iPad Proの真骨頂。iOS 11で変わる「ラクに仕事をする」方法
脱PC生活を送って早数ヶ月になりました
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iPad Proの真骨頂。iOS 11で変わる「ラクに仕事をする」方法
iPad Pro 10.5で、脱PC生活を送って早数ヶ月になりました。弓月ひろみです。
先日、待ちに待ったiOS 11の配信が始まりました。iPhoneユーザーの間では、既にこの話題で持ちきりですが、iPadユーザーの皆さんはどうでしょうか。iPad Pro生活を推進してきた筆者が感じたことは、iOS11がリリースされたことで、iPadが「本当の完成形」を迎えた、これこそが真骨頂であるという確信でした。かなり使えますよ、iOS 11のiPad。新機能は色々ありますが、特に今日は「これで仕事が捗る」DockとSplit View/Over Viewについて紹介していきます。
Macライクな「Dock」が立ち上がる
まず、こちらが新しくなったiOS 11の画面。下からフリックするとMacライクな「Dock」が立ち上がります。ここに表示されるアプリは最大15個。Dockに追加したい時は、移動はiOSのいつもの動き=アイコン長押しで、アプリがぶるぶると震えたら、Dockに向かってドラッグ&ドロップするのみ。消す時は、ドラッグしたまま画面上部のほうに向かって移動させます。Dockは2つに別れており、右側の縦線で区切られたエリアが、アクティブなアプリのショートカット(緑枠の中)。左が、Dockに追加したアプリ本体(赤枠の中)。
右側のショートカットは、自分でコントロールできません。現在起動中の3つが自動選択されているからですね。このエリアのアプリは、移動モードで出る左上の「×」が「−」マークになっており、タップして終了できます。終了するとDockからも削除されますが、アプリ自体が消えることはありません。
対して、左側の13個はアプリ本体がDockに入った状態です。エイリアスではないので、消すとiPad全体から消えてしまいます。手が滑ると怖いことになるので、この点ご注意ください。
さて、ここからは、新しくなったDockとOver View/Split Viewについて。アプリをひとつ起動させた状態で、Dockから上にアプリを持っていくと、長方形のボックスに変形します。
ここで指を離すと、Over Viewになります。この状態で、2番目に開いたアプリの上部にあるバーを下へフリックさせると...
Split Viewになり、双方、並列してアクティブな状態に。この状態になると、それぞれのフレーム幅を自由に変更できるようになります。中央のバーをタップして左右にスライドさせ、お好みの幅でストップさせましょう。
ちなみに、アプリの中にはSlide Overできないものもあります。その場合、Dockから長方形でなく正方形になる仕様。
正方形に変形したアプリは、ドロップすると全画面でアプリが立ち上がるようになっています。
そして、発表時はイマイチ、ピンと来ていませんでしたが、使って感動したのが、データ移動の機能。分割表示された2つのアプリ間をドラッグ&ドロップさせることで、画像やテキストデータを、インポート・エクスポートする機能です。
つい2日前、リアルにこの機能をフル活用するシーンがありました。自分が主催しているイベントで、急に印刷物が必要になったのです。でも、作成に取れる時間は30分、手元あるのはiPad Pro。さぁどうする、といったところで、まずは、テンプレートから簡単にチラシや書類を作ることができる、Apple純正のアプリ Pagesを起動。そこに埋め込む情報として、右側にSafariを起動、チラシの元となる、同イベントの公式サイトを表示してみました。
左側、犬の写真が出ているのが、テンプレートの状態。ここに、右側のSafariの情報を入れていかねばなりません。
まずは、右のアプリから左のアプリへ、画像をドラッグ&ドロップ。次に、テキストも移動します。必要な部分をSafariからコピーして、ドラッグ。
たった数秒でチラシのベースができましたよ...!!あとは体裁を整えて、ネットプリントアプリに送り、コンビニで印刷して完成。アプリをマルチタスクで立ち上げたり、コピーペーストしたり、テキストデータをうろうろ探し回った過去が嘘のよう。
今回のようにネット画像を公的に引用できるケースは少ないかもしれませんが「自社サイトにある情報から資料を作る」「メールに届いた写真からプレゼンテーションを起こす」など、受領したデータを使って何かを作りたい時、大活躍間違いなし。とはいえ、この機能をフル活用できるアプリは、まだ少なめ。FacebookメッセンジャーやLINEから画像を移動できるようになると、もっと便利になると思いますが、しばらくはApple純正のアプリを使っていくのが良さそうです。
ブラウザ経由のデータアップロードも可能に
さらに、ビジネス目線で注目したい変化は、ブラウザ経由でのデータアップロードが可能になったこと。例えば、Safari経由でWordPressやブログの「ドラッグしてアップロード」に、Slide Overした「写真」アプリから直接、画像を見ながらのアップロードが出来るようになりました。大容量データを送る際に使われるfirestorageでも使えます。これは地味に嬉しい進化。
Macの「デスクトップを複製する」操作感に似ている
そして、最後に驚きの事実。実は、Split Viewのペアは、iPad上にいくつも作ることができるのです。Dockの下部分から、上に向かってスライドすると、コントロールセンターとマルチタスク画面がでてきますが、ここを観ると複数ペアが起動していることがわかりますよね。起動させる個数に、特に制限は設けられていないようなので、実質無制限に起動できます。(まぁ、そんなに並べてみたいアプリはないでしょうが...)例えばMacだと、デスクトップをいくつか複製し、その中に複数ウィンドウを並べ、必要に応じて左右に移動していきますが、あの感覚に非常に似ています。「やりかけた作業」をいくつも保管しておけるのは、仕事で使う上で大事ですし、かつ、iPadならではの起動の速さで、触ってすぐ作業の続きが出来るのはかなり便利。
iOS11前のiPadでは、Over View/Split View機能を使ってできることが限られており、単に分割したビューワーに過ぎない感がありましたが、データをシームレスに行き来できるようになったことで、まさに真骨頂!という感じに生まれ変わりました。なお、Dockに何のアプリを入れるかによって、アクセススピードも変わりますが、現時点でのマストなのは、Apple純正の書類作成系アプリ「Pages」「Numbers」「Keynote」「メモ」「写真」でしょうか。今後、さまざまなアプリが対応していくことに期待しています。
写真モデル : 旅作家とまこ
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