書いている内にすごく長くなっちゃいました
2017年夏アニメで「小説家になろう」発でアニメ化された作品は下記のような作品がある
(※ 2017年夏アニメの一つである『ゲーマーズ!』も「なろう」ではない別のところとは言えWeb小説発とも言える作品になるが、継続してWebで執筆が続けられた作品ではないし、ここでは分かった上で除外してしましたと、一応ツッコまれない程度の知識を開陳しておく)
『異世界食堂』は連作短編作品なので、1クールアニメで構成する上では非常に楽な作品だっただろう。
連作短編でアニメにはなっていないエピソードもまだ多く残っていて、登場していないキャラクターもまだまだ多い。
原作の方でも「常連」と言われるようなキャラはまだ他にもいて、アニメではその全員が登場したわけでもない。
この辺りの判断は監督が判断してエピソードを絞り、アニメで放送する上で必要最低限のキャラのエピソードをチョイスしたのだろう。
常連キャラには中堅・ベテランの声優を配して、複数話に登場するようにして、うまくバランスを取ったシリーズ構成で物語を仕上げたと思う。
ちなみにキチンとアニメを観ていた人は気付いたかと思うが、アニメ監督がシリーズ構成と脚本も兼ねて担当し、かつ全12話の脚本も執筆された作品でもある。
なので他の作品ではたまにあることだが、OPやEDには登場しているが、アニメでは登場しなかったみたいなキャラクターがなかった理由の一つにもなっているかと考えている。
『異世界食堂』はニコニコでは動画での一週間無料公開なく有料で、無料はニコニコ生放送のみの配信となってしまったが、毎回アンケートでは90%以上の高いアベレージの高評価を保ち、最終回は97.0%の高評価で終りました。
高評価だったので円盤が売れる……と短絡的にイコールにはならないこともありますが、評価が売上にも繋がることを期待したいと思います。
『ナイツ&マジック』は長編作品になるが、今回のアニメ化に際して物語というか、小説的な描写にかなりの圧縮を施されたかと思う。
大原さやかによるナレーションにより、幻晶騎士(シルエットナイト)の細かい製作過程や、敵国との関係や動き、アニメで描くと面倒が色々なところが必要最低限に圧縮されて視聴者に提供されたと思う。
原作とストーリーの違いが見られるところも少しあったが、ほぼ大筋は変わらないし、1クール全13話で切りのよいところでまとめるとなると、こういう形になるかと思われる。
シリーズ構成であるベテランの横手美智子の手腕が大きく影響したのではないかと。
これを書いているのは最終回放映当日。最終話はかなりガンダムを意識したところが多く、オマージュ要素を読み解くのが楽しいエピソードでした。
幻晶騎士の3DCGによる戦闘シーンの描写は、マクロスやアクエリオンなどで慣れた「サテライト」によるものなので、なかなかの迫力のある仕上がりだったと思う。
1クールのアニメ作品としては悪くなく、むしろ良作以上の出来になっているので、これも円盤が売れて欲しい作品だと思っています。
……で問題の『異世界はスマートフォンとともに。』になりますが、自分は放送前からこの作品は1クールにまとめるにはかなり難しい作品だと思っていました。
そもそも原作がかなりの大長編の作品で、「なろう」の方の原作では大きな区切りとなるところはありますが、HJノベルスから出た今月発売お最新10巻の方でもそこまで達していません。
仮に今のアニメ放映のペースで(自分が切りがよいと思っているところの)区切りまで持っていくとなると、もう+1クールでも多分足りず、+2クールの全36話分ぐらいは必要になるんじゃないかと思っています。
なのでストーリー的には半端なところで終わるかと思われる作品ですが、そういう意味合いも込めて、出来として考えると余り上手な作品ではないと思います。
そもそもの問題として大長編の作品を1クールにまとめる困難さがあると思います。
とりあえずはアニメ『異世界はスマートフォンとともに。』の出来を論ずるよりは、今回のこの問題を抱えている可能性のある作品にも言及した方が建設的なのではないかと思います。
今後「なろう」発のアニメ化が予告されている作品がいくつか発表になっています。
自分が知らないだけで他にもアニメ化が公表されている作品があるかもしれませんが、とりあえずこの四作品を並べました。
(※ 2017年末に何か発表予定のある『ありふれた職業で世界最強』も、アニメ化されるのかもしれません)
(※ 二期製作決定が発表されている『オーバーロード』は既にアニメ化されたということで外しました)
『異世界居酒屋「のぶ」』は、同じ系統の『異世界食堂』が好評だっただけに、比べられる後発の苦しさのようなものがあるかもしれません。
ただ同系統、つまり連作短編なので、ストーリーを1クールにまとめるのならば比較的楽な作品になるかと思います。
自分としては問題作だと考えているのは、『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』です。
