みなさぁーん、映画観てますかぁ?
私は観てませーん。
さて、今日の観ないで語る映画時評は
『エイリアン:コヴェナント』
です。
さてブログ更新がだいぶ滞ってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の為の絵を描きながらね、どういう内容で行くかずっと考えていました。
そしたらですね、思い出したんですね。
何回か前の「観ないで語る映画時評」で、私、『エイリアン:コヴェナント』が観たいって書いたんですよね。
あれ、本気です。
私、凄く観たかったんです。
だってね、だってね、
前作に当たる『プロメテウス』も観てるんですよ?
今作はその続編だっていうじゃないですか!?
普通観たいですよね?
っていうか観たいです。
ぜひ観たい。待ち侘びていたと言っても過言じゃない!
そしてここに断言する!
絶対面白い筈だと!
観ませんけどね。
前作『プロメテウス』
いやぁところで皆さんは観ましたかね、『プロメテウス』は?
私ね、最初エイリアン・シリーズだとは思わなくてですね。
スルーしちゃって、あとでレンタルで観たんですわ。
そしたらこれね、どこからどう観ても、
エイリアン・シリーズで間違いありませんが、
お馴染みのエイリアンは出て来ないんですよ。
ここでいう「お馴染みのエイリアン」っていうのは
顔が長いタイプで、骨ばってて、
半分機械で半分生身みたいなヤツのことを指してます。
私は最近知ったのですが、「ゼノモーフ」っていうらしいですね。
フェイスハガー
『プロメテウス』に出て来るモンスターで、旧エイリアンシリーズに近いタイプと言えば、フェイスハガータイプですかね。
フェイスハガーっていうのは
旧エイリアンをご覧になった方ならご存知かと思いますが、
エイリアンの卵を人間に産み付ける為だけに生まれて来たヤツです。
その為に特化しているので、それ以外の機能は有していないようです。
産み付けてしまったらその生涯を全うします。
カニの様な手足で人間の顔にがっちりと覆いかぶさって卵を産み付けます。
卵を産み付けられた人間はしばらくは生き続けますが、
やがて体内で孵化したエイリアンの幼体が
人間の腹を食い破って出て来ます。大概の人間はこの時点で死亡します。
寄生
私ねエイリアン・シリーズの何が怖いって、
この人間の身体に寄生して育ったら食い破って捨てるというところが、
一番怖いんですよね。
何故ならこれって昆虫の世界では当たり前の様に行われている行為ですよね。
鳥の托卵もある意味そうだし。
何だか種を残す為には他の生命体がどうなろうが関係無いという、
生命というか野生が本来持ち合わせている残虐性の一つだと思うんですよね。
これは「親子愛」という言葉で
ある意味「キレイゴト」にすることも可能ですよね。
だから「美しき親子愛」っていうのは、
実は残酷な種の生存競争と表裏一体な気がするんですよ。
近代以降人間が作り上げて来た「ヒューマニズム」を
ある意味ひっくり返す様な矛盾が提示されている気がします。
そこが旧エイリアンシリーズで感じた怖さなんですよ。
何だか不安な気持ちになるんです。
これは他のホラー映画では感じることは無い怖さだと思うんです。
『プロメテウス』ではそこの恐怖を強調している気がするんですね。
ボディハガー
というのは『プロメテウス』のフェイスハガーはデカいんです。
だから正確には「フェイスハガー」じゃなくて、ボディごとハグしてしまうから「ボディハガー」ではないかと思うんですがね。
カニみたいな小さいサイズのヤツでも厄介なのに、このボディハガーはイカみないな触手を持っているもっとキモくて厄介なヤツです。コイツ単体でも戦闘能力十分あるだろ的なヤツです。
また旧エイリアンシリーズのフェイスハガーは卵から孵(かえ)っていきなり人間を襲ってましたが、
この「ボディハガー」は、
謎の宇宙船内にあった、無数の壺の様な器の中から出て来た「種」の様な物を、
ヒロインの恋人(男)が知らずに飲まされて、
その男とセックスしたヒロインから産まれ出ます。
正確には産まれる前に堕胎させます。
堕胎させた「ボディハガー」は一時的に密閉された治療室に閉じ込められますが、物語後半に、人間の創造主にあたる異星人に巻き付いて、そいつにエイリアンの卵を産み付けます。
そしてその異星人の中から出て来たのが、
