが原則だが、社会人や留学生などの例外の在り方を検討していきたい」と述べました。
また、再来年度・2019年度以降の対応については、「東京23区では大学の定員増は認めないことが原則だが、社会人や留学生などの例外の在り方を検討していきたい」と述べました。
小池知事「強く反対」
東京都の小池知事は「強く反対し、今後も必要な主張を行っていく」というコメントを発表しました。
それによりますと、今回の決定について「大学の教育や研究体制の改革・革新を滞らせ、国際競争力を低下させる。人こそが資源のわが国の国益を損なうことになりかねず、強く反対する」と批判したうえで、「今後も引き続き、地方創生や大学の在り方について本質的な議論を喚起すべく、必要な主張を行っていく」としています。
それによりますと、今回の決定について「大学の教育や研究体制の改革・革新を滞らせ、国際競争力を低下させる。人こそが資源のわが国の国益を損なうことになりかねず、強く反対する」と批判したうえで、「今後も引き続き、地方創生や大学の在り方について本質的な議論を喚起すべく、必要な主張を行っていく」としています。
多摩の自治体からは理解示す声も
東京23区での私立大学と短期大学の定員抑制について、大学がキャンパスを都心に移す、いわゆる「都心回帰」の影響を受けてきた東京・多摩地域の自治体からは、理解を示す声も上がっています。
このうち東京・多摩市では、市内にキャンパスがある5つの大学のうち大妻女子大学が、3つある学部のうち2つを来年度までに千代田区のキャンパスに段階的に移転する計画です。
東京23区での定員抑制について、多摩市の阿部裕行市長は「街に活気があふれ、研究開発などの連携を通じて地場産業も盛り上がるため、郊外にある自治体にとって大学や学生は非常に大きな存在だ。これまで大学の『都心回帰』を残念に思っていたので、今回の決定もやむをえないと考えている」と理解を示しています。
一方で、「一極集中は大学だけでなく、産業などあらゆる面で起きている。日本の大学教育や地方創生がどうあるべきなのかしっかり議論すべきだ」として、議論が不十分だと指摘しています。
このうち東京・多摩市では、市内にキャンパスがある5つの大学のうち大妻女子大学が、3つある学部のうち2つを来年度までに千代田区のキャンパスに段階的に移転する計画です。
東京23区での定員抑制について、多摩市の阿部裕行市長は「街に活気があふれ、研究開発などの連携を通じて地場産業も盛り上がるため、郊外にある自治体にとって大学や学生は非常に大きな存在だ。これまで大学の『都心回帰』を残念に思っていたので、今回の決定もやむをえないと考えている」と理解を示しています。
一方で、「一極集中は大学だけでなく、産業などあらゆる面で起きている。日本の大学教育や地方創生がどうあるべきなのかしっかり議論すべきだ」として、議論が不十分だと指摘しています。
私大・短大の定員増 東京23区内では認めず 文科省
地方の学生が東京の大学に一極集中することを抑制するため文部科学省は29日、東京23区の中では私立の大学と短期大学の定員の増加を認めないことを決めました。専門家は「大学の定員抑制で一極集中が少しは緩和されるだろうが、東京と地方の格差是正は地方の雇用環境を整えるなど総合的な政策が必要だ」と話しています。
大学定員の抑制と現状
大学の学生定員が、法律などで規制されるのは今回が初めてではありません。
首都圏と近畿圏では、高度経済成長期から人口の過度な集中を避けるため、大学の新設や拡大が法律で制限されてきましたが、平成14年に規制が撤廃されました。これにより、郊外にあった大学が都心に回帰する傾向が続いています。
文部科学省によりますと、全国の大学に通う学生数は、この10年間で24万人以上減った一方、23区にある大学に通う学生は6万9000人以上増加しているということです。
首都圏と近畿圏では、高度経済成長期から人口の過度な集中を避けるため、大学の新設や拡大が法律で制限されてきましたが、平成14年に規制が撤廃されました。これにより、郊外にあった大学が都心に回帰する傾向が続いています。
文部科学省によりますと、全国の大学に通う学生数は、この10年間で24万人以上減った一方、23区にある大学に通う学生は6万9000人以上増加しているということです。
23区内に移転予定の大学は
今回の決定について23区内に学部の移転や定員の拡大を計画している大学からは、懸念の声が上がっています。
東京・八王子市にある中央大学です。かつては23区内に拠点となるキャンパスがありましたが、国が大都市圏での大学の増設を制限するなどしたため、昭和53年に今の多摩キャンパスに移転しました。
