香港では３年前の２８日、トップの行政長官選挙をめぐって中国に批判的な候補を事実上、排除する中国の決定に反発した学生や市民が、中心部の幹線道路に座り込み、２か月余りにわたって占拠しました。

抗議活動は、学生たちが雨傘を持って警察などに対抗したことから「雨傘運動」と呼ばれ、最終的には当局に強制的に排除されましたが、学生たちはその後も政党を立ち上げるなどして活動を続けてきました。

しかし、香港の議会に当たる立法会では、抗議活動をきっかけに当選した議員など６人が就任に必要な宣誓を正しく行わなかったとして、議員の資格を失ったと判断されたほか、先月には抗議活動を主導した当時の学生団体の幹部３人が、違法な集会に参加した罪などで実刑判決を言い渡されました。

さらに香港の大学では、学生団体が香港の独立を求める横断幕を構内に掲げたところ、行政長官が厳しく批判する事態となり、中国政府に配慮したものと見られています。

このため香港の学生たちの間では、民主化だけでなく、香港で認められている言論の自由にまで中国政府の締めつけが強まっていると懸念が広がっています。