<独自>都民ファが「想定問答集」 議員の働き封じる懸念も
(都政 - 2017年8月24日 18時30分)
東京都の小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が、都議選後に初めて議会が開かれた8月8日、報道機関の取材に対する想定問答集を配布していたことがTOKYO MXの取材で分かりました。
都民ファーストの会に所属する議員によりますと、想定問答集は全ての議員が参加する総会で配られ、その場で回収されたといいます。想定問答集の中には『Q. 都民ファーストの会が取材規制をしているとの指摘をどう思うか? → A. 党内では明るく活発な議論があります。正しく情報発信するための方法です』といった内容が含まれていたといい、「いまのお気持ちは?という基本的な質問が10問ほどあったと記憶している」「議員経験者からすると当たり前の質問だった」といった証言も得られました。
公人である都議会議員の言葉を制限するかのような対応に、国際医療福祉大学教授で政治心理学者の川上和久さんは「議員の働きを封じる可能性がある」と指摘しています。川上さんは「結局、アドリブでしゃべるな、想定問答通りにしゃべれということ。そうすると都議会議員は何か聞かれた時に自分の頭で考え、自分の頭で答えることを封じられる。有権者に失礼な話で、場合によっては小池知事をチェックしようという議会の働き、議員の働きを封じるものに通じると思う」と指摘します。
このほか、都民ファーストの会が、報道機関の取材要請に対して都議が個人の判断で応じずに、党本部に窓口を一元化するよう求めていたことが分かりました。さらに、ブログなどに掲載する内容は党の公式見解に基づくものに限るよう通達したといいます。都民ファーストの会の幹部は「メディア対応の仕方は議員の基本。会社でも新入社員を研修するのと同じだ」としています。
これに対して川上さんは「都民ファーストの会は確かに新人が多い。新人議員だから余計な失言をされたら困るという懸念はあると思う。ただ、新人議員も自分で勉強をして自分の言葉で語って、有権者にこういう政治をしていると説明しなければならない立場にある。その立場はしっかり自覚してやってもらわないと困る」と指摘します。都民ファーストの議員からは「公人として自分の言葉で情報を伝えるべきだという指摘はその通り」という声も聞かれます。
都民の代表者である「都議」について、情報公開を掲げる最大会派・都民ファーストの会の対応が注目されています。