正直言ってストーリー構成の面から考えると、『異世界はスマートフォンとともに。』と同じような問題を抱えていると思います。
つまり1クールにまとめるのなら着地点は中途半端。かと言って、2クールでも全く足りない。
仮に4クールやっても終わらないんじゃないかとか思うほどすごく長いし、区切りの難しい作品です。
明確な区切りという点では「なろう」の方のオリジナルを読んだ限りは、『異世界はスマートフォンとともに。』よりも今のところはハッキリしてなく、大筋のストーリーをずっと継続している感じです。
主人公の目的の一つが「この異世界を観光したい」なので、ある意味で終わりのないロードムービーをずっと続けている作品という側面があるかもしれません。
その為、区切りという観点から考えると、主人公の行動や目的が終わりのある明確ではないので、それが区切りの邪魔をしていると思います。
『盾の勇者の成り上がり』はもしかすると1クールなら、そこそこまとまる可能性はあるような気がします。
書籍版の4巻〈ISBN:9784040663210〉、コミックスの8巻〈ISBN:9784040691541〉までを区切りと考えると、1クールの尺に収まるようにストーリー構成することはそこまでは難しくないかも知れません。
俯瞰的にストーリーをなぞると要所要所で強敵が登場するので、うまく区切っていけば、1クールでも二期に繋げるようなストーリー展開も可能な物語だと思います。
そして変な意味でネット上ではネタ枠扱いもされている『賢者の孫』ですが、凄く強引にストーリーを圧縮してまとめれば1クールで完結しちゃう可能性があるような気がします(笑)。
自分が読んだ限りは「なろう」の方の原作もまだ完結していませんが、ラスボス戦は近いので、それさえ終わればストーリー的には完結してもおかしくはないかと思います。
作品的にキャラはそれほど多くなく、作中の(強くなる為の成長要素を加える為の旅的な)移動も多くないし、最初から強い無双系の主人公で、ストーリーもシンプルな感じなので、もしかすると構成次第では1クールで強引に圧縮してまとめることも可能ではないかと思いますが、『賢者の孫』という作品を知っている方々はどう考えますか?と問いたいところ。
良い意味で言えばあっさり、悪い意味で言えば薄っぺらい物語の作品……と言っちゃうかもしれないので、もしかしたらアニメオリジナルな大きな改変を入れたりする作品に仕上がる可能性もあるかもしれないと書いておけば、もし当たらったら予想的中とちょっと自慢できるかもしれないので続く駄文。
……でここまではあくまでも前提で、ある意味やっと本題に入ることになります。
自分が問題視した大長編の『異世界はスマートフォンとともに。』と『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』がなぜ1クールアニメとしてまとめるのが難しいのか、その問題を少し考えたいと思います。
自分の意見になりますが、主人公が最初から無双できるぐらいに異常に強いことが問題じゃないかと思っています。
なぜかと言うと、登場する敵よりも主人公の方が強いので、多少の強敵を撃退することが物語の区切りになりづらく、物語そのものの盛り上がりになっていないというストーリーの構造的な弱点になっているのです。
主人公が多少の苦労するぐらいのてこずりでは、命の危機に追い詰めらるほどの切迫感がないので、主人公の成長を余り感じず、物語の区切りにもならないのではないかと考えます。
『異世界はスマートフォンとともに。』と『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』では、自分が読んだ範囲になりますが、自分と同格以上の強敵と相対するようなことがありません。
多少てこずることはありますが、ちょっと別の手札を使えばあっさり解決みたいなパターンが多いと思います。
「なろう」の異世界での無双パターンで、「無限収納(四次元ポケット系)」「レベルMAX(もしくはレベル上限なし)」「瞬間移動(転移・どこでもドア系)」「鑑定&スキル学習(能力と魔法)」「トンデモ錬金」(強さには直接は繋がらないが「和食ではなく日本での食知識による無双」も定番の一つ)あたりの能力が定番ですが、これらの能力を複数持っていると強さに限界がないので、ドンドン強くなっていきます。
特に『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』は多分書籍版の12巻以降ぐらいから主人公の強さ(というか正確には能力)も極まってくる設定になってしまい、『ドラゴンボール』で言えばパターン化した展開である、悟空は仲間が強敵と戦っている間は別のところにいるので遅れて登場するということが多々ありましたが、この作品でもそれを踏襲というはおかしいですが、そんなパターンを何回かやっています。
主人公は転移能力を持っているので、ある意味ではすぐに仲間のいる現場に来れるのだが、その辺りをどうにか回避、もしくは遅延させる為に、色々な状況を作り出すのに苦労している描写が垣間見れます。
