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下位人気馬の食い込みが目立つ秋の短距離王決定戦

昨年は単勝9番人気のソルヴェイグが3着に入り、一昨年は1番人気に推されたストレイトガールが優勝したものの、2着が11番人気、3着が9番人気という順で決着。新潟競馬場で行われた2014年を含めて、8年連続で単勝8番人気以下の馬が3着以内に入っている。さらに、昨年はゴール前で馬群が一気に固まって、1着から15着までわずか0秒5の範囲内に収まる大激戦となった。今年も秋のスプリント王の座を巡って、熱く激しい戦いが見られることだろう。その一戦のデータを、新潟競馬場で行われた2014年を除く、過去10回の結果から見ていくことにしたい。

4歳と5歳が中心

対象とした過去10回の年齢別成績をチェックしてみると、4歳と5歳が好成績。6歳で優勝したのは2015年のストレイトガールで、7歳以上で優勝した2頭はいずれも海外からの遠征馬だった。また、3歳で優勝したのは、2007年に不良馬場を逃げ切ったアストンマーチャンだが、初秋の中山開催の最終週に移設された2000年以降を対象にしても、3歳馬の連対はアストンマーチャンの1例だけだ。〔表1〕

〔表1〕年齢別成績(2014年を除く過去10回)
年齢 成績 勝率 連対率 3着内率
3歳 1-0-2-10 7.7% 7.7% 23.1%
4歳 3-2-3-12 15.0% 25.0% 40.0%
5歳 3-6-4-36 6.1% 18.4% 26.5%
6歳 1-0-1-36 2.6% 2.6% 5.3%
7歳 1-2-0-24 3.7% 11.1% 11.1%
8歳以上 1-0-0-10 9.1% 9.1% 9.1%

単勝オッズ別成績に特徴あり

対象とした過去10回の単勝オッズ別成績を調べると、単勝「1.9倍以下」に支持された馬は3頭いたが、3着以内に入ったのは2013年の優勝馬ロードカナロアだけ。その他の2頭は共に4着以下に敗れている。それに対し、好成績を残しているのは「2.0~4.9倍」のエリアだ。なお、3着馬は対象とした10回全てで「10倍以上」の馬となっており、その中には単勝100倍以上の馬が2頭も含まれている。〔表2〕

〔表2〕単勝オッズ別成績(2014年を除く過去10回)
単勝オッズ 成績 勝率 連対率 3着内率
1.9倍以下 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
2.0~4.9倍 4-3-0-4 36.4% 63.6% 63.6%
5.0~9.9倍 2-4-0-18 8.3% 25.0% 25.0%
10.0~14.9倍 2-0-2-13 11.8% 11.8% 23.5%
15.0~19.9倍 0-0-2-14 0% 0% 12.5%
20.0~29.9倍 1-2-4-15 4.5% 13.6% 31.8%
30倍以上 0-1-2-62 0% 1.5% 4.6%

枠番別の成績もチェック

対象とした過去10回の枠番別成績をチェックしてみると、優勝馬10頭のうち9頭は4枠から外枠の馬で、3着馬は10頭中7頭が「1~3枠」の馬となっている。この辺りの傾向をフォーメーションに生かしてみる手はありそうだ。〔表3〕

〔表3〕枠番別成績(2014年を除く過去10回)
枠番 成績 勝率 連対率 3着内率
1枠 1-0-2-17 5.0% 5.0% 15.0%
2枠 0-3-3-14 0% 15.0% 30.0%
3枠 0-1-2-17 0% 5.0% 15.0%
4枠 2-1-0-17 10.0% 15.0% 15.0%
5枠 2-1-0-16 10.5% 15.8% 15.8%
6枠 0-0-1-19 0% 0% 5.0%
7枠 4-2-2-11 21.1% 31.6% 42.1%
8枠 1-2-0-17 5.0% 15.0% 15.0%

