2004年から独学で作詞作曲を始めました。
この13年間でライブで演奏したオリジナル曲は50曲程度、人に聴かせていない断片的な曲は500曲くらい(数えていないので感覚的な数字ですが)作ってきたでしょうか。
長く続けていると作詞作曲のコツがわかってきたり、テクニックが身についてきたりします。
本を読んで多少勉強したりもしてきました。
やり方やコツはたくさんあるのですが、ここ1年くらいで僕がやっている作曲*1の手順をご紹介します。
バンドアレンジを前提とした作曲の手順
バンド時代はまた違うやり方だったのですが、去年10月から始めたソロ名義でのバンド活動*2で演奏している曲を作る流れはザックリこういう感じです。
- 自宅にて一人でデモ音源を作成
- ある程度完成したデモ音源をサポートメンバーのみんなに送って覚えてもらう
- デモ音源のバンドアレンジを元にスタジオで細かいアレンジの調整
- 後日歌詞を書く。歌詞が完成するとメロディが若干変わる(場合によってはアレンジも調整)
- 完成
各工程の簡単な解説
工程1
工程1のデモ音源作成は、自宅でパソコンを使って一人で作曲。
DAWソフト(作曲ソフト*3)を使ってドラムを打ち込み、ベースを録音、ギターを録音、ピアノを録音して、歌を録音。
各楽器の録音の完成度はマチマチですが、複数の楽器が録音されたデモ音源を作ります。
一人で完結する作曲活動されている人はこの作業だけでも作曲から音源の製作までの全てを終えることもできます。
ただ僕のようにバンドメンバーと一緒にライブで演奏することを前提にしている場合は、この後の工程を行った方がいいでしょう。
工程2
工程2ではメンバーに曲ファイルを送ります。
メールで曲ファイルを送る際にデモ音源の解説などの文章も添えます。
デモ音源を聴いて理解してもらえる部分も多くありますが、伝えたいことを事前に伝えておくことでスタジオでの作業がスムーズになります。
コード進行も伝えておくとメンバー的には助かるはずです。
工程3
工程3でスタジオで実際にメンバーと演奏してみます。
デモ音源で各楽器のフレーズを録音してはいるものの、その楽器を本職にしている人の方が絶対的に演奏は上手いので、デモ音源と100%同じように演奏するというよりは、「デモ音源を参考に、自分なりに演奏してもらう」という感じです。
工程4
工程4ではまた孤独に一人で歌詞を書きます。
歌詞を優先するか、メロディを優先するかというのは作り手によって違うと思いますし、曲によっても違いますが、メロディの良さが損なわれない程度に歌詞を優先したとして、メロディが少し変わってしまうこともあります。
このメロディの変更によってアレンジが大きく変わることはまずないですが、曲によってはアレンジの微調整が必要になる場合があります。
歌詞が出来上がったら、メンバーと再びスタジオに入り、歌詞が乗った状態で歌ってみてアレンジがハマっているかを確認します。
ちなみに作詞の手順についても超オススメの方法があるのでまた追々ブログで書こうと思っています。
工程5
これにて一応の完成を見ますが、スタジオやライブで何度も演奏することによりバンド全体でのノリの出し方がわかってきたり、際立たせる部分がわかってきたりします。
何度も演奏することによって曲は少しずつ変わっていきます。
何ヶ月や何年と演奏してきた曲については、今一度アレンジを見直してみるというのも、曲の新たな一面が見えて面白いです。
スタジオで作るというやり方もある
3人組のバンドで活動していた頃はデモ音源を一人で作ったことはありませんでした。
バンドではベースボーカルを担当していたので、ベースのフレーズと歌のメロディだけを作って、スタジオで直接メンバーに聴かせて、ギターとドラムのイメージを口頭で伝えながらアレンジを作っていくという方法でした。
- 自宅にて一人でベースラインと歌のメロディを作る(メモ程度に録音)
- スタジオでメンバーにベースラインと歌を聴かせて、それに対応する各楽器のイメージを口頭で伝える
- スタジオでアレンジがまとまるまで何度もアイディアを出して、練っていく。アレンジ完成
- 後日歌詞を書く。歌詞が完成するとメロディが若干変わる(場合によってはアレンジも調整)
- 完成
デモ音源を作るとスタジオでの作業効率が圧倒的に違う
最初に書いた方法とこの方法の違いは、「各楽器の演奏が録音されているデモ音源を事前に作ってメンバーに聴いてもらっておく」か「メンバーに事前に聴かせずスタジオで直接ベースと歌だけを聴かせて、他の楽器は口頭で指示」という点。
後者の方がアレンジにおける各楽器のイメージがどこまでも広がっていく可能性はありますが、結局作曲者が頭の中で鳴っている音を事前に録音しておくか、口頭で伝えるかの違い。
後者の方が圧倒的にスタジオでの作業時間がかかるし、効率が悪いです。
ジャムセッション的にスタジオでメンバーと音を出し合って作っていくのならまた話は違いますが、あくまで曲の完成像(に近いもの)を作曲者が見えている状態で、それに近づける作業をするのならば、事前にそのヒントを多めにメンバーに伝えておいた方が作業はスムーズに進みます。
良いことばかりの「事前にデモ音源作曲法」だが、大変な面もある
バンド時代も事前にデモ音源を作っておけばよかったなと今になっては思いますが、事前にデモ音源を作っておくのは作曲者一人への負担がかなり大きいです*4。
この負担を減らしたい場合は「スタジオで作る」方法もアリかもしれません。
バンドの頃はメンバーに頼ってこの方法を採っていましたが、今はサポートメンバーにお願いしている身なので、スタジオでサクサク作業を進めるために「事前にデモ音源作曲法」を主に採用しています。
デモ音源の作り込み具合でスタジオでの作業が変わってくる
デモ音源を事前に作っておく作曲法はとてもオススメですが、注意点もあります。
それが「デモ音源をどこまで作り込んでおくか」。
デモ音源を作り込むことのメリットやデメリットについてまた次回の作曲理論記事で書こうと思います。