我々がお馴染みのゼノモーフに近い形をしたモンスターでした。恐らくは旧エイリアン・ゼノモーフの原型になる様なやつでした。
創造主
ええ先ほどですね、
人間の創造主に当たる異星人と書きました。
まあ人間よりも大きい、恐らく3メートルくらいある巨人なんですね。
なんで人間の創造主に当たると書いたかと言うとですね、
『プロメテウス』の冒頭でそういうシーンが出て来るんですね。
古代の地球に来て、自らの身体を犠牲にして生命のスープを創り出すシーンが。
ただ何のためにそういうことをしたのか、
何故人類を創ったのかということが、
全くわからない。
もしかしたらエイリアンを増殖する苗床にしようとしているのかもしれません。
エイリアンはある意味生物兵器なわけですからね。
旧エイリアンの第1作の最初の方で、
ある星に立ち寄ったら謎の宇宙船が出て来ますよね。
あれが『プロメテウス』にも出て来ますし
『エイリアン:コヴェナント』にも出て来るようです。
あの宇宙船内に巨人の死体がありましたよね。
操縦席に座って操縦しているようにも見えるし
銃座に座って何かを撃とうとしている様にも見える。
あの死体が『プロメテウス』に出て来た創造主です。
完全生物
さて旧エイリアンの第1作で、
エイリアンを「完全生物」と言ってましたね。
ある意味生物兵器として「完全生物」であると言えます。だから物語の中に出て来るウェイランド・ユタニ社は、兵器としてエイリアンを持ち帰りたかったわけです。
さてエイリアンの様な生物兵器は諸刃の剣だから嫌ですが、
人間はいつも人間を超越した者を求めますね。
それが人類を導いてくれるのだと。
この思想を元に創られた映画が『2001年宇宙の旅』です。
スタンリー・キューブリック監督の作品として有名ですね。
あの映画の宇宙ステーションのシーンは、当時の特撮技術の最高峰でしょうね。
CGも無い時代にあのシーンを創ったのは驚愕です。
ただストーリーはとても難解とされて来ました。
私もよくわからなかったのですが、
町山智浩さんの解説本を読むとですね、
「核兵器を持つに至った人類は自らも滅ぼす様な強大な力を手に入れてしまった。これから進むべき人類の道は核を使わない自制心も持つことだ。その為には戦争ばかりしている人類では無くて、それを超越した新しい人類が導かなければならない。それが映画の終わりに出て来る胎児の映像=スターチャイルドだ」
と言っているんだそうです(「」内の文は町山智浩さんの引用ではなくて、それを読んだ私が勝手に解釈したものです)。
これは町山智浩さんが勝手に想像で言っているのではなくて
ストーリー解説の為のナレーションが付いていて、
その脚本にその様な旨の内容が出て来るんだそうです。
ところがそのナレーションは最終的に全部削ってしまったので
普通の人には良くわからないストーリーになったそうです。
映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION)
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新人類
さてこの新しい人類という考え方
後のSF映画やアニメにいっぱい影響を与えました。
すぐに思いつくのはガンダムですよね。
ニュータイプって正にそれですよね。
ああ、そういえばアマゾン・プレミアムで
ガンダム・THE ORIGINシリーズをⅠからⅣまでこの前一気観しまして、
なかなか面白かったです。
ジオン・ズム・ダイクンのニュータイプ論というのは
やっぱりナチスの様な選民思想に転化され易い隙がありましたよね。
だからザビ家の野望に利用されてしまうわけです。
シャアも結局はその選民思想の落とし穴にハマってしまい、
ネオ・ジオンを作ってザビ家の「コロニー落とし」と同じ様な「小惑星落とし」をやろうとする。
自分がかつて復讐した相手と同じことを、シャアはやってしまっているわけで、そこがガンダムの話の味ですよね。物凄い業の深さを感じてしまう。
スターウォーズのジェダイもある意味新しい人類の様な気がするし
テクノロジーの発展が新しい人類を生み出すという思想が源流にある気がする。
ほら『エイリアン』と繋がった。
そう言えば
今度『ブレードランナー2049』も上映されますね。
楽しみです。これはぜひ観たいです。
リドリー・スコットは製作総指揮らしいですけどね。
ということで皆さん。
ぜひ観てくださいね。
私は観ませんけどね。