ニコニコニュースで、2つの真逆のニュースが載ってた。
東大生すら活躍できない現在からどうやって、それよりも能力の劣る人間たちが活躍できる社会なんか実現できるというのだ…。
安倍政権に突きつけたい労働格差の話
なにも1つのケースを持ちだして感情論を喚き立てようと言うわけではない。元々若者の活躍の話は減っていて、全年齢の失業率と若者のそれの差はドンドン開いている。
大学を卒業してもおおよそ11人に1人ぐらいは失業している。
最近の若者はクラスにだいたい3人、高校や大規模な中学校なら学年で30人前後は同級生が失業してる。
それでもまだ、「働いてちゃんと収入が得られている」「働くことで身元や生活が保証される」ならまだいい。
でも、実際のところ正社員で働いている人の割合は年々減っている。
データで見るとこんな感じだ。
よしんば非正規だとしても賃金が同じぐらいまたは保証がキッチリしていればいいけど…現状はそうでもないらしい。
(同上)
こっちは更に酷いぞ!
安倍政権は「1億総活躍社会」は時代に逆行しているね。(もう少し言えば、小泉・第一次安倍政権自体が格差を広げたり、活躍する人を限るような空気を作ってきた人わけだし…)
それどころか、もっとしたり顔に、安部首相はこんな政策を掲げている。
安倍首相によれば、アベノミクス第2ステージの“新3本の矢”は「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」だという。具体的な目標としては、「GDP600兆円」「希望出生率1.8の実現」「介護離職ゼロ」「待機児童ゼロ」などを提示。これらを総括して「1億総活躍社会」とし、実現に向けて、10月上旬に行われる内閣改造では、担当大臣を置く予定だという。
介護離職0って…。政治家なのにデータも見てないし、民間企業の経験者なのに、離職率の意味もわかってないのかな?
離職0がある程度ないとかえって会社がぬるま湯すぎて経営が不健全か、社会が離職や転職を過度に批判している状態だから、かえって良くないんだよなぁ…。
希望出生率1.8人というのも…まぁ「希望かよ!」って話さ。
若者がガッツリ失業している・合わない人には合わない状態で時代に「希望(願望?理想?)」だけ持っても、誰が産んで育てるのさ?
実現する・しない以前に「本当に現状に見合った目標なのか?」という感想しか持てず、安倍氏が意気揚々と目標を掲げれば掲げるほどに「この人がやりたいのは現実的な結果の達成ではなく、オリンピック前の日本の成長期っぽい振る舞い…つまりは高度成長期ごっこなんだろうな」と萎えていくわけだ。
美意識とかセンスのレベルで共感できない人間の気分の盛り上がりは、蚊帳の外におかれた人間はそれが正しいか間違ってるか以前の問題として「キモい」という拒絶反応がどうしても出てしまう…。
それは僕だけのことなのだろうか?
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もし、一億総活躍社会を掲げるなら多様性とやり直しを認めようよ…
安部首相が目標を掲げたニュースともう一つ、東大の文3を卒業した人が社会で活躍できなかった人のニュースを張った。
適性もないくせに商社に入って挫折した人だそうだから、ひょっとしたら学問・研究の世界、あるいは教育の世界に行けばもっと成功していたかもしれない。
だけど、安倍政権は彼のように才能ある人のハシゴを外すようなことをやって波紋を呼んでいる。
文系廃止通知:ミスでした 真の対象、教員養成系のみ 国立大巡り文科省 釈明に奔走、撤回はせず
この件もオリンピックの競技場問題も大きく失態を演じているのは下村博文文部科学相だが、あれだけやらかしてもなお大臣でいさせているのは安倍総理その人なんだよなぁ…。(そして、下村氏を徴用した政治家も安倍さんしかいないというね…)
ちなみに、友達つながりで言うと表現規制推進派としてアグネス・チャンとも仲良しなことで有名。(そして、保守系の政治家には比較的優しいニコニコ百科事典に「「児童ポルノ禁止法」については、2013年5月8日の予算委員会においていて児童を性対象にした漫画やアニメが性犯罪を助長すると明言しており、慎重に漫画アニメを規制すると公言」ともある。)
さらには発達障害についての「発達障害は予防可能」などのデマ、「発達障害児は笑わない」を撒き散らかし、トンデモと名高い「親学」の推進議員連盟の会長は安部首相本人だ。…ただでさえ、能力の偏りがあって社会生活を営むのが難しい発達障害者にこの仕打ちだ。
文系の学部、アニメとゲーム、発達障害など自分が関わりがある分野だけでもこれだけ排除や理解のない態度を示し続ける政権こそ安倍政権である!