しかし、18歳人口の減少などに備えて、5年後を目標に看板学部の法学部を文京区に移転させる計画をたてていたため、今回の定員抑制が計画に影響しないか、懸念しているといいます。
中央大学の酒井正三郎学長は「少子化などで大学間の競争が増すなか、法曹業界を目指す学生を確実に取り込んでいくためには都心に移転するほうが大学として十分な教育を提供できると考えた。地方創生の重要性はわかるが、大学の将来構想に非常に大きな影響がある」と話しています。
東京・八王子市にある中央大学です。かつては23区内に拠点となるキャンパスがありましたが、国が大都市圏での大学の増設を制限するなどしたため、昭和53年に今の多摩キャンパスに移転しました。
しかし、18歳人口の減少などに備えて、5年後を目標に看板学部の法学部を文京区に移転させる計画をたてていたため、今回の定員抑制が計画に影響しないか、懸念しているといいます。
中央大学の酒井正三郎学長は「少子化などで大学間の競争が増すなか、法曹業界を目指す学生を確実に取り込んでいくためには都心に移転するほうが大学として十分な教育を提供できると考えた。地方創生の重要性はわかるが、大学の将来構想に非常に大きな影響がある」と話しています。
文科相「例外の在り方も検討する」
林文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「地方創生の観点からは都市部の大学の定員抑制のみならず、地方大学の活性化が極めて重要だと考えており、しっかりと取り組んでいく」と述べました。
また、再来年度・2019年度以降の対応については、「東京23区では大学の定員増は認めないことが原則だが、社会人や留学生などの例外の在り方を検討していきたい」と述べました。
また、再来年度・2019年度以降の対応については、「東京23区では大学の定員増は認めないことが原則だが、社会人や留学生などの例外の在り方を検討していきたい」と述べました。
小池知事「強く反対」
東京都の小池知事は「強く反対し、今後も必要な主張を行っていく」というコメントを発表しました。
それによりますと、今回の決定について「大学の教育や研究体制の改革・革新を滞らせ、国際競争力を低下させる。人こそが資源のわが国の国益を損なうことになりかねず、強く反対する」と批判したうえで、「今後も引き続き、地方創生や大学の在り方について本質的な議論を喚起すべく、必要な主張を行っていく」としています。
それによりますと、今回の決定について「大学の教育や研究体制の改革・革新を滞らせ、国際競争力を低下させる。人こそが資源のわが国の国益を損なうことになりかねず、強く反対する」と批判したうえで、「今後も引き続き、地方創生や大学の在り方について本質的な議論を喚起すべく、必要な主張を行っていく」としています。
多摩の自治体からは理解示す声も
東京23区での私立大学と短期大学の定員抑制について、大学がキャンパスを都心に移す、いわゆる「都心回帰」の影響を受けてきた東京・多摩地域の自治体からは、理解を示す声も上がっています。
このうち東京・多摩市では、市内にキャンパスがある5つの大学のうち大妻女子大学が、3つある学部のうち2つを来年度までに千代田区のキャンパスに段階的に移転する計画です。
東京23区での定員抑制について、多摩市の阿部裕行市長は「街に活気があふれ、研究開発などの連携を通じて地場産業も盛り上がるため、郊外にある自治体にとって大学や学生は非常に大きな存在だ。これまで大学の『都心回帰』を残念に思っていたので、今回の決定もやむをえないと考えている」と理解を示しています。
一方で、「一極集中は大学だけでなく、産業などあらゆる面で起きている。日本の大学教育や地方創生がどうあるべきなのかしっかり議論すべきだ」として、議論が不十分だと指摘しています。
このうち東京・多摩市では、市内にキャンパスがある5つの大学のうち大妻女子大学が、3つある学部のうち2つを来年度までに千代田区のキャンパスに段階的に移転する計画です。
東京23区での定員抑制について、多摩市の阿部裕行市長は「街に活気があふれ、研究開発などの連携を通じて地場産業も盛り上がるため、郊外にある自治体にとって大学や学生は非常に大きな存在だ。これまで大学の『都心回帰』を残念に思っていたので、今回の決定もやむをえないと考えている」と理解を示しています。
一方で、「一極集中は大学だけでなく、産業などあらゆる面で起きている。日本の大学教育や地方創生がどうあるべきなのかしっかり議論すべきだ」として、議論が不十分だと指摘しています。