レストラン探しに多くの人が活用する「ぐるなび」ですが、飲食店向けにさまざまなセミナーも開催しています。
今、訪日外国人旅行者の来店が増えてうれしい反面、「英語が話せない!」「こんな時どうしたらいいの?」と悩むお店が急増中なのだとか。
ということで「ぐるなび大学」で開催されたのがアルクの「英語研修」です。3時間にわたる内容をダイジェストでお届けします!
*ページ一番下のレッスン風景の動画もぜひご覧ください。
アルクのおもてなし英語研修「SMILE!」とは?
今回「ぐるなび大学」で行われたのは、アルクが企業向けに開催するおもてなし英語研修「SMILE!」(スマイル)です。「SMILE!」は、接客で必要な5つのステップの頭文字です。
英語研修で使うのはこんな教材
教材として使うのは『SMILE!』というテキスト。今回は「レストラン編」ですが、ほかに「ホテル編」「ショップ編」があります。テキストに沿って、S→M→I→L→Eの順番にロールプレイ形式でレッスンが進みます。
今回参加された生徒さんは・・・
参加者は12人。寿司屋、お好み焼き屋、居酒屋、寺カフェ、など飲食店の店長さんやスタッフさん、それからブライダルインナーショップの方や秋葉原の為替両替所で働く方までさまざまでした。お店のジャンルは違っても、外国からのお客様を英語でおもてなししたい!という心意気は同じです。
英語研修前に生徒さんにインタビュー!
レッスンが始まる前に、生徒さんに意気込みを聞いてみました。
金融機関勤務 高橋さん
「私は秋葉原の外貨両替所の窓口で働いていて、外国人のお客様がたくさんいらっしゃるので参加しました。相手の言っていることはなんとなくわかるんですけれど、なんと答えたらいいのかわからないので、今日はそれを学びに来ました」
寺カフェ代官山 西村さん
「実は私、僧侶でして。普段は寺カフェで写経をされる方などのご対応をしているので、今はあまり英語を使う機会はないんです。でも、代官山という土地柄もあって、最近外国人のお客様が増えたなと思います。これからは一言でも二言でも英語を話して、来られた方にくつろいでもらえたら、と思って参加しました」
それではいよいよレッスンスタート!
4人1組でテーブルに座る生徒さんたち。Rowan先生が教室に入ってきました。
First of all, you should smile!
まずは、笑顔にならなきゃいけないよ!
OK... everyone can smile. You can stay here!
(教室を見回す)え〜と・・・、みんな笑顔になれたね。ここにいていいよ!
いきなり英語でレッスンがスタート。教室はシーン・・・。生徒さんたち、ちょっと固まってしまったようです。そこでおもむろに北島先生が登場し、日本語でのオープニング。ほっとした空気が流れました。
「今日は、英語と日本語で進めます。でも、できるだけ英語を使って帰ってくださいね。私たちが用意した教材だけではなく、みなさんが知りたいけどどこにも載っていない表現もたくさん持ち帰って、従業員の方々にもお伝えいただけたらと思います。では、OK, over to you!」。Rowan先生にバトンが戻されます。
“Some ニホンゴ OK, but please try to use English!” と、Rowan先生も念押し。そう、忙しい仕事の合間をぬってせっかく来たんです。いっぱい英語をしゃべって帰りましょう!
ゆっくりでもいいからはっきりと!
まずはお客様をお迎えする挨拶の練習です。生徒さん同士がペアになり、テキストの「Practice Conversations」でロールプレイをします。ここでRowan先生のアドバイスが入りました。
Slow is OK, but please speak clearly.
ゆっくりでもOK。でもはっきり話して。
スピードよりも、はっきり話すことがとても重要なのだそうです。
スモールトークって何?
挨拶をマスターしたら、次はお客様と「スモールトーク」でコミュニケーションを取り、距離を縮める練習です。では、「スモールトーク」ってどんなトーク?
Are you married?
結婚していますか?
これはダメ。「スモール」ではないですね。いきなりプライベートに踏み込み過ぎです。
Abenomics...
アベノミクスについて・・・
これもダメ。政治の話も「スモール」とは言えません。
生徒さんたちはA、B、Cのチームに分かれて「スモールトークに向くテーマ」をホワイトボードに書き出すエクササイズをしました。ホワイトボードには……
- Weather
- Ask their country
- Holiday
- First visit?
- TV program
- Child's year (age)
- Shopping
さすが接客のプロ。さまざまなアイデアが出されました。中にはドラえもんのイラストを描いたグループも。だれとでも楽しく話せるテーマで話すのが「スモールトーク」なのです。
「日本語が書いてあるTシャツを着ている外国人のお客さんが多いので、褒めてあげると盛り上がります」という体験談も出ました。Rowan先生曰く、“Your casual T-shirt is good!”で伝わるのだそう。お試しください!
注文の取り方を練習!
いよいよ、「接客英語」のキモとなる、注文の取り方を練習します。生徒さんはペアになり、店員さんとお客様のやりとりをロールプレイします。
店員:
ご注文はお決まりですか?
お客様:
A Bottle of white wine would be nice. What do you recommend?
白ワインがいいですね。何かおすすめはありますか?
店員:
The chardonnay is excellent.
シャルドネはおいしいですよ。
赤字の部分をいろいろな言葉に入れ替えて、お互いに注文を取り合います。何度も練習して、慣れてしまえば大丈夫!
熱気あふれる質問タイム
さて、レッスンも残すところあと少し。最後に質問タイムです。生徒のみなさんが普段、お店で困っていることを次々と先生にぶつけました。
Q.寿司屋をやっています。お客様に、アレルギーがあるか、召し上がれないものがあるかを先に質問したいのですが。
A. “Is there anything you can not eat?” と聞いてみてください。
Q.満席だったとき、「どのくらい待ちますか?」とよく聞かれるんです。どう答えたらよいでしょうか。
A. 満席でいつ空くかわからない、と正直にわかりやすくお伝えするのがよいでしょう。“I’m sorry we are full. I don’t know how long you have to wait.” で伝わると思います。
終わった感想を聞きました!
2時から5時まで、みっちり3時間の「SMILE!」レッスンを終えた生徒さんたち。たくさんのロールプレイをこなして、たくさん口を動かしたからなのか、表情が晴れやかになっていたような・・・。レッスン後に、生徒さんに感想を聞きました。
金融機関勤務 高橋さん
「テキストが充実していたので活かせそうです。世間話もできると会話が広がると感じたので、これからはスモールトークもしていきたいです。」
浅草つる次郎 浜田さん
「初めは『難しい授業になるのかなぁ』と感じましたが、教科書にない表現も学べてよかったです。お好み焼きのお店をやっていて、英語のメニューも用意してあるので注文を取ったりすることは問題ありませんが、一番盛り上がるのが、直接やりとりしたときだなと思っていて。これからもっと英語で会話したいです。」
笑顔の素敵な生徒さんばかりでしたが、今日磨きがかかった英語力も、明日からの「おもてなし」に存分に生かしてください。
お疲れさまでした!