そしてそれらを仕事とする人の中は、一般的な企業が用意できる仕事では活躍できない人、表現や学問があったからこそなんとか生きていける人もいるにも関わらず、数少ない活躍の場を取り上げようとしている。
「一億総活躍社会」と言っても、僕はその1億の中には含まれないって事はわかった。
アニメもゲームも、あるいは学問も発達障害も僕にとっては重要な問題のつもりだから、それに対して排除や差別の論理を取る人の「一億総活躍社会」にはきっと僕みたいな人間のことは入ってないだろう。
言うまでもないことだが、色んな仕事・活躍の仕方があってもいいと思うし、それを認めてもらってるから生きていけてる人が世の中にはたくさんいるんだよ!
会社員として優秀な人間だけが優秀な人間じゃないし、会社員だけが仕事じゃない!会社員が向いてなくても、何かしらの才能があるなら他のことにチャレンジして挽回したらいい!
…もし世の中に社畜しかないんだったら、僕は躁うつ病になり、発達障害になった、時点で会社員としてフル稼働できないのでとっくの昔に自殺しているし、実際うつが酷い時には自殺も考えた。
だけど、生きてるのは「会社で働かなくても、あるいは続かなくても生きている・なんとか自分の道をつかめた人」がネットの中に沢山いて、そういう人に勇気づけられて生きてる。
ニートの大半は就労経験がある。
失業している若者やフリーターしている若者だって、長い目で手に職つけられる・仕事をすることで積み上げられるものがあるならそのチャンスを活かしたい。
あるいはチャンスが会社員という場所になかった時に、どこかしらの選択肢へ行くことに対して寛大な世の中、資本が作ったアイドルや宣伝だけじゃない色んな文化が広まるチャンスがある多様性があれば、それだけ生きていける人は増えていく。
「一億総活躍社会」などというなら、介護離職0なんかよりも同じ民族や教育を受けた人間、あるいは一度社会に出たけどドロップアウトした人達の多様性やチャンスや保障をキッチリさせるところからやってほしい。
大それたかっこいい目標を掲げてヒーロイズムに酔うことよりもやってほしいことは現在の問題に対応することだ。
「子どもを増やして国家に貢献」みたいなことを官房長官もおっしゃってたけど、だったら子どもを産んで育てる手伝いなり、そもそも結婚していきていけるだけのチャンスとか仕事を進めるために必要な自由や権利をキッチリと保障していただきたい。
自分が関わる分野に対して「友達の政治家・著名人がこう言ったから規制しましょう」と言ってしまうような総理大臣から「一億総…」とか言われても、それは大人が子どもを騙す時の「みんな○○してるよ」と大差無いように映る。
できる限り、フェアかつ合理的かつ今の時代に適応した政策や政権運用をお願いしたいものだ。
でも、それだけ欠点のある政権なのに、日本のマスコミがあまり否定しなかった時期もあるのよね…。情報を拾うところをもっと広げたり、変えたりした方がいいのかねぇ…
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むしろ、高学歴で犯罪に走らないいい子も増えてるけど、労働に参加してはいない。問題点はむしろそこにあると思う。
アグネス・チャンの話が出たから表現規制問題の話も少し。
安倍政権が子ども子どもというが、今の親にこれだけの負担ができるとホンキで思ってるのか本当に聞いてみたい。当たり前のようにさせてもらったスポーツや習い事は比較的裕福だった時代だからさせてもらえたが、今の親が同じことを子どもにしてやれるかというと難しいのでは…?