shuueiのメモ



2016-07-28

日本有事3つのシナリオAdd Starcangael

日本有事3つのシナリオ

VOICE 2003年3月号


衆議院議員 小池百合子

現代コリア研究所主任研究員   西岡 力

杏林大学教授 田久保忠衛




東京米国核ミサイル

西岡 アメリカ金正日政権を倒すと言っているときに日本が袖手傍観していると、仮にアメリカが勝ったとして、そののちに日本は見放されるでしょう。あるいはアメリカが本当に利己主義的になれば、彼らはアメリカまで届くテポドンだけはストップさせるが、日本を狙うノドンは放置するでしょう。事実、ジュネーブ合意では、ノドンについては触れられていません。

小池 軍事上、外交上の判断において、核武装選択肢は十分ありうるのですが、それを明言した国会議員は、西村真吾氏だけです。わずかでも核武装のニュアンスが漂うような発言をしただけで、安部晋三官房副長官言論封殺に遭ってしまった。このあたりで、現実的議論ができるような国会にしないといけません。今の国会は時間とのせめぎ合いがほとんどで、労働組合春闘と同じです(笑)。それももうないのに。

田久保 西村真吾氏が「日本は核をもて」といって批判されるのは、地球は平たいと思っている社会で「地球は丸い」と主張したからです。しかし、そのうちに誰が正しかったかが明らかになる。

 64年、フランスド・ゴール大統領核武装宣言する直前に、陸軍士官学校で「1つの国民国家が自分で自分の運命を決めようと思うなら、核武装をするのは当然である」という演説をしました。彼は集団安全保障という概念を認めなかった。ド・ゴールの側近ピエール・ガロワ将軍によると、ド・ゴールの心中には、第二次世界大戦後、ヤルタ体制で米英の下に置かれた屈辱があった。ソ連の脅威に対抗するという名目で核を持ったとき、初めてフランスアメリカの支配から解き放たれる、とガロワは考えていたのです。そして「中国も早晩、核を持つだろう」といった。同年に中国核実験をすることをガロワはすでに知っており、「中国の脅威に対抗して日本も核を持ち、米国の支配から脱してはどうか」と不気味な提言をしたのです。

西岡 私が94年から主張してきたのは、「北朝鮮が核開発を続けている間は、日本は核武装ではなく、非核三原則における『核持ち込ませず』を凍結せよ」です。つまり、アメリカに核を持ち込んでもらう方がいい。日本がアメリカ核の傘に入ることを望むのであれば、核ミサイル東京に持ってきてもらうのがベストです。北朝鮮戦術核のある東京を撃てば、同じ戦略核平壌に飛ぶことになる。日本の核武装はNPT体制の完全崩壊を意味しますし、日米安保体制を維持できなくなります。集団的自衛権行使を認めない立場なら、実は論理的には独自核武装しかないのです。私の主張はそうではなく、日本が「普通の民主主義国」となって、歴史観においても独立国のそれを回復した後、世界を見回して米国との同盟が最も国益に適うという考えです。

田久保 私は日米同盟の絆を信じていますが、同時にぎりぎりのところでアメリカが日本を見放した場合にどうするかと言うことも、タブーではなく、頭の隅に入れておいた方がいい。日本が核武装選択するかどうかは、我々以降の世代が判断する。ただ、この議論だけをタブー化するのはおかしいと思うんですよ。それを目覚めさせてくれたのは紛れもなく金正日です。ただ、日本が力の威嚇に脅えて無力感に陥ると、日本にとって致命的なお灸になってしまう。

小池 小泉首相パンドラの箱を開け、金正日は日本の目覚まし時計として鳴り響く、といったところでしょうか。ところでこの座談会北朝鮮側に読ませたくないですね(笑)。手の内が分かってしまうので。

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