突然ですが、「話の“さわり”だけ聞かせて」の“さわり”って下の①、②どちらの意味だと思いますか?
① 話の要点のこと
② 話の最初の部分のこと
正解は①の「話の要点のこと」です。
私は②の「最初の部分」だと思っていました…。
普段なにげなく使っている言葉が、実は違った意味だった!っていうのはよくあることです。
文化庁が9月21日に公表した「国語に関する世論調査(平成28年度)」において、本来の意味とは違うと捉え方をされている言葉や表現を発表しました。
「国語に関する世論調査」とは
「国語に関する世論調査」とは、文化庁が国語施策の参考のために、平成7年度から毎年実施している調査です。この調査では、敬語を中心とした言葉遣いやコミュニケーション、表現や慣用句の意味、使い方などについて調査しています。
平成28年度の調査では、今の時勢に即した「情報化の中でのコミュニケーション」という内容についても調査されていました。
調査対象は全国の16歳以上の男女で、調査対象数は約3,000~3,500人(年度によって変動)。調査時期はおよそ1~3月の間で行われます。
意味の間違い―どちらの意味だと思う?
※カッコ内の数値は、調査結果のパーセンテージです。太字の方が解答率の高い数字です。
※(◯)赤字が本来の正しい意味です。
さわり(例文:話のさわりだけ聞かせる。)
(◯)話などの要点のこと(36.1%)
(×)話などの最初の部分のこと(53.3%)
ぞっとしない(例文:今回の映画は、余りぞっとしないものだった。)
(◯)面白くない(22.8%)
(×)恐ろしくない(56.1%)
知恵熱(例文:知恵熱が出た。)
(◯)乳幼児期に突然起こることのある発熱(45.6%)
(×)深く考えたり頭を使ったりした後の発熱(40.2%)
言い方の間違い―どちらの言い方を使う?
「はっきりと言わない曖昧な言い方」を
(◯)「言葉を濁す」を使う(74.3%)
(×)「口を濁す」を使う(17.5%)
「卑劣なやり方で、失敗させられること」を
(◯)「足をすくわれる」を使う(26.3%)
(×)「足下をすくわれる」を使う(64.4%)
「存続するか滅亡するかの重大な局面」を
(◯)「存亡の機」を使う(6.6%)
(×)「存亡の危機」(83.0%)
まとめ
いかがですか? 結構勘違いして使っている言葉って多いのではないでしょうか。
時代とともに言葉は変化するので、本来の意味とは違った使い方でも、決して間違いとは言い切れないこともあるかと思います。
とはいえ、日本語を大切にするという意味でも、本来の正しい意味を疎かにしてはいけないのでないかと思います。