今夜のテレビ番組で、保毛尾田保毛男が復活するというニュースを見た。アラフォーでゲイの自分は、このキャラクターのことが本当に嫌いだった。というか、恐れていた。
「自分は男が好きなんだ」と意識しだした思春期に、このキャラクターはテレビで大人気だった。家で親や兄弟はこれを見ながら笑っていたし、学校でもよくネタになっていて、「男を好きな男は気持ち悪いもの」「男を好きな男は笑われて馬鹿にされるもの」という価値観を世間に強烈にばらまいていた。このキャラクターの話題になるたび、顔では笑いながら心の中ではホモであることが周りにバレたらどうしようと震えていた。名前を聞くだけで心が縮こまるのを感じた。だから、嫌いと言うよりは怖かった。絶対にホモであることがバレないように振る舞おうと思った。
世間に飽きられたのか、いつの間にかこのキャラクターはテレビの中からいなくなっていた。だから自分もその存在を意識しなくなっていたんだけど、今朝復活のニュースを聞いた時、ぎゅーっと胸が苦しくなるのを感じて自分でもびっくりした。トラウマってこういうことを言うのかなと思った。明日、会社でこのネタを振られたら、自分はまたあの頃のように顔だけ笑って心を閉ざす、惨めな作業を行わなければならないんだろう。LGBTへの理解が進んだと言われるけど、一個人として社会から拒絶される恐怖は、あの頃とちっとも変わっていない。
とんねるず的セクハラパワハラ丸出しの笑いは既に昭和の遺物なんでおっさん以外誰も喜ばんしロクに話題にもならんでしょ。