前走がGⅠだった馬はいまひとつ

対象とした過去10回の出走馬について前走のレース別成績を調べてみると、前走がGⅠだった馬は海外のレースを含めて計21頭いたが、3着以内に入ったのは安田記念から臨んだサクラゴスペル(2015年2着)と、高松宮記念以来の出走だったキンシャサノキセキ(2010年2着)・ミッキーアイル(2016年2着)の3頭だけ。連対馬の約半数はセントウルSに出走していた馬となっている。また、サマースプリントシリーズの対象レースである、北九州記念組とキーンランドC組も良好な成績となっている。〔表4〕

〔表4〕前走のレース別成績(2014年を除く過去10回)
前走のレース 成績 勝率 連対率 3着内率
高松宮記念・安田記念 0-3-0-11 0% 21.4% 21.4%
その他のGⅠ 0-0-0-7 0% 0% 0%
セントウルS 5-4-4-49 8.1% 14.5% 21.0%
その他のGⅡ 0-0-0-2 0% 0% 0%
北九州記念 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
キーンランドC 1-3-4-30 2.6% 10.5% 21.1%
その他の日本のGⅢ 1-0-1-15 5.9% 5.9% 11.8%
上記以外のレース 1-0-0-7 12.5% 12.5% 12.5%
  • 備考:「GⅠ」「GⅡ」には海外のレースを含む

コンビ継続の馬が好成績

対象とした過去10回の連対馬延べ20頭のうち、19頭は前走と同じ騎手が騎乗していた。乗り替わりで連対したのは、2007年1着のアストンマーチャンのみ(岩田康誠騎手→中舘英二騎手)。3着はちょうど半々となっているが、乗り替わりで臨んだ馬が苦戦しているのは興味深いデータと言えるかもしれない。〔表5〕

〔表5〕騎手別成績(2014年を除く過去10回)
騎手 成績 勝率 連対率 3着内率
前走と同じ騎手 9-10-5-75 9.1% 19.2% 24.2%
乗り替わり 1-0-5-53 1.7% 1.7% 10.2%

同年の出走数が5戦以上の馬に注目

対象とした過去10回のスプリンターズSでは、「同年の出走数が5戦以上で、1勝以上挙げていた」という馬が10頭連対している。ちなみに、該当する馬が連対していない2012年は優勝馬のロードカナロアが「4戦1勝」、2015年は単勝11番人気で2着に入ったサクラゴスペルが「4戦2勝」と、この条件に準じる成績を挙げていた。〔表6〕

〔表6〕同年の出走数が5戦以上で、1勝以上挙げていたスプリンターズS連対馬一覧(2014年を除く過去10回)
年度 着順 馬名 同年の成績
2006年 1着 テイクオーバーターゲット 7戦3勝
2007年 2着 サンアディユ 5戦2勝
2008年 1着 スリープレスナイト 5戦4勝
2着 キンシャサノキセキ 5戦1勝
2009年 1着 ローレルゲレイロ 5戦1勝
2010年 1着 ウルトラファンタジー 6戦2勝
2011年 1着 カレンチャン 5戦4勝
2着 パドトロワ 6戦3勝
2013年 2着 ハクサンムーン 5戦2勝
2016年 1着 レッドファルクス 5戦2勝
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2走前に1400m以上のレースを勝っていた馬が3連勝中

中山競馬場で行われた過去3回のスプリンターズSでは、「2走前に1400m以上のレースで1着だった」という馬が優勝している。ちなみに昨年は、出走馬の中でこれに該当する馬が2頭だけだったが、その2頭によるワンツー決着となった。〔表7〕

(浅野靖典)

〔表7〕優勝馬の2走前のレースと着順(2014年を除く過去3回)
年度 優勝馬 2走前のレース
2013年 ロードカナロア 安田記念 芝1600m 1着
2015年 ストレイトガール ヴィクトリアマイル 芝1600m 1着
2016年 レッドファルクス 欅S ダート1400m 1着

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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