美しく健康的なお肌は誰もが憧れるものですよね。芸能人のような美肌は高級なスキンケアアイテムや特別なエステをしないと作れないと思っていませんか?もちろん良質なスキンケアをすることはお肌にとっても素晴らしいことです。しかし、高級な基礎化粧品やエステに行かなくてもきちんと自宅で正しいスキンケアをすることで美肌を目指すことはできます。
今回は美肌をつくるための簡単なスキンケア方法について解説します。
目指したい本当の美肌とは
あなたが目指したい美肌とはどのようなお肌のことでしょうか?
・白い肌
・シミやくすみのない肌
・キメの整った肌
・ニキビがない肌
などなど、「美肌」の基準は人によって違うのではないでしょうか?そして「今の自分の肌の気に入らないこと」を治すことだけに注目してしまっていませんか?
例えば、
「ニキビがあるから、それを治せば美肌になる」
「シミやそばかすが気になるから、消すことができれば美肌と言える」
「肌のたるみさえなくなれば美肌になれる」
などと、コンプレックスに感じていることを中心にお肌の悩みをお持ちの方が多いのではないでしょうか?しかし、自分の気になっている部分だけに目を向けてスキンケアをしていても、本当の美肌をつくることは難しいでしょう。気になる部分が解決しても、別の部分が気になってくるという繰り返しになってしまいます。
本当に美しい肌について、美容アドバイザーの佐伯チズさんは5つの原則を定義されています。
「う」うるおい
「な」なめらかさ
「は」ハリ
「た」弾力
「け」血色
引用:美肌革命(著 佐伯チズ)
今の肌悩みだけでなく、常にお肌にこれらの要素がしっかり備わっているかをチェックして適切なスキンケアをすることが美肌をつくるのです。お肌は本来、自らしっかりと健康に美しいお肌をつくる力を持っています。これまで、肌に良いと思ってしてきたスキンケアがもしかしたらお肌の自らの力を押さえつけてしまっていたかもしれません。肌トラブルや悩みは人それぞれ異なりますが、正しいスキンケアの方法と自分のお肌をしっかりと知ることで自分にあったスキンケアを見つけることができます。
本当の美肌のためには、目の前の悩みだけではなくお肌本来の力を取り戻すことが大切なのです。
美肌をつくる簡単なスキンケアの方法
普段のスキンケアアイテムを使って、より効果的にお肌を美しくする方法をここからはご紹介したいと思います。自分の肌にあったスキンケアアイテムを使うことと同じくらい、正しくスキンケアを行うことは大切です。これまで、自分流でスキンケアを行ってきてイマイチ効果を感じていないという方は是非取り入れてみてください。
クレンジング
クレンジングはメイクを落とすことが目的なので、メイクをした日だけ行うスキンケアです。クレンジング剤には様々な種類がありますが、基本的にはメイクの油性の汚れを落とすために強力な洗浄力のある界面活性剤を使用しています。メイクをしっかりと落とすことが美肌の基本ですから、クレンジングは必ず行いましょう。
しかし、洗浄力の強いクレンジングを使うとメイクだけでなく肌に必要な皮脂まで落としてしまう危険があります。肌のうるおいを守るためのクレンジングのポイントは3つあります。
①メイクの濃さに合わせたクレンジング剤を選ぶ
②メイクを落とすためにゴシゴシこすらない
③アイメイクなど濃い部分はあらかじめポイントメイクリムーバーで落としておく
リキッドファンデーションやウォータープルーフマスカラなどの落ちにくいメイクにはオイルクレンジングやリキッドクレンジングなどの洗浄力の強いクレンジングでしっかりとメイクを落としましょう。洗浄力の弱いクレンジングでメイクをしっかりと落とせなかったり、ゴシゴシこすってしまうとかえって肌に負担をかけてしまいます。
逆に、パウダーファンデーションやお粉だけのナチュラルメイクにはミルククレンジングやクリームクレンジングなどの洗浄力のマイルドなクレンジングがおすすめです。肌に余計な負担をかけないように、メイクの濃さに合わせてポイントメイクリムーバーを使用したりクレンジング剤を選んだりすることで肌のうるおいを最大限に守ることができます。
