デビュー20周年および25周年の際はBUCK-TICKをリスペクトするアーティストを招いてライブイベント形式による公演が行われたが、今回のアニバーサリーライブは単独公演として実施。2日間で合計2万人が集まり、BUCK-TICKのパフォーマンスを見届けた。
「FLY SIDE」と銘打たれた初日は、初期のBUCK-TICKロゴやデビュー当時から現在までのアーティスト写真で構成されたオープニングムービーの上映でスタート。続いてメンバーが登場し櫻井敦司(Vo)が一礼したのを合図に、マーチングドラムが鳴り「STEPPERS -PARADE-」でライブが始まった。序盤から「PHYSICAL NEUROSE」「独壇場Beauty -R.I.P.-」「惡の華」といった楽曲が披露されるとオーディエンスは驚喜。その後は樋口豊(B)が奏でるアップライトベースの響きが印象的な「セレナーデ -愛しのアンブレラ-」、星野英彦(G)がリードギターを奏でるポップチューン「人魚 -mermaid-」、今井寿(G)の弾くエキゾチックなギターソロから始まる「Django!!! -眩惑のジャンゴ-」といったメンバー個々のプレイを見せるナンバーが続いた。
アンコールでは櫻井がメンバー紹介を行い、「30年も一緒に演れているメンバー。幸せです」と語る場面も。ダブルアンコールでは「FLY HIGH」がプレイされ、オーディエンスが大合唱を繰り広げた。美しい合唱に櫻井は「ありがとう、とってもいい声でした」と述べ、ラストナンバーの「DIABOLO」につなげた。
2日目の「HIGH SIDE」は「FLY HIGH」でスタート。続けて「Baby, I want you.」「真っ赤な夜-Bloody-」「THE SEASIDE STORY」「薔薇色の日々」など、初日には披露されていないナンバーがプレイされていった。前日とは異なるセットリストについて櫻井は、「今夜もみんなが気に入る曲があればいいね。かなりの曲数なので人に任せました」と発言。そんな言葉を経てセルフカバーアルバム「殺シノ調ベ This is NOT Greatest Hits」バージョンの「ORIENTAL LOVE STORY」を届け会場を熱狂させる。「スピード」では櫻井、今井、星野、樋口の4人が上手の花道に集まりパフォーマンスをするという、BUCK-TICKのライブではあまり見られない光景も見られ、観客は大興奮していた。
「DADA DISCO -G J T H B K H T D-」で始まった本編の後半戦は、櫻井が華麗に踊った「Cuba Libre」、サビで観客のシンガロングが起こった「CLIMAX TOGETHER」などで彩られ、「無題」で締めくくられるというBUCK-TICKらしい一筋縄ではいかない流れとなった。アンコールではパレードの終わりを告げるように「LOVE PARADE」が披露されるも、観客はダブルアンコールを求め5人をステージに呼び戻す。再びステージに登場したメンバーは「STEPPERS -PARADE-」「Alice in Wonder Underground 」といった軽快なナンバーでクライマックスへと突き進んだ。
ダブルアンコールのMCで櫻井は「昨日今日とお祝いをどうもありがとう」「30年前、ビクターの田中さんに声がけしてもらって人生が、バンドが変わりました。そして、大好きな音楽をこのメンバー5人で今までやってこれて幸せです。みんなの楽しそうな、そして儚そうな笑顔が素敵です。明日からも音楽と共に生きていけたらと思います」と改めてファンへの感謝の思いを伝え、新たな未来を約束するように「New World」を歌い上げた。
順番にメンバーがステージを降りる中、最後に残ったヤガミ・トール(Dr)は「まだまだやります!」と宣言。デビュー30周年という大きな節目を経てなお躍進していくことを力強く誓っていた。