Intelが「Loihi」という名のニューロモルフィック人工知能(AI)テストチップを発表した。環境から獲得したデータから学ぶことで、脳の機能の模倣を目指したものだという。
Intelでは、「機械と人間の脳を比較する」取り組みから、自己学習型でエネルギー効率の高いAIチップが生まれたとしている。このチップは非同期スパイクの仕組みを利用して周囲の環境から推論を引き出し、どんどん賢くなっていくという。
Intel Labsのコーポレートバイスプレジデント兼マネージングディレクター、Michael Mayberry博士は、米国時間9月25日付の公式ブログで、Loihiは脳の基本的な仕組みを模倣したデジタル回路を持ち、必要とされる演算能力のレベルを抑えつつ、より効率的な機械学習を可能にしたと述べている。
「ニューロモルフィックチップのモデルは、ニューロンがタイミングに応じて調節できるスパイクと可塑性シナプスを使って情報をやり取りし、学習する方法にヒントを得ている。これはコンピュータがパターンと連想に基づいて、自己組織化と意思決定を行うのに役立つかもしれない」と、Mayberry氏は解説した。
こうしたチップは、複雑な意思決定の高速化に利用できる可能性がある。Mayberry氏によれば、ニューロモルフィックチップは時間がたつにつれ最適化される学習済みの経験を用いて、「社会や産業に関する問題」を自律的に解決する能力を持つという。
このチップは14nmプロセス技術で製造され、13万のニューロン、1億3000万のシナプスで構成されている。完全に非同期のニューロモルフィックなメニーコアのメッシュを持ち、それぞれのニューロンは相互に通信可能だ。
このようなチップの応用例としては、市中の防犯カメラ経由の顔認識を利用した失踪事件の解決、交通の流れに応じて自動調整を行う信号、さらにはロボットの自律性と効率性アップなどが考えられると、Mayberry氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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