洗顔
洗顔は基本的に朝と夜の2回行います。乾燥肌や敏感肌で朝起きた時にお肌がカサカサしている場合は、朝の洗顔はぬるま湯で流すだけでも良いです。べたつきを感じる場合は、洗顔料を使って洗顔をしましょう。肌の状態は肌質だけではなく、毎日の生活習慣によって常に変化しています。お肌の状態を常にチェックしながら、必要なスキンケアを選ぶことを心がけましょう。
洗顔のポイントは、
①キメ細かい泡をたっぷり作ること
②肌に手や指が直接触れないように、優しく洗うこと
③長時間の洗顔は避け、30〜45秒ほどで洗い流すこと
④ぬるま湯(体温と同じくらい)で洗い流すこと
洗顔料を使った洗顔では、クレンジング同様「必要な皮脂を落とさない」ことがポイントになります。力を入れてゴシゴシこすってしまったり、熱湯で洗い流してしまったり、長時間洗顔料を肌に乗せてしまうことで肌に必要な皮脂を洗い流してしまう危険があります。洗顔のしすぎが乾燥肌や敏感肌、ニキビの原因となるケースはとても多いです。洗顔は少し物足りないくらいが丁度良いです。
肌に皮脂を残してあげることに注意して洗顔をしましょう。
化粧水
化粧水は肌の水分量を守るために使用します。ですから、お肌にしっかりと浸透させることがポイントです。どんな化粧水を使っていても、お肌の奥まできちんと浸透しなければ化粧水の意味がありませんよね。パタパタとパッティングするよりも、じっくりと時間をかけてお肌の奥まで化粧水を浸透させるように意識しましょう。
手で化粧水をつける場合は手のひらをパックのようにして、少し肌に圧をかけながら浸透させます。パッティングの衝撃で瞬間的に肌につけるよりも、じっくりと化粧水を押し込むイメージで行いましょう。また、しめらせたコットンに化粧水をたっぷりと含ませてコットンパックをするのも効果的です。コットンパックは徐々に水分が蒸発してしまうため、3分ほどでコットンをはがすようにしましょう。
また、特別な日の前日などにはコットンパックの上から鼻と口を避けてラップをのせることでサウナのような状態になり、より化粧水が浸透しやすくなります。化粧水はただつけるだけでなく「肌の奥までしっかり浸透させる」ことを意識しましょう。
美容液
美容液は美肌には欠かせないスキンケアアイテムです。エイジングケアや保湿、シミやそばかすの予防など自分にあった美容液を選びましょう。保湿にはヒアルロン酸やセラミド、抗酸化にはビタミンC誘導体が含まれたものがおすすめです。そして、美容液は化粧水でお肌を整えた後に使用します。美容液は有効成分が凝縮されているため、しっかりと製品ごとに決められた使用量を守るようにしましょう。
ポイントは化粧水と同様、しっかりと肌の奥まで成分を浸透させることです。お肌の気になる部分を中心に指の腹を使ってじっくり浸透させていきましょう。ただ単に肌にのせるだけではなく、毛穴の奥まで成分を押し込むイメージをもって美容液を使うと良いでしょう。
乳液・クリーム
乳液やクリームは、お肌の内側の水分や化粧水や美容液で補給した成分が蒸発するのを防ぐ役割があります。また、肌に不足している油分を補うという役割もあります。ニキビ肌やオイリー肌に悩んでいる方は、乳液やクリームの油分でニキビやオイリー肌が悪化してしまうと勘違いしてしまっていることがよくあります。
お肌は自らが水分と油分の量を調節する力を持っています。ニキビやオイリー肌を改善しようと過剰な洗顔をしたり、ケアをしすぎてしまうことで皮脂を落としすぎてしまい、それを補うために肌が皮脂を過剰に分泌してしまうのです。この悪循環から抜け出さなければ、ニキビ肌やオイリー肌の改善は難しいでしょう。
乳液やクリームで適度な油分をお肌に与えてあげることによって、皮脂の過剰な分泌を抑えてお肌をバランスの良い状態に保つことができます。べたつきが気になるという場合は、量を調節しながらしっかりと水分の蒸発を防ぎましょう。
日焼け止め
