中高生の読解力テスト、問題が悪いと思う。
ここ数日話題の、中高生の読解力不足問題。
僕の育ってきた環境では教科書も読めない中3なんていなかったけど、
僕が出会わなかったような底辺の中学校・高校ではそんなこともあるのかと思い、
「ふーんやべえじゃん」ぐらいに流していたんですが、
Twitterで流れてきたこのツイートを見て、
読解力テストが悪いのでは、と思ったので思うところを書きます。
このツイート中のこの問題。
9月23日付けの読売新聞より。
1.「輸出が伸び悩む中でも、和牛が人気の牛肉や、和食ブームを反映した緑茶や日本酒などは好調だ。」
という文と、
2.「輸出が伸び悩む中でも、和食ブームを反映した日本酒や緑茶、和牛が人気の牛肉などは好調だ。」
という2つの文の指す意味は同じかどうか、という問題。
答えは「同じ」らしい。
同じか?と思ってしまう僕は25%側の人間です。
そもそも文の意味がよくわからない
「和食ブームを反映した緑茶や日本酒などは好調だ。」という文。
「和食ブームを反映して、緑茶や日本酒などは好調だ。」なら通ります。
元の文だと、[和食ブームを反映した]が係るのは[緑茶や日本酒など]ということになり、
緑茶や日本酒はもともと和食のものなので、和食ブームを反映するというのは常識的に考えたら不思議な文章です。
また、「和牛」が特定のブランドを指す名前で、「国産牛」とは違うということをどれだけの人が知っているのだろうかとも思いました。
「和牛」=「国産牛」のことだと思っている中高生には、
「和牛で人気の牛肉が輸出で好調」という文章は難解になると思います。
というように、読解力以外の問題が含まれていると思います。
というか、2つの文は等価じゃないと思う
- 「輸出が伸び悩む中でも、和牛が人気の牛肉や、和食ブームを反映した緑茶や日本酒などは好調だ。」
- 「輸出が伸び悩む中でも、和食ブームを反映した日本酒や緑茶、和牛が人気の牛肉などは好調だ。」
2の文では、[和食ブームを反映した]のは[日本酒][緑茶][牛肉など]ということになるが、
1の文では、[和食ブームを反映した]のは[日本酒][緑茶]であって、
[牛肉]は和食ブーム以前から好調であるというふうに読み取れる。
ブームというのはにわか人気のことですから、
2つの文は”牛肉が好調な時期の長さ”という点で違うと言えるはずです。
なのに正解は「同じ」。
高校生は85%も正解(= 間違って)してしまっている。
日本総白痴化かな?それとも僕が別の世界線に来てしまったのか?というのは冗談で
僕の読解力に問題があるんだろうから、誰か教えてください。
ディスカッション
コメント一覧
和牛については私も知りませんでしたが、
問題が悪いというのは激しく同意します。
確かにおかしな問題ですね。
「あっこのアホはこういう意図で問題作っとるんやろうな」的な感じで「同じ」を選びましたね…
「和食ブームを反映した」のくだりのとこは、
日本酒や緑茶は確かに昔からあるけど、和食ブームは最近ですよね。(最近じゃなくても最近と仮定します)
で、和食ブームが来たところに、元々存在はしていたけどマーケティングはされていなかった日本酒や緑茶が、ブームにあやかる形で商品化(?)された。と解することができます。
つまり、和食ブームを反映していない日本酒や緑茶も存在していて、それらの輸出は好調じゃないんです。
和牛は…脳の片隅にあったけど完全に忘れてました。
そもそも議論を呼ぶ文を作るような人を問題製作者にしないでもらいたいですね…
「和食ブームを反映した日本酒や緑茶 / 和牛が人気の牛肉などは好調だ。」というふうに区切って考えれば、2の場合も和食ブームを反映したのは[日本酒][緑茶]というふうに読み取れる….
このへんは読み手のイメージの微妙な違いによってくるんじゃないですかね。
そもそも、この問題の文章が気持ち悪くて意味がわかりません。
これ、正しい日本語なのだろうか?と思ってしまう。