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美術館の超貴重な展示品、ミスで破損したらどうなる?実は珍しくない?

2017年9月25日 06時50分 (2017年9月26日 09時17分 更新)

 昨今、美術館の魅力が見直され、ブームになりつつあるという。主要な客層である中高年はもちろん、若い層でも展覧会に足を運ぶ人が増えてきており、ここ数年、日本の主要美術館の来館者数は高い水準で推移している。

 記憶に新しいところだと、東京都美術館(台東区)で昨年4月から5月にかけて開催された「生誕300年記念 若冲展」は、わずか1カ月で約45万人を集客。待ち時間は、なんと最長で320分にも及んだというから驚きだ。

 さて、人々が美術館に出向く大きな理由は、やはり貴重な美術品に出合えるからだろう。そんな貴重な作品の数々は当然、何者かが不用意に触れて傷つけてしまわないよう、厳重に管理されているはずである。ポルトガル・リスボンの国立古美術館では昨年、観光客が展示物の彫像をバックに“自撮り”を試みたところ、彫像と衝突し破壊してしまったそうだが、日本では考えにくいことだ。

 ただ、どんな展覧会にせよ、その美術品をスタッフたちが会場へ運び込まない限り、来場者たちの目に触れることはない。美術品を破損させてしまうリスクは、もしかすると展覧会の会期中より、むしろ準備中のほうが高まるのではないだろうか。

 こうした内情について、三重県立美術館(津市)で学芸員を務める貴家映子氏に話を伺った。

●美術品の展示作業中は危険と隣り合わせ?

「美術品の破損は基本的にあってはならないことですが、展示の準備中に古い漆が剥がれてしまったり、額装の木材加工が剥がれてしまったりといったことは、正直珍しくありません。

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