美肌を作るためには紫外線から肌を守ることが重要です。紫外線を受けると、シミやそばかすが作られやすくなり肌老化の大きな原因となってしまいます。日焼け止めを選ぶ際に、とにかく数値の高いものを選んでいませんか?日焼け止めにはSPFやPAといった数値がありますが、高ければ高いほど紫外線をよりカットしてお肌を守ってくれる気がしますよね。しかし、常に数値の高いものを使えば良いというわけではありません。
数値が高いということは、それだけ紫外線を吸収する力を持っているため肌に優しいとは言えません。吸収剤が強ければ強いほど、肌に負担がかかったりアレルギーが起こる可能性があります。必要以上に強い日焼け止めを使うことで、日焼けを防ぐことはできてもお肌に悪影響を与えてしまいます。ですから、アウトドアやスポーツなどで紫外線を多く浴びる日と通勤や通学の時間だけ少し紫外線を浴びる日では日焼け止めを使い分ける必要があります。
普段、少しの外出をする程度なら〈SPF20~30〉〈PA++〉くらいの日焼け止めで十分です。また、日焼け止めは朝塗れば効果がずっと持続すると思っていませんか?実は日焼け止めの効果は数時間で薄れてしまう可能性があるのです。ですから、紫外線をしっかりと防止するポイントは「日焼け止めをこまめに塗りなおすこと」です。
3時間に1度塗り直すのが理想ですが、難しい方は紫外線をカットするパウダーファンデーションなどを使用してこまめに日焼け対策をしましょう。
出典:http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_pdf/full.pdf
美肌をつくる生活習慣3つのポイント
美肌をつくるためには、スキンケアはもちろん毎日の生活習慣を整える必要があります。肌は身体の一部。内側からのケアをしっかりと行うことで、肌の土台部分から美肌をつくることができます。
美肌のために気をつけたい生活習慣は大きく分けて3つあります。
①食事
②睡眠
③ストレス解消
スキンケアに加えて、体全体を整えることでお肌だけでなく体も健康で美しくなります。スキンケアはしっかりできているのにお肌の調子が良くないと感じている方は内側からのケアをこころがけてみましょう。
①栄養バランスのとれた食事
肌も体と同じように、食べたものから作られます。しっかりと栄養のバランスがとれた食事を摂ることは、健康なお肌を内側から作る近道です。1日や2日で効果が出るものではありませんが、応急処置的なスキンケアではなく将来のお肌を美しく若々しく保つための根本的なケアを意識しましょう。乾燥やニキビなど、悩みや目的ごとに効果的な食べ物や栄養素は変わってきます。
今回は、どんな肌質の方でも毎日意識的に栄養を摂取できるように、簡単に3つの食材に絞って解説します。
①良質な油
②野菜や果物のビタミン
③肉や魚のタンパク質
①良質な油
油と聞くと、お肌にとって悪いイメージが強いですが「良い油」をとることはお肌のうるおいに欠かせません。逆に「悪い油」はお肌を酸化させ、肌老化を進めてしまうため、「良い油」と「悪い油」を見極めることが大切です。良い油とは、主に魚から摂取できる油や亜麻仁油、ココナッツオイル、えごま油など自然の食材に含まれる油のことです。
悪い油は、マーガリンやジャンクフード、スナック菓子や揚げ物に使用される油などです。毎日の食事において欠かせない油ですが、なるべく肌や体に良い油を摂取したいですね。
参考URL:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/100910_3.pdf
②野菜や果物のビタミン
ビタミンは美肌に欠かせない栄養素です。野菜や果物には様々な栄養素が含まれていますが、ビタミンCを摂取することでシミやそばかすの予防やアンチエイジング、コラーゲンの生成などお肌にとって嬉しい効果がたくさんあります。
ビタミンCが多く含まれる食材は主に、パプリカやブロッコリー、キウイ、ゴーヤ、豆苗、ピーマンなどです。野菜や果物は「生」のまま食べることをおすすめします。食材にもよりますが、加熱することで栄養素が逃げてしまうものが多いためなるべく生野菜や生の果物を食べるようにしましょう。
③肉や魚のタンパク質
