中華人民共和国の国民(要するに「中国人」)の中にも漢民族以外に、チベット人(族)やウイグル人(族)、朝鮮人(族)など数多くの少数民族もいる。
なお、中国では「民族」を「○○族」と表現するのが通例である。
チベット族も「中国人」であるし、モンゴル族も「中国人」である。
圧倒的多数派の漢民族も「漢族」と称し、朝鮮人は「朝鮮族」、モンゴル人は「蒙古族」と表現しているわけである。
多民族国家アメリカの中にも、黒人(アフリカ系)もいれば中国系もいるし、日系、先住民族(インディアン)、ユダヤ人などもいるわけであり、彼らはアメリカ国籍を持つアメリカ人である。
韓国からアメリカに移住してアメリカ国籍を取得し、アメリカに永住することになった人たちおよびその子孫は「韓国系アメリカ人(もしくは在米韓国人)」と呼ぶわけである。
日本という国の国籍をもつ人たち、つまり日本国民の中に多様な民族集団がいることは事実であり、現実なのである。
日本には多数派の人たち、つまりいわゆる和人以外に、日本国に一方的に編入されたアイヌや沖縄、もと植民地だった韓国・朝鮮・台湾にルーツを持つ人たち、その他、世界各地から移り住んだ人たちがいるわけで、人数の多い少ないに関係なく、ともかく多様なルーツを持つ人たちがいるのである。
日本にいるアイヌの人たちは、全員日本の国籍を持つ日本国民なのである。
(ただし、たとえばアメリカに移住したアイヌもしくはその子孫が日本に住んでいる、という状況も一応ありえるが、非常にまれな例であろう。
)
日本国民という言葉は「日本人」という言葉とほぼイコールに使われるので、アイヌも「日本人」ということになるのである。
(ただし異論もある。)
そういう意味で、「アイヌ系日本人」という言い方も存在するのである。