最近(2017年秋)、マーケティング業界でホットなワードの一つが【MA】(エムエー)です。
MAとはMarketing Automation(マーケティングオートメーション)の略で、マーケティングの活動を自動化する仕組みを言います(たぶん)。
ただ、バズワード化しつつあり、こんな叱咤激励のコンテンツが上がったばかりです。
さて、MAに関する勉強会があると聞き、会場のBIZREACHさんへ向かいました。
ベンチャー企業らしい、おしゃれで木目調の目立つオフィスです。
- 勉強会「マーケツール連携の裏側全部語ります」
- レバレジーズ:CRMに架電/SMS/Marketoを統合(計4枚)
- レバレジーズのMA施策:Marketoで休眠会員の掘り起こし架電を解決(計5枚)
- BIZREACH:HRから事業領域を拡大(計3枚)
- 各種ツールの構成:MarketoとKARTEを組み合わせ(計4枚)
- ビズリーチの施策:Marketoで促せ!レジュメ更新!(計6枚)
- ビズリーチの施策:KARTEでレジュメ代行を促す(計3枚)
- レバレジーズのツール連携:CRMツールと主キー(計7枚)
- ビズリーチのMarketo利用上の悩み(計7枚)
- ビズリーチの失敗からの学び(計1枚)
- 勉強会の感想とこれからのソリューション選択について
- レバレジーズの倉橋さんが「TOKYO MARKETERS'TALK #2」に登壇
- 補足:公開されている資料
勉強会「マーケツール連携の裏側全部語ります」
MAツールを導入済みのレバレジーズとビズリーチ、2社の活用状況を教えてもらえるそうです。
各社の事業は、
- レバレジーズ:人材事業、自社メディア事業など
- ビズリーチ:人材事業を中心にHR分野に拡大中
人材業界はマーケター同士がつながっているようでうらやましい…。
左からビズリーチの冨里さんと大内さん。レバレジーズの倉橋さん。みなさん、仲良しのようです。
さて、貴重なスライドを大公開!と言いたいところですが、主なスライドはWeb上で公開されているのでそちらをご覧ください(リンク先はこのブログの最後にあります)。
なので、気になったスライドやおおお!となったスライドを厳選して紹介します。
※なお大人の事情により、予告なくスライドや記事そのものが公開できなくなる場合があります。予めご了承ください。
レバレジーズ:CRMに架電/SMS/Marketoを統合(計4枚)
まず、レバレジーズの倉橋さんから「看護のお仕事」でのMAの利用状況を説明してもらいました。
求職者とのやりとりや進捗を、担当営業以外のメンバーが把握できるようにするためにツールを連携させています。
求職者とのコンタクトポイントは3つ。
- メール配信:Marketo
- SMS
- CTI
CRM上で集約させているので、求職者から電話がかかった時、担当者以外のメンバーでもこれまでの進捗がわかります。
実際のCRM画面はこちらです。
黒い囲みの部分に、架電やSMS送信のボタンがあります。
また、SMSはある程度テンプレートの文言が設定されているそうです。
そして、架電やSMSの送信ログが記録されていきます。
誰が電話を受けてもスムーズに対応できるように、なったそうです。
レバレジーズのMA施策:Marketoで休眠会員の掘り起こし架電を解決(計5枚)
実際にMarketoを使った施策の紹介です。
ウェブサイトでの行動履歴からスコアリングを行い、よりスコアの高い求職者に架電をするようにしたそうです。
CTIの画面を通して、自動的に電話をかけて、電話に出てもらえなかった場合、次のひとに自動的に電話をかけていくのです。
MarketoからCRM、CRMからCTIへAPIで連携しています。
行動履歴によるスコアで、どれだけいいセグメントをできるかが、マーケターの腕の見せ所なのでしょう。
そして、マーケターの倉橋さんの成果は…!
架電成功率が2倍!