タンパク質は肌だけでなく体の細胞を作る重要な栄養素です。タンパク質を摂取することで、コラーゲンをつくる元にもなります。お肉は油が多くお肌に良くないイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、良質なお肉にはタンパク質が豊富に含まれているため、お肉は美肌をつくってくれる食べ物です。また、魚にはタンパク質はもちろん良質な油も含まれているので、お肌にとってとても良い食材といえます。お肉や魚以外にも大豆などの豆製品などにもタンパク質は多く含まれています。
これらの食材は毎日の食事の中でも取り入れやすいものですから、積極的にタンパク質を摂るようにしましょう。
最近では肌に良い栄養素や美肌を作る食べ物など、様々な情報を耳にすることが多いです。しかし、どんな食材も適量を摂ることが大切です。栄養があるからといって偏った食事をしていては意味がありません。あくまでも、様々な栄養をバランスよく摂ることが大切だということを忘れないでいてください。
②良質な睡眠
お肌は常に古い細胞が剥がれては新しい細胞が生まれてを繰り返しています。お肌が生まれ変わることをターンオーバーと言いますが、ターンオーバーにとって欠かせないのが「睡眠」です。ターンオーバーは睡眠によって行われているのです。よく「午後10時〜午前2時の間に寝ましょう」といわれているお肌のゴールデンタイムは、ターンオーバーを正常に行うためのものです。しかし、ただ寝るだけで良いというわけではなく「良質な睡眠」が重要になります。
ここで言う良質な睡眠とは「深くぐっすり眠ること」を差します。ゴールデンタイムに睡眠をとることが難しいという方でも、しっかり睡眠の質を高める工夫をすることで良質な睡眠をすることができます。
睡眠の質を高めるポイントはいくつかあります。
・部屋を暗くして寝る
・寝る前はテレビやスマホの画面を見ない
・入浴で体を温めてリラックスする
・音楽やアロマなどでリラックスできる環境をつくる
これらの方法以外にも、自分の心と体をなるべくリラックスさせて落ち着かせられる環境を作っておくことで、睡眠の質を高めることができます。毎日、ぐっすり眠れないという方は是非試してみてください。
③ストレスを溜めない・ストレス解消する
ストレスを溜めてしまうことでお肌に悪影響を与えてしまいます。一見、お肌には関係のなさそうなストレスですが、ストレスを感じることで体内に活性酸素を大量に発生させてしまいます。活性酸素は肌の老化を進めてしまうため、シミやたるみなどの多くの肌トラブルの原因となってしまいます。
また、ストレスはホルモンバランスを崩してしまう原因にもなります。ストレスを溜め込んでしまうことで、皮脂の過剰な分泌やニキビの原因となってしまうのです。しかし、現代社会においてストレスを感じずに生活するということは難しいです。ストレスを感じないようにするのではなく、こまめにストレスを解消・発散させて溜め込まないことが大切です。ストレスを発散させるには、自分のリラックスできることや熱中できる趣味などを利用しましょう。
主に「カラオケで歌う」「運動をする」「ゆっくり読書をする」などが良く挙げられますが、無理やりしても逆にストレスを溜めてしまうことになります。自分にとってのストレス発散方法を見つけて、ストレスを溜め込まないようにすることで美肌をつくるだけでなく毎日の生活が楽しく明るく感じられるはずです。
さいごに
美肌をつくるためのスキンケアについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?美肌はすぐに作れるものではありませんが、毎日のスキンケアや生活習慣を少しずつ整えていくことで5年後、10年後のお肌は確実に変わってきます。その場限りのスキンケアではなく、長い時間をかけてじっくり美しいお肌を作って行くという意識をもってみると楽な気持ちで美肌作りを続けられるはずです。
今回ご紹介したスキンケアや生活習慣は、特別なことはひとつもありません。是非今日からのスキンケアにひとつでも取り入れてみてくださいね。
美しく健康なお肌をつくっていきましょう。