『ブレードランナー』と『ブレードランナー2049』の間をつなぐ短編の2本目が公開されました。
今回の短編は2049年の僅か一年前となる2048年を舞台に、デビッド・バウティスタ(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ)演じるレプリカント、サッパー(Sapper)にフォーカスしたものです。「2048: Nowhere to Run」(逃げ場なし)と題された今回の短編も、前回の「2036: NEXUS DAWN」に引き続きルーク・スコットが監督。
突然過去の思い出が蘇ってきたのでしょうか、顔を洗い、絡んでくる輩を無視してネオン輝く謙遜の中に歩いて行くサッパー。
どうやら仲良くしているらしい少女に『The Power and the Glory』(権力と栄光)という本を渡します。
サッパー「無法者の神父が人であることの意味を探す話さ」
少女「悲しい話じゃないよね」
サッパー「(警察の目を気にしながら)俺のお気に入りのひとつさ、君も気に入るよ。またね」
これは英国の小説家グレアム・グリーンによる本で、酒を飲み女性との間に子供を作ってしまう神父が、執拗に彼を追う警察から逃げれて生活をしていたが、神父をかくまう村人を警察に人質にとられる...というあらすじ。元居た場所から逃げ出し、人目を忍びながら生活を送るサッパーのキャラクターに重なるところがあります。
その後、商品を売りに「競争価格」と看板に書かれた店に行くサッパー。
店主「3000だ」
サッパー「3000じゃ線形動物の元も取れやしない」
店主「3000でも精一杯だ」
サッパー「前も俺から買ってくれたろ。栄養豊富なヤツメウナギは一級品だ、いつでも手に入るわけじゃないぜ。4000で頼むよ」
店主「嫌なら他に行ってくれてもいいぜ」
結局3000で取引する羽目に。
街に戻ると、女の子と母親が男達に乱暴されようとしているところに出くわし、サッパーは超人的な力を発揮します。刺されてもびくともせずに男達をやっつけていき、呆然とする母娘を前に、先ほどの売買取引の書類を忘れ、人混みの中に消えます。
その一部始終を目撃していた男は公衆電話で「あんたが探してるかもしれないスキンジョブを見つけたぜ」と電話。「スキンジョブ」は『ブレードランナー』でも使われている、レプリカントを軽蔑した言葉です。男は「住所もわかる」と言い雨の中へ...
『ブレードランナー2049』予告編に登場するサッパーは街から離れ孤独に生きているようですが、それ以前にはこんな生活をしていたわけですね。映画『ブレードランナー2049』の中ではどれだけ活躍するキャラクターか、まだなんとも言えないところですが、この短編を見てから映画を見ればサッパーのキャラクターに深みが感じられることでしょう。
『ブレードランナー2049』は10月27日公開。その前に公開されるもう一つの短編もどんな話になるのか楽しみですね。
Source: Twitter via io9
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