地方公務員の選挙活動について質問します。 私の市では、４月に市議会議員選挙が...

実際に現状を見聞きした訳ではありませんので、質問内容から分かる範囲で回答させていただきます。

市の職員で構成される組合とありますので、まあ、労働組合でしょうが、その組合が選挙活動をしているとあります。記載内容からすると、選挙活動ではなく、政治活動に分類される行為だと思われます。

国家公務員は、選挙活動（運動）はもちもん、政治活動も厳しく制限されており、違反すると罰則規定がありますが、地方公務員は、政治活動については、「違法ではあるが罰則規定がない」状況で、要は、処罰されないということで、政治活動は事実上、認められていると解釈されています。

なので、１点目の「市職員（組合員）が立候補予定者の後援会入会を公務員以外の人に進める行為」は、選挙運動ではなく政治活動の一環なので、問題はないでしょう。

２点目の「後援会に入会した人の自宅を市職員が訪問し、立候補予定者のビラを配る行為」についても、政治活動の一環なので、問題はないでしょう。ビラの内容によっては、選挙運動になり、違法性が出てきますが…

３点目の「組合の執行部が市職員を使って、一般の人を後援会に入会させるのは、公務員の地位を利用しての選挙活動にあたるのか？」については、地位の利用には該当しませんので、こちらについても問題はないと思います。

地位の利用とは、職に就く者がその権限を違法に行使して初めて違法性が出るものですから、この段階ではその可能性は極めて低いと思われます。

しかし、いくら違法性が少ない３点だとしても、このように疑いをもたれるような行為は、本来、行わないものです。そういった観点から客観的に見るのであれば、ちょっと、この組合はやり過ぎなのではないかな…と、思います。

<<補足を見て>>

地方公務員といえど、選挙運動は違法行為ですし、罰則規定もあります。ただ、ここで違法性があるかないかの判断基準は、「組合員の自宅」という箇所です。
組合員ということは、同じ意思を持った者・・・同じ候補者を推す者・・・そのような括りが成立する訳です。組合員でありながら、当然に別の候補者を内心では推している方もいますので、一概には言えないのですが、一般的にはそのような構図が成り立っています。

同じ意思を持っている者に対しての、選挙運動とも取れる投票の呼びかけは、基本は大丈夫なので、非常に微妙なのですが「限りなく黒に近い合法行為」なのかな・・・そう思います。
しかし、明らかに、組合員でありながら、同じ候補者を推していないことを公言している方に投票依頼をすることは違法です。これは、罰則を持って処罰されることもあり得ます。