穿った読み方をしたい方は、その辺りの描写を見つけて楽しむという変な方法があることを記しておきます。
話が飛びそうになったので閑話休題。
例を挙げて考えると、「なろう」発のアニメ作品である『Re:ゼロから始める異世界生活』は物語全体で考えると、中盤に「王選」という主軸となりそうなストーリーが提示されましたが、アニメのストーリーの終わり方を考えると、「王選」には結局のところ多少の同盟的な繋がりと、主人公の意思を味方と敵に認めさせるぐらいのことしか目的としては達していないと思います。
ただしストーリーの抑揚というか、物語の浮き沈みから見ると、主人公は中盤に絶望のどん底に落ちるが、そこから這い上がって復活し、そして強大な敵を倒してヒロインを救ったことで、根幹のストーリーは余り進んでいないが、主人公の大きな成長をみせたところで終わったので、印象的には凄く区切りの良いところで終わった感じのアニメ作品になったかと思います。
まあ1クールではなく、2クールというそれなりの尺を使ったことも大きいと思いますが、物語にキチンとした起伏があるからこその区切りとなったと思います。
つまり自分と同格以上の強敵、中ボス、ラスボスを倒すようなシチュエーションを作り出していない作品は、区切りがないように感じると思います。
ひと昔前だと、原作ありのアニメ化作品の中にはたまに、1クール枠の終盤に原作にはないアニメオリジナルの強敵が出現し、それを倒して終わりを飾る作品が結構あったかと。
しかし継続連載している「なろう」の作品だと、アニメオリジナルのラスボスキャラが登場するような事態は、話に齟齬が出来る為かそういう展開に持っていくことを避けている傾向を感じます。
その辺りが足枷になっているし、原作の物語の展開を兼ねて考えると、そういう展開にもできないジレンマかもしれません。
ここで視点を少し変えて、原作が完結している「なろう」系の作品ならアニメ化は可能か?という問題も提示したいと思います。
「なろう」発の作品で、アニメ化が発表されておらず、かつ書籍版が100万部以上売れている作品で自分が知っている範囲では二作品あります。
アニメ化した上でシリーズ累計100万部以上売れればヒット作品と呼べる言われる世界(異論はあるかと思いますが一つの分かりやすい基準として)。
二作品ともに文庫ではなく、単価の高いソフトカバーで出版されている作品で、まだアニメ化していないのにも関わらず、現時点でこれだけの売上を誇っています。
これだけの売上を誇っていればアニメ化の噂も聞こえてくるかと思いますが、2017年秋の時点ではまだそれらしい話は入ってきません。
その理由は今までここで考察している通り、1クール枠では中途半端なところまでしか描けない問題を抱えているからではないかと思われます。
もしもの話ですが、仮に2クール枠を用意できたとしても、書籍版の方はまだまだ出版が続いていますが、オリジナルであるなろう版はストーリーが完結している作品です。
これだけの売上を誇っているのなら、アニメ化ブーストもかかり更に売上は倍増し、ラストまでのアニメ化を期待するファンも多くなると思います。
ソフトカバーの書籍版だと20巻ぐらいにはなるかと思われる大長編なので、ファンが多くなればなるほど、更にアニメ化した上での目指す先がかなり高い場所になっているジレンマがあるのかもしれません。
この二作品のストーリーを俯瞰すると、自分の考察になりますが、『転生したらスライムだった件』より『無職転生』の方がアニメ化のハードルが高い気がします。
これはネタバレに近いところに触れますが、『無職転生』のエンディングはよくあるパターンのラスボスを撃破してのエンディング……という感じでは終わっていないからです。
もしかすると書籍化にあたり、この辺りに大きく手を入れて修正する可能性は高いかもしれません。
それを別に考えても、前半はかなり波乱万丈なストーリーになっているので、キチンとストーリーの区切りの良いところはどこだろうと考えると意外と難しいので、ストーリー構成を結構練らないとアニメ化するにはかなり高いハードルがあると思います。
『転生したらスライムだった件』の方は書籍化に際して、オリジナルであるなろう版には登場していない新しい中ボス級の敵が登場し、大きく違っているところが。
かなり設定が変わっているキャラもあるので、その辺りのストーリー全体の構成の見通しが立たない限りは、アニメ化は難しいのではないかと思っています。
逆に言えば2クール枠が用意できるなら、そこそこ切りの良いところである、書籍版である6巻か7巻(もしかしたら10巻の可能性も)あたりまで、アニメ化するようなプロジェクトが動いていたりするかもしれません(いい加減な期待値を込めた予想です)。
編集の手が入らず自由に書かれた「なろう」の大長編作品は、アニメ化する上ではかなり難しいものが多いのかも。まだ文章あるが文字数限界?以下略――
無双展開で
長いってレベルじゃねえぞ
オタクの文章は、読ませる気がない
増田とかいう便所の落書きみたいな場所とはいえ こうも身も蓋もない長文を開陳するにまでなると特殊性癖よな。