この研修がお薦めなわけ

相手の気持ちやニーズに合わせた援助のためには、まずは、相手の話を聴くこと、相手が「分かってもらえた」「聴いてもらいたいことを聴いてもらえた」と感じるような聴き方が必要でしょう。

対人援助に携わるその人だって、「話したいように話せる」「安心して話せて聴いてもらえる」ことで、こころの重荷を降ろせたり、「ひとりじゃない」と感じたり、「どうしたらいいか」に気づけたりします。

お互いそんなふうに話したり、聴いたりできたなら、それだけでずいぶん助けになるのではないでしょうか?! この研修で“フォーカシングの心得”とともに学びませんか?!

傾聴スキルアップ研修の特徴は

共感的に聴くにはどうしたらいいのかが、具体的にわかります。

聴きながら生じてくる「自分の反応」をどうしたらいいのかが、具体的にわかります。

「 おうむ返し」と揶揄されない聴き方がわかります。

「 ほんとうに安心して話せたなあ」と思ってもらえるような聴き方がわかります。

クライアントに自然と変化が起こるような聴き方がわかります。

「 ちゃんと聴いてもらえたなぁ」というクライアントの心地を、みずから体験できます。

話が深まる聴き方がわかります。

講 師: 日笠摩子 堀尾直美 (ファシリテーター 山本美保)
日 程: 2016 年10 月30 日(日) 11 月27 日(日)
     2017 年 1 月15 日(日)  2 月19 日(日)
時 間: 10:00 ~ 17:00
場 所: 創元社(大阪市中央区淡路町4-3-6)
定 員: 15 名
参加費: 50,000円(4 回通し申込)
     ※前半2 回もしくは後半2 回の申込も可― 各30,000 円
      (ただし後半のみの参加は、一定程度のフォーカシングとリスニングの経験者に限ります)

第1回(10/30) こころの声に耳を傾けよう―ガイドされてのフォーカシング体験
第2回(11/27) 相手のきもちを聴いてみよう―自分で進めるフォーカシングとリスニング
[一箇月お休み―実体験の課題]
第3回(1/15)   話し手に教えてもらう共感
第4回(2/19)   インタラクティヴ•フォーカシング/リスニング

日笠摩子

(ひかさ・まこ)

大正大学臨床心理学科教授。臨床心理士,The Focusing Institute認定コーディネータ。
東京大学大学院教育心理学博士課程での発達臨床、二松学舎大学での講師・学生相談室カウンセラーを経て、現在に至る。(株)日本・精神技術研究所でのフォーカシング指導も担当。

 30代で学生相談を始めることになってから泥縄式で、カウンセリングの傾聴を学びました。「感情の反射」を中心とするそこで学んだ基本は今でも大切にしていますが、下手をすると、うわべだけの機械的な技法に堕してしまいがちです。
 そんなとき、フォーカシングに出会いました。そして,故・村瀬孝雄先生にガイドしてもらってのフォーカシング体験をしました。そこで初めて「気づき」が起こり、ほっとして涙が流れる経験をしました。「共感的に理解されるとはこういうことか」「無条件の肯定的関心を向けられるとはこういうことか」と、実感しました。それからフォーカシングに「はまって」、はや23年です!
 また、フォーカシング・リスナーの訓練のなかで、「フォーカサーに(共感を)教えてもらう方法」に出会いました。この「楽に、丁寧に、促進的に」話し手に寄り添っていく聴き方が、私は大好きです。さまざまな対人援助職の人たちに、さらには広くコミュニケーションの基本として、一般の方々にもお伝えできたらと願っています。

堀尾直美

(ほりお・なおみ)

臨床心理士、The Focusing Institute認定コーディネーター。
大学学生相談室、精神科外来デイケア勤務などを経て、現在、(株)日本・精神技術研究所フォーカシング・トレーナー。桜美林大学大学院・東京都立北多摩看護専門学校非常勤講師。

 自分が臨床心理士になる養成課程では、時間をかけて傾聴のトレーニングをする機会はなかったように思います。ロジャーズの「カウンセラー側の中核三条件」は学びましたし、試行カウンセリングをおこない、体験過程スケールでクライアント側/セラピスト側双方の評定をする機会もありましたが、フォーカシングを学んでいなかったので、よくよくはわかっていなかったように思います。
 あるとき、集団でおこなうワークをしている状況で、私はそのワークの中心でした。コンダクターというかファシリテーターというか、そういう人がいて「ああしてみましょう」「こうしてみましょう」と言うのです。そのとき私は「どうしたいか、わたしに聞いて!」と思いました。傾聴がらみの、今でも強く心に残っているエピソードです。
 フォーカシングを学び始め、そのリスニング練習や自分が自分を聴くことを通して、「中核三条件って、具体的にはこういうことか」というのがわかり始め、さらに、後期ロジャーズの“共感”を体験的に理解できるようになりました。私は「自分が聴いてもらいたかったような聴き方ができるようになりたかったんだなあ」と思いました。
 現在は、フォーカシングとそのリスニングをお教えしたり、大学院教育のなかで、フォーカシングを通して傾聴について学びを深めていただく機会をいただいています。

山本美保

(やまもと・みほ)

臨床心理士、The Focusing Institute 認定トレーナー。
精神科外来、大学学生相談室カウンセラー、スクールカウンセラーなどを経て、現在はフォーカシングの普及に関わる。

 フォーカシングに出会って15年になります。自分の心の声に、フォーカシングの方法を用いながら耳を傾けることによって、初めて傾聴の意味を体験的に知ることができました。そして、傾聴にはいくつかの大切な心の態度があることも具体的に知りました。フォーカシングの魅力は、易しい、わかりやすい言葉が使われていること、そして未だ言葉にならないところにも耳を傾けてゆくことだと思います。
 全回を通じてファシリテーターとしてご一緒しますが、新たな気持ちでみなさまと共に傾聴のエッセンスを学んでゆけることを楽しみにしています!!