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大阪維新連携を進める女帝小池百合子の深謀遠慮

2016年9月 4日号

小池百合子の深謀遠慮・大研究 密かに進めていた「大阪維新」との連携=ジャーナリスト・鈴木哲夫

▼着々と準備中「小池新党シナリオ」
▼河村たかし名古屋市長が選挙応援に立ったワケ
▼「五輪調査チーム」がターゲットにする「利権」

「新党」「東京五輪の利権追及」など小池百合子・東京都知事(64)の動きから目が離せなくなった。それだけではない。大阪、名古屋の地域政党とも手を組み、"改革の旗"を揚げるさまは、まさに"東京の女帝"といった風格さえ漂う。その小池氏の"野望"を抉(えぐ)る─。

「今、新党だの連携だのと騒がれていますが、実は小池さんは出馬前から戦略的に図って知事選出馬した」
 そう話すのは小池百合子・東京都知事の側近の一人だ。当選後に注目された「小池新党」については、綿密なシナリオを立てていたと明かすのだ。
 8月12日、小池氏が行った定例会見。選挙の公約に掲げた「都政改革」を実現するため、9月上旬に「都政改革本部」を立ち上げることを発表し、加えて顧問のメンバーを紹介した。その顔触れを見ると、"新しい政治勢力の結集"に備えていたことがうなずける。
 選ばれた5人の名前は、慶應大教授の上山信一氏、青山学院大教授の小島敏郎氏、弁護士の加毛修氏と坂根義範氏、公認会計士の須田徹氏。このうち新党がらみのキーマンは、上山氏と小島氏の2人だ。
「上山さんは大阪維新、小島さんは名古屋の減税日本に直結している人物です」(前出・側近)
 上山氏といえば運輸省(現・国交省)、コンサルティングのマッキンゼー日本支社などを経て、2008年に橋下徹・大阪府知事誕生と同時に、府庁に特別顧問として迎えられた。強力に行政改革を進め「大阪都構想」の政策立案のキーマンだった。さらに、地域政党「大阪維新の会」結党にかかわり、国政政党「日本維新の会」につなげた。その上山氏を小池氏が登用したのは、大阪維新との連携を見据えているからだ。
 小池氏にとって、大阪維新との連携は既定路線だった。大阪維新の府議が話す。
「自民党分裂となっても、小池さんが都知事選に出馬すると決めたのは6月下旬。その頃、退潮傾向にあった東京の旧維新の地方議員や元議員は、小池さんに乗ることで自らの政治勢力を回復しようと接触したのです。小池さんも大阪維新が訴えた"身を切る改革"を旗印にしようと考えた。そこで、維新系との連携を検討し始めたのです」
 この直後、小池氏は全国放送のテレビ番組を通じて、大阪維新へ向けて「連携のサイン」を発していた。7月7日、フジテレビの情報番組に中継で生出演した小池氏は、都議会との関係を聞かれた際、突然「大阪」という地名を出した。小池氏はおおむねこう語った。

 ◇「東京・大阪・名古屋」との連携

「都政や議会を改革するうえで、例になるのは大阪。議員定数や給与など大阪は身を切る改革をやっているんですね。これを例にしたいと思います」
 多くの視聴者は聞き流しただろうが、これを見ていた自民党幹部や都庁幹部の一部はピンときたという。
「小池さんはこれまで大阪を話題にしたことは一切ない。それがいきなり『大阪』という地名を出した。"小池さんは大阪維新との連携を言い出す"と直感しました」(自民党幹部)
 その後、東京の旧維新系議員らが小池氏と大阪維新の会との間を仲介する形で、連携話は大筋で基本路線となった。選挙期間中、大阪維新幹部は「小池さんは地域政党をつくると聞いた。連携? 十分考えるに値する」と私の取材にも語った。
 選挙戦に入ると「大阪維新の上部組織、おおさか維新の松井一郎代表らに官邸筋から『小池の応援はしないでくれ』と要請があった。それで表向き、小池さんの選挙応援はできなくなった」(大阪維新府議)とのウラ事情はあった。だが、大阪維新との交流は選挙前後からあったのは間違いない。
 もう一人、「小池新党」のカギを握るブレーンは小島氏だ。小池氏が環境相の時に審議官を務めるなど、小池氏とは近いと見られているが、実は小島氏は河村たかし・名古屋市長の地域政党「減税日本」の強力なブレーンなのだ。
「小池さんは大阪維新だけでなく、減税日本も含めた地域政党との連携を視野に入れている」と河村氏周辺は明かす。
「都知事選で河村さんは小池さんの応援に駆け付けています。河村さんは今も大阪維新との合流や連携を模索。地方議会改革などで小池さんとも100%連携できる。東京、大阪、名古屋が地域政党で連携し、将来的には合流するという考えです。小島さんがブレーンとして参加したことが、それを裏付けています」
 果たして「小池新党」はできるのか。8月10日、都内のホテルで開かれた「小池知事とともに新しい都政を前進させる地方議員の会」。この会合に小池氏を応援した都議や区議、市議ら40人以上が参加した。小池氏は会合後、報道陣から「新党結成への集まりか」と聞かれ、「新党は選択肢の一つです」と否定しなかった。また小池氏は、投開票日夜のニッポン放送の選挙特番で、私が「新党をつくるのか」と訊(たず)ねると、「状況を見て考えていく」と可能性を示唆した。
 前出の小池氏の側近はこう言う。
「新党をつくるタイミングはこれから。ただ、下準備はできた」としたうえで、こう続けた。
「小池さんは初の女性首相候補とまで言われましたが

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