限られた営業リソースの配分を最適化できたそうです。
成功要因は3つ。
特に、架電する営業側のフローを変えずに施策を実行できたことを強調されました。
その後の質疑応答の際に出てきた話ですが、求職者と思われるひとに電話をかける一方で、おそらく求職中ではないひとには「生活系」と呼ぶ一般的なコンテンツを送って、会員として維持する働きかけを行っているそうです。
BIZREACH:HRから事業領域を拡大(計3枚)
テレビCMの「びずりーち!」をよく見かける、BIZREACHさんの発表です。
(CMは「ビズリーチのYoutubeチャネル」でどうぞ)
着実に事業領域を拡大中です。
今回紹介いただくビズリーチは、採用側と被採用側を結びつけるサービスです。
続いて、会員のフローはこちらです。
なかでも、レジュメの登録が重要だそうです。
各種ツールの構成:MarketoとKARTEを組み合わせ(計4枚)
顧客との接点は、メール配信のMarketoと、ウェブサイト訪問時のポップアップでKARTEを使っています。
それぞれのツールにビズリーチのデータを連携させています。
まずMarketo。
KARTEも連携。
デフォルトセグメントが便利だそうです。
ビズリーチの施策:Marketoで促せ!レジュメ更新!(計6枚)
ビズリーチでは、登録者にスカウトがどれだけ送られるか?が重要です。
そして、スカウトを送ってもらうには、レジュメの登録/更新が必要です。
登録している会員にあわせて、パーソナライズしてメールを配信したところ。
開封率5.2倍、開封toクリック率2.7倍
という見事な成果です。
ただし、メール配信だけでなく、フロー全体にも改善を実施しています。大きいところではスマホ対応です。
また、ユーザーの活動状況にあわせてセグメントを設定。
というようにMarketoを使っています。
そして結論です。
どのタイミングに、どんな対象にアプローチをするか、の重要性を話されました。
セグメントによる反応の違いはかなり大きく、その設計がマーケターの腕の見せどころでしょう。
この施策のなかでは、セグメントによって開封率に数倍の差が出たそうです。
ビズリーチの施策:KARTEでレジュメ代行を促す(計3枚)
ビズリーチのサービスには、レジュメの登録代行があります。
レジュメの登録代行で成約率を8倍になるので、ユーザーを絞ってアプローチをします。
KARTEによって、最適なユーザーにレジュメの登録代行への誘導ができるようになったそうです。
やっぱりセグメントですね。
続いて、第二部「実際に設定するときに困ったことと解決法」です。
レバレジーズのツール連携:CRMツールと主キー(計7枚)
マーケツールのポイントとして、2つ指摘しました。
CRMツールによって、MA(今回はMarketo前提)との連携のしやすが異なります。
標準的な連携の仕組みがあればよいのですが、自社開発の場合、試行錯誤が必要です。
データをどう組み合わせるか、試行錯誤をされているそうです。
また「主キー」をどうするかも重要です。
基本、メールアドレスが主キーですが、MarketoはlookupFieldの機能で、任意のキーを設定できるそうです。
CRMツールを内製しているか場合は、いろいろ工夫が必要なようです。
続いて、ビズリーチの悩みごとを大内さんからお聞きしました。
しかし、大内さんは生粋のエンジニアなので、マーケターのぼくはかなり脱落。一部を紹介します。
ビズリーチのMarketo利用上の悩み(計7枚)
Marketoと他のシステムの連携の概念図です。
で、Matketoと連携するには2つの方法があります。
REST APIとJava ScriptのMunchkin APIです。
2つのAPIの違いを理解して使い分ける必要があります。
結論からいうと、リアルタイム性が高いデータ項目と、そうでないデータ項目に分け、それぞれ適したAPIを利用しているそうです。
この後は、細かいMarketo上の設定の話になったので、、、。
ビズリーチの失敗からの学び(計1枚)
最後に、失敗ケースも紹介されました。
障害が起きても問題ないように作る、ってとても大事です。
勉強会の感想とこれからのソリューション選択について
まず、こういったオープンな勉強会が開かれていることに驚きました。
Marketo(KARTEも?)にはユーザー会があり、そこで知り合いが増えているそうです。そして、自主的な勉強会が開かれるのは、ユーザーがコミットするいいツールの証明だと思います。
とはいえ、マーケターとしての最大の結論は、ツールは自分で使ってみないとなんともわからん!ですね。
マーケティングオートメーションが流行ってますが、言葉に踊らされず、自社のマーケティング課題にあったソリューションを選んで使いこなしたいものです。
ソリューション全般に言えることですが、導入負荷の軽いものを選ぶのも大切です。技術が急に進歩した時、利用しているソリューションが進化しなければリプレース(切り替え)が必要だからです。
また、ソリューションの競合状況にも目を配りたいです。ガートナーなどの評価も参考になります。
レバレジーズの倉橋さん、ビズリーチの大内さん、冨里さん、貴重な情報を共有いただき、ありがとうございました。
そして、このブログより、はるかにくわしい両記事があるのでご紹介します。
レバレジーズさんのオウンドメディアの記事と、
【弊社事例】マーケティングオートメーションの導入に失敗する企業が陥る3つの落とし穴|Leverages { MARKETING BLOG }
ビズリーチの冨里さんの記事は必読です。
web-tan.forum.impressrd.jp「DMP」が気になるかたは、こちらの記事もおすすめです。